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VSホブゴブリン

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「次はお前だ!」

俺はホブゴブリに向かって走り出す。
いつものように相手の懐に潜り込み首へ短剣を滑り込ませる。短剣術LV.1を手に入れたおかげか先ほどよりも動きがスムーズに感じる。


キンッ!


「クソッ!」

だが先ほどの石のようにホブゴブリンの持っている鉈に弾かれてしまう。 

「グギャギャギャ!」

ホブゴブリンが次は俺の番だとでも言いたげに俺に向かって鉈を振り回し攻撃する。

「ヤバイ…」

先ほど攻撃を仕掛け、止められたことでわかったがただのちからではホブゴブリンの方が高い。だから俺はホブゴブリンの攻撃を防ぐことは難しいはずだ。


キンッ!キンッ!


「クソッ!手がビリビリ痺れる!」

やはり一撃が俺にとってはかなり重い。
このままではジリ貧だ。

「受け止めれないなら避けてやる!」

ちからでは向こうが高いが素早さなら確実に俺の方が高いはずだ。相手の攻撃が少し遅く見えるのがその証拠だ。攻撃を避けるため先ほど会得した【集中LV.1】を発動させる。

「いける!」

いきなり先ほどのように超集中モードに入る。敵の筋肉の動き、視線の動きが全て手に取るようにわかる。ゴブリンの荒れ狂った鉈を全て危なげなく避ける。

「グ…グギャギャ…」

どうやら俺が攻撃を避けたせいでかなりの体力を消費したようだ。攻撃は避けられた場合が一番体力を消費するのだ。

「行くぞ!」

俺はホブゴブリンへ攻撃を仕掛けるため脚に力を入れる。だがうまく力が入らず膝がガクリと落ちる。

「あ、あれ…?」

なにやら目線の左上に人間が膝をついて息をしているマークが表示されている。


[スタミナ低下]
【集中LV.1】による一時的なスタミナ不足。


どうやら先ほどの【集中LV.1】によるスタミナ低下のようだ。【集中LV.1】によって手に入る恩恵は凄まじいが、そのかわりスタミナを多く消費するということか。

「クソ…相手も回復したのか」

俺がスタミナ低下している時にホブゴブリンのスタミナ低下も終わったようだ。
俺は一度ホブゴブリンから距離を取るため後ろへ飛び退く。

「グギャギャ!!!」

だがホブゴブリンはそれを許さず俺に向かって突進する。やはりかなり頭にきているようだ。
俺は地面に落ちている石を拾いホブゴブリンに投げつける。少しでも隙を作るためだ。その隙に先ほど倒したゴブリンに刺さっている投げナイフをホブゴブリンに向かって投げつける。

キンッ!

ホブゴブリンは飛んできた投げナイフを鉈で薙ぎ払うが、二本の内一本しか防ぎきれない。俺が2本目を一本目に隠すように一本目の真後ろを通るように投げたからだ。そしてそのナイフはホブゴブリンの片眼に深々と突き刺さる

「グギャァァァァァァ!」

俺はホブゴブリンが怯んでいる隙に猛ダッシュで近づく。ホブゴブリンは焦って鉈を振り回すがそれを間一髪で避ける。見えなくなった方へ回り込み下から短剣で首を切り裂く。

「終わりだ!」

「グギャァァァァァァァァ!!!」

首にめり込んでいる短剣に力を込めホブゴブリンの首を切り落とす。

 40 EXPを獲得しました。

スキル【短剣術LV.1】が【短剣術LV.2】にレベルアップしました。

「はぁ…はぁ…」

厳しい相手だった。投擲術と短剣術を持っていなかったら確実に負けていたはずだ。やはりこれからはレベル上げとかよりもスキルを獲得することをメインにしよう。

「空腹ケージも減ってきたし一旦戻るか。」

街へ戻ったら特技図鑑スキルブック魔物図鑑モンスターブックも買わなくてはいけない。それにもう現実世界は夕方だ。一度街へ戻ってGKMを止めることにしよう。
俺はホブゴブリンの首飾りと中継地キャンプの中にあるものをアイテムボックスへしまい、街へ踵を返した。
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