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第6章 女神達の章

02 天界は白1色だった

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    ルナ、マナの力で次元を越え、今ガゼルは天界へと立っていた。

「此処が…天界…。あ、白。」

「貴方は…。そんな上ばかり見て…。首が折れますよ?」

    ガゼルは空を飛ぶ天使達を見ていた。彼女達は短いスカート姿で空を飛んでいた。当然下からは丸見えだ。そして、そんな天使達は全員白を履いていた。

「流石純白の天使だ。下着まで白とはなぁ…。」

「もっとショックを受けているかと思いきや…。そうでも無い様ですね。」

「仕方の無い事だしな。別れは済ませた。未練は…無い。」

「そう…。ごめんね、神のイザコザに巻き込んでしまって…。」

「いや、悪いのは勇者召喚をした人間界だ。此方が寧ろ悪い。神には迷惑をかけてしまった…。すまんな。それより、俺はこれからどうしたら良い。試練とやらは…。」

    マナが言った。 

「先ずは天界に慣れて貰う。で、住む場所は自分で探す。私達が手を貸せるのはここまで。試練を越えられるかどうかはガゼル次第。越えられなかったら…地上に戻される。加護も失うから気をつける。試練はもう始まっている。ガゼルらしく過ごせば大丈夫。」

「マナ。」

「ん。ガゼル、早く試練を越えてまたえっちしよ?待ってるからね?」

「マナ…。分かった。次あったら即子作りな。それまでに産んでおけよ?」

「ん。天界なら直ぐに産まれるから…。早くね?じゃあ…頑張って!」

「ああ、じゃあなっ!」 

    ルナとマナは空に消えていった。

「大丈夫かな…。」

「ガゼルなら大丈夫。必ず越えられる。」

「心配だなぁ…。うぅ…。神な自分が恨めしい…。」

「それより、パパ達に報告しないと。赤ちゃん出来たって。」

「あ。そうね。じゃあ行こっか、マナ。」

「うぃ。」

    その頃ガゼルは…。

「住む場所って言ってもなぁ…。周りは雲しか無えし、どうしろってんだ?」

    その時、空から天使が一人降りて来た。

「お兄ちゃん、だれ~?死んだ人?」

「誰が死んだ人だ。俺はガゼル、神になる試練の最中だ。」

「神?新しい神様?何の神様?」

「何の?あぁ、愛と平和とか言うアレか。そうだなぁ、自称でも良いのか?」

「うん。何になりたいかが重要だから。」

「そうか、なら俺は…。」

    ガゼルはじっくり溜めてから続きを吐いた。

「俺はっ!子作りと色欲の神、ガゼル・ライオットだぁぁぁぁっ!」

    天使の女の子はポカーンとしていた。

「聞いた事なぁ~い。お兄ちゃん、家は?」

「今来たばかりだからな、無い。何をどうすれば良いのかもサッパリだ。」

「じゃあ私が教えてあげるよ~。付いて来て~。」

「あ、おい?急だなぁ。ま、今のとこ唯一の情報源だ。付いて行くか。」

    ガゼルは天使に付いて空を飛んでいく。

「羽が無いのに飛べるの~?凄い凄~い♪」

「まぁな~。それで、何処に向かってんの?」

「ん、あ、あそこだよ。私の家!」

「ん?あぁ、あれか。…家?」

    ガゼルは天使と共に雲に降り立った。

「雲に立てるとか…流石天界だな…。」

「お兄ちゃ~ん、こっち!中に来て~?」

    微妙にそそられるセリフをありがとう。

    ガゼルは女の子と中に入った。そこは雲で出来た家で…家なのか怪しいが、中は何も無かった。人が居る気配すら無い。

「ようこそ、此処が私が作った家だよ!」

「親は居ないのか?」

「親?天界は皆自力で生きるから親とは一緒に暮らさないよ?産まれてから10年までは一緒に暮らすけど、それを過ぎたら自力で生きなきゃならないの。」

「ほ~。中々厳しい世界なんだなぁ。で、俺を此処に招いた理由は?」

    女の子はガゼルにすがりついた。

