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第02章 エンドーサ王国編
02 こんな生活も悪くない?
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リージュの所有物になってから一週間が過ぎた。
「そっちに逃げたぞレンタ!」
「ほいほい。【ロックブラスト】」
《ブォォォォォォォン!?》
巨大猪の頭蓋を魔法の石礫が貫く。蓮太に向かい突進してきた巨大猪は大きな音をたて地面に伏した。
「楽勝っ」
「うむ。良くやってくれたなレンタ。さあ里に戻るぞ。いつものように頼む」
「了解っと」
リージュが弓で進路を変え、蓮太が魔法でとどめをさす。二人は実に良いコンビになっていた。この連日の狩りで里の食糧事情は豊になっていた。
蓮太はいつものようにアイテムボックスから巨大猪の死体を取り出し、魔法で血抜きをしてから台座の上に置いた。
「リージュ、今日も巨大猪を狩れたなんて凄いじゃない!」
「おかげで最近ちょっと太っちゃったわぁ~」
「私達は少し痩せすぎていたからな。今くらいがちょうど良いだろう」
リージュは巨大猪を解体し、長に捧げる分を取り分けた。
「レンタよ、これを長に」
「ははっ」
蓮太は取り分けられた肉塊を受け取り長の家に向かう。
「失礼しま~す、本日の貢ぎ物です」
「ご苦労様。ふふっ、すっかり里に馴染んでいますね」
いつも長の隣に控えているエルフが蓮太から肉を受け取り貯蔵庫に運ぶ。
「馴染んでるんですかね、自分ではよくわからないっす」
「馴染んでいると思いますよ。里のエルフ達からも最近食事に困らなくなったと話しになっています」
「俺はただリージュに使われているだけなんで」
「ふふっ。所で……リージュとは仲良くしていますか?」
「いきなりですね。まぁ……ぼちぼち仲良くはしていますね」
「あら、ぼちぼちですか。里の者からは毎日のようにと聞こえてきていますが?」
「全部知ってるんじゃないっすか」
所有物になってからも毎日母乳を飲み、反応したら処理されている。むしろ最近はリージュの方から進んで母乳を飲まないかと誘ってくる。
「レンタ、見ての通りこの里には男がいません。昔はもっと仲間もいましたが、魔物の襲撃や食糧難で数は減る一方でした。増やそうと思っても人間は私達エルフを敵対視していますし、増やせなかったのです。私が何を言いたいかわかりますか?」
「さっぱりですね。俺は今リージュの所有物なので。リージュが言うなら従いますよ」
「そう……わかりました。今夜リージュと共にもう一度顔を出してください。良いですね?」
「伝えておきます」
そして夜、俺はリージュと共に再び長の家を訪ねた。
「長、リージュ参りました」
「ご苦労様。リージュ、こちらへ」
「はっ」
長はリージュを近くに呼び、なにやら耳打ちを始めた。リージュが時折蓮太に視線を送る。
「本気ですか長」
「ええ。あなたから彼に伝えてくれるかしら」
「わかりました」
話しを終えたリージュが蓮太にこう告げた。
「レンタ、今夜は長の御相手になるのだ」
「は、はぁっ!?」
長を見るとニコニコと笑ってはいたが、頬は赤く染まっていた。
「御相手って……御相手?」
「そうだ。いつも私相手にしている事を長にするのだ」
「え? リージュは何とも思わないのか?」
「何故だ? 長がそう言っているのだから従うのは当然だろう?」
「は、はぁ……」
エルフにはエルフのルールが存在するらしい。
「レンタ、私の相手は不満ですか?」
「え?」
「まさか! レンタは毎晩のように私に処理させるほどの不埒者です。長相手に不満などあるはずもないでしょう! そうだな、レンタ!」
「ま、まぁ……。不満は……ないかな」
「長よ、レンタもこう言っておりますが故!」
「ありがとう、リージュ。では寝所へ参りましょうかレンタ」
「マジかぁ……」
そして翌朝。
「うっ……太陽が眩しい……」
「ふふっ、おはよう……レンタ」
朝日が差し込み目を覚ました。蓮太の腕を枕にし、長がぴったりと抱きついていた。
「本当にエルフを相手にできるのですね。やはりレンタは変わった人間です」
「そうですかねぇ。でも何でそんなに敵対してるんですか? エルフは見た目も人間に近いし……」
