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第6章 ナルニーア大陸編
07 まったりと
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感動の再会を果たしたリーフ。その日の夕食はこれまで倒してきた魔物の肉を使い豪華な夕食となった。
「これを孫が……? 凄いな……」
「はいっ! たくさん狩りました!」
「お肉なんていつぶりかしら……。ありがとうね、ライカちゃん」
母親には特別に胃を驚かせないようにリゾットと肉をそぼろにした物を出した。慣れてきたら形のあるものを出そう。
「お義父さんはお酒いけますか?」
「さ、酒!? 君は酒を持っているのかね?」
「はい。何か希望の品があれば」
「ふむふむ。なら……強い酒を頼む」
「強い……じゃあブランデーなんてどうでしょうかね」
俺はグラスに魔法で丸い氷を出し、そこにブランデーを注ぐ。アテは野菜スティックの人参。他にも人参の漬け物に人参のソテー。兎型の亜人なので多分好きだろうと用意した。事実リーフは野菜スティックに夢中で噛りついている。可愛いな。
「琥珀色の酒……ど、どれ……」
父親がグラスを傾け中身を胃に流し込む。
「っ、くぅ~~っ! 美味いっ! 香りも良いが強さが格別だ! も、もう一杯!」
「中々イケますね、どうぞ」
「すまんなぁ~。いやぁ、今日は良い日だ! 妻も元気になり俺の腕も戻った……! そして何よりもう会えないと思っていたリーフにまで! さらに孫にまで会えるとは……! うっうっうっ……」
ペース早いなぁ。こりゃ潰れるぞ。
「あなたったら。お酒入るとすぐ泣いちゃうんだから。えっとジェイドさんでしたっけ? 改めてありがとうね。私もう死を覚悟してたから……」
「本当に間に合って良かったですよ。お義母さんが頑張って生きていたから今があるんです。さ、どんどん食べて下さい。まずは魔法なしでも元気になれるようになりましょう」
「ええ、生きる希望もできたし頑張るわっ」
リーフは相変わらず一言も発さない。俺はリーフにどうしたのか問い掛ける。
「どうしたんだリーフ? 静かじゃないか」
「……いっぱい泣いちゃって……。ジェイドさんに見られて恥ずかしかったんです……ポリポリポリ……」
「ははははっ! リーフは昔から泣き虫だったからなぁ~。何年経っても変わらないようだ」
「もうっお父さんっ! ポリポリポリ……」
恥ずかしがっていただけか。
「それにしても……よく無事に戻ってきたなリーフ。人間の国では亜人の扱いが酷いと聞く。本当に無事で良かったよ。元気そうだし毛並みも良さそうだ」
「ジェイドさんのお陰です。彼と会う前はお母さんと同じくらい痩せ細って毛並みも酷かったですから」
「……そうか。やはり人間は……。いや、ジェイド君の前で人間を酷く言うのも何だが……」
俺は言った。
「いえ、気にしませんよ。俺もバロン帝国の人間はクズだと思ってますからね。奴らの亜人に対する扱いは目に余る。いずれ天罰が下るでしょう」
勿論下すのは俺だが。
「はっはっは! どうやら君は普通の人間とは違うようだ。ジェイド君、これからも娘をよろしく頼む!」
「もちろんですよ。俺は亜人も人間と変わりなく生きる権利があると思ってますからね」
そこでリーフが袖を引っ張ってきた。
「ジェイドさん……今夜私を……」
「ああ。作ろか、俺達の子を」
「っ! は、はいっ!」
そこでライカが口を開く。
「なら私は独立しよっかな。ジェイドさん、私に家を作って下さいよ~」
「あら、ここに居てもいいのよ?」
「私はお母さんの子供だけど相手は知らない人間だからね。邪魔したくないの」
それに対しリーフが怒る。
「ライカ! 何言ってるの!」
「え?」
「例え望まない相手との間の子でもライカは私がお腹を痛めて産んだ私の子なのよっ。バカな事を言わないで!」
「お、お母さん……」
リーフの両親もそこで気付いた。
「ライカはジェイド君との子じゃなかったのか」
「大変だったのねリーフも……。無理矢理なんて怖かったでしょうに……」
「……もう大丈夫。私はジェイドさんからたくさん愛されてるもの。ね、ジェイドさん?」
「そうだな。愛してるぞリーフ。それにライカもな」
「ジェイドさん……」
なにやらしんみりしてしまったが食事は賑やかに続いた。そしてその日の夜、リーフは俺の子を孕んだ。
「やっと……ジェイドさんとの赤ちゃんが……! 嬉しい……っ、これが愛する人との妊娠……! あぁ……ジェイドさん……」
「もうリーフを辛い目に合わせる者はいない。ここでのんびり子供と暮らそうな、リーフ」
「は、はいっ!」
隣にはライカもいた。もちろんライカも愛した後だ。
「ジェイドさん、私の身体もう少しなんとかなりませんかね? 毎回キツいんですけど……」
「ダメだ。その方が俺の好みだからな。それにライカはこれからこの村を守っていかなきゃならないだろ。妊娠なんてしてる暇はないぞ?」
「あ……そっか! ここで一番強いのは私になるんだ!」
「そうだ。俺とリーフの子が強くなるまでライカには村を守ってもらわなきゃならない。俺達の子が強くなる頃にはライカも元の年齢に戻ってるだろ?」
「な、なるほど! だから私を子供の姿に……!」
何も考えてなかったとは言えないほどライカは真っ直ぐ俺を見ていた。
「物事にはちゃんと理由があるもんだ。ライカ、頑張って魔物からこの村を守るんだぞ?」
