上 下
6 / 66

ちからなんていりません。

しおりを挟む

俺は近くに落ちている石を集める。
そう。次に所得するスキルは【投擲】だ。素早さが高いため、腕を振るスピードも速い。理論上腕を早く振れれば速い球が投げれるのだ。

「よし。とりあえず思い切り振りかぶって…ふんっ!」

俺は体育の授業で習った正しいボールの投げ方をイメージし、スライムに向け石を投げる。


ぽよぉぉぉん


「やっぱ無理か…?でももう少しで貫通しそうだったよな。」

スライムに投げた石は跳ね返ってしまったが確かにもう少しで核に当たるほどにまで食い込んでいた。

「あ、そういえばGMポイント振るの忘れてた!ステータス!」

俺はステータスを思い浮かべGMポイントを振り分ける。




Lv.2
HP   57
MP   22
ちから  7
防御力  7
攻魔力  5
防魔力  5
素早さ  17  (20)
器用さ  7
魅力   5

スキル
格闘術LV.1



レベルが上がってから始めてステータスを確認したがレベルが上がることによって全体的にステータスは上がるようだ。
それでも獲得したGMポイントは全て素早さにつぎ込むことに変わりはない。


「よし。これでもう一回投げてみるか。」

先ほどと同じように正しいフォームで投球する。
しかし先ほどとは違い腕の振りがやはり速くなっている。


パリンッ!


俺の投げた石がスライムに直撃し運良く核にも直撃する。
先程は当たらなかったがやはり素早さを
あげたことによって球速が上がったようだ。

「やった!!もういっちょ!」

いい気になり近くにいるスライムに石を投げまくる。だが精度がそこまで高くないため運良く核に当たるのは5球に1発だ。

「はぁはぁ…そろそろか?後少し!!」


一定条件をクリアしたためスキル【投擲術LV.1】を獲得しました。


「よっしゃぁぁ!!」


なんとかスライムを倒しまくって投擲術LV.1をゲットすることができた。早速投擲術LV.1の効果を試してみることにする。


「ふんっ!」


手慣れたフォームでスライムに石を投げつける。だが今までとは速度も精度も大きく違う。

「おぉ!!一発!」

投擲術LV.1恐ろしや…。
だがこれのおかげで随分レベル上げが捗りそうだ。
とりあえずの目標はスライムだけでLV.5だ。死亡してしまうとペナルティがあるため迂闊に強い敵には挑戦できない。



ぐぅぅぅぅぅ



「あ…レベル上げの前にこの世界初のご飯でも食べに行こうかな。」


この世界には空腹ゲージがあり、ゲージにより様々な効果が付与される。
満腹になりすぎると移動速度低下。
空腹になりすぎるとちから、スタミナの低下だ。
ちなみにスタミナという能力値はないがこれはHPと比例しているらしい。

「お金も少し溜まったし、スライムの核も換金すれば何か買えるはず!」

俺はとりあえず街に戻り、換金してもらうため先ほどの武器屋へと向かう。

「おじさん!スライムの核の換金はできる?」

「お、あんたはさっきの!いいぜ!」

スライムを倒しまくり手に入れたスライムの核は合わせて15個だ。

「こりゃすごい状態がいいな。まぁ使う機会がないから安いが…1つ20ゴールドで合計300ゴールドだ。」

1つ20ゴールドか…状態が悪かったらもっと安いだろうから丁寧に抜けとっといてよかった。

「そういやあんちゃん。さっき買った短剣は使ったのか?」

「使ったけど核まで届かなかったからまた今度別のモンスターに使ってみるよ。」

「そうかそうか。他にも欲しい武器があったら来てくれよ!」

「わかった!じゃあまた!」

NPCとはわかっているがどうも人間と何一つ変わらないため仲良く話してしまう。まぁ仲良く話しちゃいけないわけではないのだが。

「所持金はさっきの300ゴールドと合わせて720ゴールドか。」

この世界の食事の相場がわからないが最初の街だからそこまで高くはないだろう。

「えっと…食事ができるところは…市場の食事と高いレストランとギルドだけか。」

どうやらはじめの街ということもあり、座って飯が食えるところは2つだけらしい。
高級レストランがあるのは景観を保つためだろう。

「じゃあギルドへ行ってみるか。たしか冒険者登録とかもあったよな?」

以前このゲームを始める前に調べた情報によるとプレイヤーはギルドで登録する冒険者ランクによって区別されるらしい。
ABCなどのアルファベットではなく金銀銅などの色で構成されたランク付けらしい。
ちなみに冒険者ランクによって制限された場所、店などもあるらしい。