「美しい……でしょう?」
「否定できませんね」
長は蓮太に甘えるように頬を擦り付ける。
「私達エルフが人間を憎むのは……人間が私達を拐い、商売道具にしていたからです」
「……なるほど。奴隷か!」
「……はい」
長は伝え聞いた話を口にし始めた。
「はるか昔は私達エルフも町で人間と共に暮らしておりました。ですが人間は私達エルフを捕縛し、貴族や好色家に向け、奴隷として売り飛ばし始めたのです。私達エルフは抗議をしましたが、人間は知らぬ存ぜぬ。私達は人間から逃げるように分散し、世界中にある森へと隠れる事言ったしました。その時はまだ男のエルフもおりましたが、森での暮らしは厳しいもので、日々その数を減らしていきました」
長の表情は見えないが、悲しみに震えている事はわかった。
「そしてある日、人間はエルフ狩りを始めたのです」
「エルフ狩り……」
「はい。私達は魔物と同等の価値しかなく、ただの道具でしかなかったのだと言われたそうです。これに当日の長は怒り、人間と戦を始めました。ですが数で圧倒され、全ての男エルフは惨殺、女エルフは捕縛され、玩具にされ死に絶えました。私達はその戦から逃げることができた生き残りなのです。中には戦を知らないエルフもいますが、当時を知る私がいかに人間は残酷な生き物であるかを日々解いてきました」
「そうか……」
「中には良い人間がいる事も存じています。ですが、基本人間は欲望の塊、私達を性欲の対象としか見ず、心から愛してくれる者などいない。昨日まではそう思っていました」
「昨日まで?」
そう言うと長は蓮太の上に移動した。
「昨夜、確かに私は愛を感じました。リージュも以前より笑みが増えたように思います。貴方は……他の人間とは違う。ちゃんとエルフを対等に扱っている。性欲の捌け口としてではなく、心から愛せる人間だと知りました」
「ちょっ、まだするんですか!?」
「しますともっ。だって数百年ぶりですもの」
「数百年……?」
「あら、年齢を聞いても変わらないのですね。嬉しいですわ……」
「そりゃあ……ねぇ……」
「さあ、先ずは私と子を成しましょう。その後はリージュ、その後に希望者を募るとしましょう。レンタ、私達エルフを救って下さいね」
この後散々吸い付くされ、夜になりようやく解放されたのだった。
「そっちに逃げたぞレンタ!」
「ほいほい。【ロックブラスト】」
《ブォォォォォォォン!?》
巨大猪の頭蓋を魔法の石礫が貫く。蓮太に向かい突進してきた巨大猪は大きな音をたて地面に伏した。
「楽勝っ」
「うむ。良くやってくれたなレンタ。さあ里に戻るぞ。いつものように頼む」
「了解っと」
リージュが弓で進路を変え、蓮太が魔法でとどめをさす。二人は実に良いコンビになっていた。この連日の狩りで里の食糧事情は豊になっていた。
蓮太はいつものようにアイテムボックスから巨大猪の死体を取り出し、魔法で血抜きをしてから台座の上に置いた。
「リージュ、今日も巨大猪を狩れたなんて凄いじゃない!」
「おかげで最近ちょっと太っちゃったわぁ~」
「私達は少し痩せすぎていたからな。今くらいがちょうど良いだろう」
リージュは巨大猪を解体し、長に捧げる分を取り分けた。
「レンタよ、これを長に」
「ははっ」
蓮太は取り分けられた肉塊を受け取り長の家に向かう。
「失礼しま~す、本日の貢ぎ物です」
「ご苦労様。ふふっ、すっかり里に馴染んでいますね」
いつも長の隣に控えているエルフが蓮太から肉を受け取り貯蔵庫に運ぶ。
「馴染んでるんですかね、自分ではよくわからないっす」
「馴染んでいると思いますよ。里のエルフ達からも最近食事に困らなくなったと話しになっています」
「俺はただリージュに使われているだけなんで」
「ふふっ。所で……リージュとは仲良くしていますか?」
「いきなりですね。まぁ……ぼちぼち仲良くはしていますね」
「あら、ぼちぼちですか。里の者からは毎日のようにと聞こえてきていますが?」
「全部知ってるんじゃないっすか」
所有物になってからも毎日母乳を飲み、反応したら処理されている。むしろ最近はリージュの方から進んで母乳を飲まないかと誘ってくる。
「レンタ、見ての通りこの里には男がいません。昔はもっと仲間もいましたが、魔物の襲撃や食糧難で数は減る一方でした。増やそうと思っても人間は私達エルフを敵対視していますし、増やせなかったのです。私が何を言いたいかわかりますか?」