「は、はいっ!」
「よし、じゃあそろそろ寝ようか。三人でな」
「「はいっ」」
こうして再会の夜は更けていくのであった。
「これを孫が……? 凄いな……」
「はいっ! たくさん狩りました!」
「お肉なんていつぶりかしら……。ありがとうね、ライカちゃん」
母親には特別に胃を驚かせないようにリゾットと肉をそぼろにした物を出した。慣れてきたら形のあるものを出そう。
「お義父さんはお酒いけますか?」
「さ、酒!? 君は酒を持っているのかね?」
「はい。何か希望の品があれば」
「ふむふむ。なら……強い酒を頼む」
「強い……じゃあブランデーなんてどうでしょうかね」
俺はグラスに魔法で丸い氷を出し、そこにブランデーを注ぐ。アテは野菜スティックの人参。他にも人参の漬け物に人参のソテー。兎型の亜人なので多分好きだろうと用意した。事実リーフは野菜スティックに夢中で噛りついている。可愛いな。
「琥珀色の酒……ど、どれ……」
父親がグラスを傾け中身を胃に流し込む。
「っ、くぅ~~っ! 美味いっ! 香りも良いが強さが格別だ! も、もう一杯!」
「中々イケますね、どうぞ」
「すまんなぁ~。いやぁ、今日は良い日だ! 妻も元気になり俺の腕も戻った……! そして何よりもう会えないと思っていたリーフにまで! さらに孫にまで会えるとは……! うっうっうっ……」
ペース早いなぁ。こりゃ潰れるぞ。
「あなたったら。お酒入るとすぐ泣いちゃうんだから。えっとジェイドさんでしたっけ? 改めてありがとうね。私もう死を覚悟してたから……」
「本当に間に合って良かったですよ。お義母さんが頑張って生きていたから今があるんです。さ、どんどん食べて下さい。まずは魔法なしでも元気になれるようになりましょう」
「ええ、生きる希望もできたし頑張るわっ」
リーフは相変わらず一言も発さない。俺はリーフにどうしたのか問い掛ける。
「どうしたんだリーフ? 静かじゃないか」
「……いっぱい泣いちゃって……。ジェイドさんに見られて恥ずかしかったんです……ポリポリポリ……」
「ははははっ! リーフは昔から泣き虫だったからなぁ~。何年経っても変わらないようだ」
「もうっお父さんっ! ポリポリポリ……」
恥ずかしがっていただけか。
「それにしても……よく無事に戻ってきたなリーフ。人間の国では亜人の扱いが酷いと聞く。本当に無事で良かったよ。元気そうだし毛並みも良さそうだ」
「ジェイドさんのお陰です。彼と会う前はお母さんと同じくらい痩せ細って毛並みも酷かったですから」
「……そうか。やはり人間は……。いや、ジェイド君の前で人間を酷く言うのも何だが……」
俺は言った。
「いえ、気にしませんよ。俺もバロン帝国の人間はクズだと思ってますからね。奴らの亜人に対する扱いは目に余る。いずれ天罰が下るでしょう」
勿論下すのは俺だが。
「はっはっは! どうやら君は普通の人間とは違うようだ。ジェイド君、これからも娘をよろしく頼む!」
「もちろんですよ。俺は亜人も人間と変わりなく生きる権利があると思ってますからね」
そこでリーフが袖を引っ張ってきた。
「ジェイドさん……今夜私を……」
「ああ。作ろか、俺達の子を」
「っ! は、はいっ!」
そこでライカが口を開く。
「なら私は独立しよっかな。ジェイドさん、私に家を作って下さいよ~」
「あら、ここに居てもいいのよ?」
「私はお母さんの子供だけど相手は知らない人間だからね。邪魔したくないの」
それに対しリーフが怒る。
「ライカ! 何言ってるの!」
「え?」
「例え望まない相手との間の子でもライカは私がお腹を痛めて産んだ私の子なのよっ。バカな事を言わないで!」
「お、お母さん……」
リーフの両親もそこで気付いた。
「ライカはジェイド君との子じゃなかったのか」
「大変だったのねリーフも……。無理矢理なんて怖かったでしょうに……」
「……もう大丈夫。私はジェイドさんからたくさん愛されてるもの。ね、ジェイドさん?」
「そうだな。愛してるぞリーフ。それにライカもな」
「ジェイドさん……」
なにやらしんみりしてしまったが食事は賑やかに続いた。そしてその日の夜、リーフは俺の子を孕んだ。
「やっと……ジェイドさんとの赤ちゃんが……! 嬉しい……っ、これが愛する人との妊娠……! あぁ……ジェイドさん……」
「もうリーフを辛い目に合わせる者はいない。ここでのんびり子供と暮らそうな、リーフ」
「は、はいっ!」
隣にはライカもいた。もちろんライカも愛した後だ。
「ジェイドさん、私の身体もう少しなんとかなりませんかね? 毎回キツいんですけど……」
「ダメだ。その方が俺の好みだからな。それにライカはこれからこの村を守っていかなきゃならないだろ。妊娠なんてしてる暇はないぞ?」
「あ……そっか! ここで一番強いのは私になるんだ!」
「そうだ。俺とリーフの子が強くなるまでライカには村を守ってもらわなきゃならない。俺達の子が強くなる頃にはライカも元の年齢に戻ってるだろ?」
「な、なるほど! だから私を子供の姿に……!」
何も考えてなかったとは言えないほどライカは真っ直ぐ俺を見ていた。
「物事にはちゃんと理由があるもんだ。ライカ、頑張って魔物からこの村を守るんだぞ?」
「は、はいっ!」
「よし、じゃあそろそろ寝ようか。三人でな」
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