クソッタレ人生を薔薇色に

夜夢

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中学校編

01 入学式

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    入学式当日、悠真は真新しい制服に身を包み、同じく真新しい制服を纏った遥と学校に向かって歩いていた。

「朝見たら新しいお家出来てるんだもん、びっくりしたよ!」

「ああ。前の家は色々と不便でさ。一から作った方が速かったからね。明日からは新しい方に来てくれるかな?」

「うん。けど…悠真くんってお金持ちさんだったんだね~。直ぐに新しい家を作っちゃうなんてさ~。」

「まぁ…ね。っと、着いたね。このまま教室に行くの?」

    遥はがっしりと悠真の腕に抱きついて離れなかった。その光景を数人の知らない生徒に見られたが、知らない相手なので特に気にする事も無かったが。

「当然だよ~。だって…私達もうあんな事やこんな事いっぱいしちゃった仲なんだし♪それに悠真くんは私のだって皆に見せておかないと!あ…でも悠真くんが迷惑だって言うなら離れるけど…。」

「いや、迷惑なんかじゃないけど。遥が良いなら僕は構わないよ。」

「うんっ♪じゃあこのまま行こっ♪」

    それから2人はくっついたまま教室へと入った。 

「おはよ~。」

「あ、遥おは…え?誰?」

    教室には既に他の生徒が全員集まっていた。

「如月悠真くん。私の彼氏♪」

「「「「え…えぇぇぇぇぇっ!?」」」」

    生徒達は一斉に立ち上がり2人を取り囲んだ。

「遥!か、かか彼氏って…!…やったの?」

「うん♪いっぱいしたよ♪」

「良いなぁ…。えっちに全く興味無かった遥にこんな格好良い彼氏が…。」

    今気付いたが、教室には女生徒しか居ない。

「なぁ、遥さんや。」

「なぁに?」

「僕以外に男は?」

「え?居ないよ?」

「は?マジで?じゃあ…他の皆がえっちしてた相手って?」

    その問いに女生徒達はこう答えた。

「「「「全部妄想です。」」」」

「え?は?じ、じゃあ…。」

    1人の女生徒が悠真に言った。 

「全員処女だよ。だって…村には歳の近い男の子なんて居ないし、居てもかなり年上か精通もまだな男の子しかいないし。」

「は、遥ぁぁっ!騙したな!?」

「え~騙してないよ?だって皆毎日1人え…」

「「「「こらぁぁぁぁっ!何言おうとしてんのっ!?」」」」 

    遥は皆に口を塞がれていた。

「皆元気が良いねぇ…。」

「あ。ごめんごめん。これから3年間宜しくね、えっと如月くん?」

「ええ、宜しくお願いします。」

    挨拶していると教室に結城先生が入ってきた。

「は~い、皆着席して~。出欠取ったら体育館に移動するわよ~。」

「「「「は~い。」」」」

    皆は素直に着席し、出欠確認に応じる。生徒数は10名。名前を覚えるのも簡単だった。

「【新木唯】さ~ん。」

「は~い!」

    新木唯。彼女は黒髪をサイドにちょこんと結っている可愛らしい女子。先程挨拶してきてくれた女子だ。

「【飯田愛菜】さ~ん。」

「はぁ~い。」

    飯田愛菜。髪は茶髪で腰まである。体型は…遥と同じ歳とは思えない程発達していた。

「【北野美咲】さ~ん。」

「はい!」

    北野美咲。村長の娘。黒髪ショートボブで眼鏡を掛けている。真面目そうな感じがする。

「【佐藤瑞希】さ~ん。」

「うぃ~。」

「こぉら!返事ははいでしょ!」

「…はいはい。」

    佐藤瑞希。いきなり制服を改造してる様な子。先程遥と僕の経験に一番食い付き気味で来た子だ。短いスカートからはチラチラと下着がご挨拶していた。ギャルまでいかない女の子。

「高木遥さ~ん。」

「は~い。」

    高木遥。言わずもがな隣に住む女の子。今の所唯一の非処女。体型はまぁ…見た限りでは一番小さい。

「【新山菜月】さ~ん。」

「…ん。」

    新山菜月。あまり明るくはない。先程も少し離れた場所で聞き耳を立てていた位だ。容姿は悪くない。性格に難ありと見た。

「【野口真歩】さ~ん。」

「はいっ。」

    野口真歩。黒髪ポニテの女の子。背筋がピンッと伸びて声に張りもあった。武道か何かをやっているのだろうか。凛としている。

「【広瀬祈莉】さ~ん。」

「はい…。」

    広瀬祈莉。真面目そうな女の子。文系女子だろうか。三つ編みがよく似合っている。

「【森加那】さ~ん。」

「はいはぁ~い!」

    森加那。元気な女の子だ。スポーツ少女だろうか。膝に絆創膏を張っている様な活発さだ。

「じゃあ最後にこのクラス唯一の男子。如月悠真くん。」

「はい。」

    新木、飯田、北野、佐藤、高木、新山、野口、広瀬、森、そして僕。この10人でこれから3年間学ぶ事になる。

「全員出席ね。ではこれから入学式に移りますので、皆さんは体育館に移動して下さいね。」

「「「は~い。」」」

    それから体育館で入学式が執り行われた。やたらと長い校長の話を聞き、再び教室へと戻った。

「はい、今日の行事はこれでおしまい。明日は身体測定と体力測定があります。皆さん、明日もちゃんと来る様にね?では…起立!礼!」

「「「ありがとうございました~。」」」

    入学式は昼で終わった。 

「明日は体力測定かぁ~。楽しみ!」

「森さんは運動好きなの?」

「うんっ!難しい勉強してるより身体動かしてる方が好きかな。あ、ボクの事は加那で良いよ。ボクも悠真って呼ぶから。」

    そう言って、加那は悠真の腕に抱きついてきた。

「こらこらこらぁっ!加那!悠真くんは私の!」

「あ、遥ちん。良いじゃん、少し位~。」

「だめ!悠真くん、もう帰ろ?此処は危険よ!」

「危険て…。皆友達じゃないの?」 

    遥は加那を引き剥がしながら言った。

「友達だけど、皆飢えてるから。此処は野獣の檻の中と変わらないわ!」

    そこに村長の娘である北野さんがやってきた。

「失礼ね。誰も取らないわよ。でも…如月くん?」

「はい?」

    北野さんはいきなり悠真に抱きつき口唇を重ねた。

「なっ!?」

    北野さんはゆっくりと口唇を離し、ぺろっと舐めて見せた。

「み、美咲!何してんの!?」

「味見♪如月くん?遥に飽きたら何時でも言ってね?私なら今直ぐにでもオッケーだから♪」

「こ、こらぁっ!誘惑するなぁぁぁっ!」

「きゃっ♪怖いわぁ…♪じゃあね、悠真♪」

    いきなり名前呼びに変わっていた。

「やっぱり危険だわ!悠真くん、もう行こ!」

「あ、ああ。」

    悠真は遥に引き摺られ教室を出た。

「うぅ~!いきなり人の彼氏とキスするとか!美咲ったら!」

「なら遥もする?祖父母宅なら誰も居ないし、今から行こうか。」

「え?あ…うんっ♪行くっ♪」

    この後、悠真は夕方になるまで遥と時間を過ごすのであった。

「んふ~っ♪今日もご馳走様でしたっ♪」

「いえいえ。遥となら何時でも。さて、送るよ。」

「はぁ~い♪明日も迎えに行くねっ♪」

「了解です。」

    こうして入学初日は過ぎていったのであった。

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