「ここがギルドか…飯の前にギルド登録しとくか。」

ギルドは街の顔ということもありかなり大きな西洋風の建物だ。中に入るとプレイヤーで賑わっている。
パーティーを集めたり、クエストを探したり、飯を食ったりしている人で満杯だ。


「冒険者登録しに来ました!」




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

成長チートと全能神

ハーフ
ファンタジー
居眠り運転の車から20人の命を救った主人公,神代弘樹は実は全能神と魂が一緒だった。人々の命を救った彼は全能神の弟の全智神に成長チートをもらって伯爵の3男として転生する。成長チートと努力と知識と加護で最速で進化し無双する。 戦い、商業、政治、全てで彼は無双する!! ____________________________ 質問、誤字脱字など感想で教えてくださると嬉しいです。

異世界を【創造】【召喚】【付与】で無双します。

FREE
ファンタジー
ブラック企業へ就職して5年…今日も疲れ果て眠りにつく。 目が醒めるとそこは見慣れた部屋ではなかった。 ふと頭に直接聞こえる声。それに俺は火事で死んだことを伝えられ、異世界に転生できると言われる。 異世界、それは剣と魔法が存在するファンタジーな世界。 これは主人公、タイムが神様から選んだスキルで異世界を自由に生きる物語。 *リメイク作品です。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?

ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚 そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

チート級スキルを得たゲーマーのやりたいことだけするVRMMO!

しりうす。
ファンタジー
VRゲーム【Another world・Online】βテストをソロでクリアした主人公──────雲母八雲。 βテスト最後のボスを倒すと、謎のアイテム【スキルの素】を入手する。不思議に思いつつも、もうこのゲームの中に居る必要はないためアイテムの事を深く考えずにログアウトする。 そして、本サービス開始時刻と同時に【Another world・Online】にダイブし、そこで謎アイテム【スキルの素】が出てきてチート級スキルを10個作ることに。 そこで作ったチート級スキルを手に、【Another world・Online】の世界をやりたいことだけ謳歌する! ※ゆるーくやっていくので、戦闘シーンなどの描写には期待しないでください。 ※処女作ですので、誤字脱字、設定の矛盾などがあると思います。あったら是非教えてください! ※感想は出来るだけ返信します。わからない点、意味不明な点があったら教えてください。(アンチコメはスルーします)

みんなからバカにされたユニークスキル『宝箱作製』 ~極めたらとんでもない事になりました~

黒色の猫
ファンタジー
 両親に先立たれた、ノーリは、冒険者になった。 冒険者ギルドで、スキルの中でも特に珍しいユニークスキル持ちでがあることが判明された。 最初は、ユニークスキル『宝箱作製』に期待していた周りの人たちも、使い方のわからない、その能力をみて次第に、ノーリを空箱とバカにするようになっていた。 それでも、ノーリは諦めず冒険者を続けるのだった… そんなノーリにひょんな事から宝箱作製の真の能力が判明して、ノーリの冒険者生活が変わっていくのだった。 小説家になろう様でも投稿しています。

転生したらドラゴンに拾われた

hiro
ファンタジー
トラックに轢かれ、気がついたら白い空間にいた優斗。そこで美しい声を聞いたと思ったら再び意識を失う。次に目が覚めると、目の前に恐ろしいほどに顔の整った男がいた。そして自分は赤ん坊になっているようだ! これは前世の記憶を持ったまま異世界に転生した男の子が、前世では得られなかった愛情を浴びるほど注がれながら成長していく物語。

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!

IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。  無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。  一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。  甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。  しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--  これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話  複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

処理中です...