「お願いっ!隣に住んでっ!家の作り方を教えるから!この辺は私しか住んでないの…。もう寂しくて…。」

「何で?皆と一緒に暮らせばいいじゃん?」

「無理なの…。私、落ちこぼれだから。下層にしか住めないの。皆はちゃんと力があるから中層か上層に行っちゃった…。お兄ちゃんは初めて下層で会ったから…。ダメ?」

    ガゼルは女の子に言った。

「構わないよ。家の作り方教えてくれ。取り敢えず作ってみたいからさ。」

「う、うん!えっとね…一回外に出よう。実際にやりながら教えるねっ?」

    ガゼル達は女の子の家の隣に出た。

「えっと、先ずは作りたい家をイメージして、地面に手をつけて、魔力を流すの!」

「で?」

「え?」

「つ、続きは?そんな簡単な事で良いのか?」

「む、難しいんだよ?やれば分かるよ!」

「ふ~む。どれ…。」

    ガゼルは目を閉じ、城をイメージしながら地面に手をおき、魔力をこめた。

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「え?えぇぇぇぇぇっ!?う、嘘ぉぉぉぉっ!?」
  
    女の子の家の隣に立派な城が出来上がっていた。女の子の家が雲そのものに対して、ガゼルの作った城は、地上にあった城そのものだった。

「ふぇっ…す…凄いっ!何で?何でこんな事出来るの!?」

「ふっふっふ。凄いか?まぁ、イメージ次第だからなぁ。簡単なモンよ。今まで色々創ってきたからなぁ。はっはっは!」

「…良いなぁ…。ちゃんとベッドとかお風呂とかあるんだろうなぁ…。うぅっ…。お、お兄ちゃん!」

「どうした?中に入ろうぜ?これから一緒に住むんだ。遠慮なく入れよ。」

    女の子は驚いていた。

「い、良いの!?私もこのお城で暮らしても良いの!?」

「勿論だ。一人じゃ広すぎるからな。それに、まだまだ聞きたい事もあるしな。そのお礼だ。」

「あ…ありが…とう!お兄ちゃんっ!うわぁぁぁんっ!」

    女の子は泣きながら抱きついてきた。余程寂しかったのだろう、暫く泣き止まなかった。

    ガゼルは女の子を抱き締めて泣き止むまで頭を撫でてやった。暫くすると、泣き止み、代わりにお腹から可愛い音が聞こえた。

「腹へってんのか?」

「…うん。私、食べ物も上手く作れなくて…。」

「ん?まさか…食べ物も雲から作るのか!?」

「え?うん、そうだよ?」

「マジかー。天界マジでどうなってんだ…。」

「お腹空いたぁ…。また雲そのまま食べなきゃ…。」

「待て待て、今俺が作ってやるよ。やり方は同じなんだな?」

「う、うん。作れるの?」

「イメージ次第だろ?なら簡単だ。まぁ見てな。」

    ガゼルは外に飛び出し雲から大量の料理、デザート、ジュース等を次々作り出し、城へと転送した。

「ふあぁぁぁ…♪な、何これぇぇ!美味しそう…!」

「先に食べていいぞ?感想を聞きたい。」

「良いのっ!?じゃあ…はむっ…もぐもぐ…。ゴクン…。お、美味しいぃっ♪味があるっ!甘いっ♪凄いよぉっ♪あむあむあむあむ…♪」

    女の子はどんどん平らげていった。それを見てガゼルも肉に手を伸ばしかじりついた。

「…肉だな。うん。間違いない。どうなってんだ…。不思議な雲だな。いやそもそも雲か、これ?分からん…。」

    ガゼルが悩んでいる間も、女の子は次から次へと食べていった。

「はぁぁ…♪ご馳走様でしたぁ…♪お兄ちゃん、料理美味しかったよ、ありがとう♪こんな美味しい料理初めてだよぉ~♪」

「良かったな、これから毎日ちゃんと食べさせてやるからな?」

「良いの?かなり魔力使うんじゃ…。」

「魔力?まぁ、有り余ってるからな。微々たるものだ。さて、食べたし話の続きを聞こうか。色々教えてくれ。」

「う、うん!何でも聞いて?」

    ガゼルは早速色々と質問するのであった。
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