「さっぱりですね。俺は今リージュの所有物なので。リージュが言うなら従いますよ」
「そう……わかりました。今夜リージュと共にもう一度顔を出してください。良いですね?」
「伝えておきます」
そして夜、俺はリージュと共に再び長の家を訪ねた。
「長、リージュ参りました」
「ご苦労様。リージュ、こちらへ」
「はっ」
長はリージュを近くに呼び、なにやら耳打ちを始めた。リージュが時折蓮太に視線を送る。
「本気ですか長」
「ええ。あなたから彼に伝えてくれるかしら」
「わかりました」
話しを終えたリージュが蓮太にこう告げた。
「レンタ、今夜は長の御相手になるのだ」
「は、はぁっ!?」
長を見るとニコニコと笑ってはいたが、頬は赤く染まっていた。
「御相手って……御相手?」
「そうだ。いつも私相手にしている事を長にするのだ」
「え? リージュは何とも思わないのか?」
「何故だ? 長がそう言っているのだから従うのは当然だろう?」
「は、はぁ……」
エルフにはエルフのルールが存在するらしい。
「レンタ、私の相手は不満ですか?」
「え?」
「まさか! レンタは毎晩のように私に処理させるほどの不埒者です。長相手に不満などあるはずもないでしょう! そうだな、レンタ!」
「ま、まぁ……。不満は……ないかな」
「長よ、レンタもこう言っておりますが故!」
「ありがとう、リージュ。では寝所へ参りましょうかレンタ」
「マジかぁ……」
そして翌朝。
「うっ……太陽が眩しい……」
「ふふっ、おはよう……レンタ」
朝日が差し込み目を覚ました。蓮太の腕を枕にし、長がぴったりと抱きついていた。
「本当にエルフを相手にできるのですね。やはりレンタは変わった人間です」
「そうですかねぇ。でも何でそんなに敵対してるんですか? エルフは見た目も人間に近いし……」
「美しい……でしょう?」
「否定できませんね」
長は蓮太に甘えるように頬を擦り付ける。
「私達エルフが人間を憎むのは……人間が私達を拐い、商売道具にしていたからです」
「……なるほど。奴隷か!」
「……はい」
長は伝え聞いた話を口にし始めた。
「はるか昔は私達エルフも町で人間と共に暮らしておりました。ですが人間は私達エルフを捕縛し、貴族や好色家に向け、奴隷として売り飛ばし始めたのです。私達エルフは抗議をしましたが、人間は知らぬ存ぜぬ。私達は人間から逃げるように分散し、世界中にある森へと隠れる事言ったしました。その時はまだ男のエルフもおりましたが、森での暮らしは厳しいもので、日々その数を減らしていきました」
長の表情は見えないが、悲しみに震えている事はわかった。
「そしてある日、人間はエルフ狩りを始めたのです」
「エルフ狩り……」
「はい。私達は魔物と同等の価値しかなく、ただの道具でしかなかったのだと言われたそうです。これに当日の長は怒り、人間と戦を始めました。ですが数で圧倒され、全ての男エルフは惨殺、女エルフは捕縛され、玩具にされ死に絶えました。私達はその戦から逃げることができた生き残りなのです。中には戦を知らないエルフもいますが、当時を知る私がいかに人間は残酷な生き物であるかを日々解いてきました」
「そうか……」
「中には良い人間がいる事も存じています。ですが、基本人間は欲望の塊、私達を性欲の対象としか見ず、心から愛してくれる者などいない。昨日まではそう思っていました」
「昨日まで?」
そう言うと長は蓮太の上に移動した。
「昨夜、確かに私は愛を感じました。リージュも以前より笑みが増えたように思います。貴方は……他の人間とは違う。ちゃんとエルフを対等に扱っている。性欲の捌け口としてではなく、心から愛せる人間だと知りました」
「ちょっ、まだするんですか!?」
「しますともっ。だって数百年ぶりですもの」
「数百年……?」
「あら、年齢を聞いても変わらないのですね。嬉しいですわ……」
「そりゃあ……ねぇ……」
「さあ、先ずは私と子を成しましょう。その後はリージュ、その後に希望者を募るとしましょう。レンタ、私達エルフを救って下さいね」
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