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第1章 はじまり
第04話 冒険者登録
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階段を下りた先にはまた鉄の扉があった。その扉を開くと懐かしい空気が流れてきた。
「ちょっ、俺は逃げてねぇだろ!?」
「あぁん? 全速力で後退しておいてよくいうぜ」
「あれは敵の気を引くためにだなぁっ!」
扉の先では冒険者達がワイワイと酒を片手に戦果を競いあっていた。
「は……ははっ、いるじゃないか冒険者! この雰囲気……懐かしいな」
冒険者の姿を見て懐かしんでいるとアインに気付いた冒険者の男が近寄ってきた。先ほど逃げた逃げてないの話をしていた若い男だ。
「見ない顔だな? お前、新人か?」
「あ、ああ。南の村から出てきたばかりだ」
「ほ~。どうやってここの事を知った」
アインは道中で捕まえた盗賊の話をし、警備兵にこの場所を教えてもらった事を伝えた。
「嘘だろっ!? 一人で十人以上捕まえただ? ありえねぇ~」
「事実だ。まぁそいつらは俺の目の前で解放されたが」
「当たり前だろ。盗賊は見つけ次第こっそり排除する。冒険者の基本だぜ」
アインの知っている冒険者の基本とは大きな隔たりがあった。
「俺、まだ冒険者じゃないんだ。まさか盗賊がそのまま解放されるなんて思ってもいなかったんだよ」
「マジかよ。ったく、しょうがないな。とりあえずあそこのカウンターで登録済ませてこいよ。済んだら俺のとこにきな。冒険者のいろはを教えてやるよ」
「……いや、敵前逃亡する人はちょっと」
「してねぇよ!?」
「「「「ぎゃはははっ! 言われてんぞ【ホープ】」」」」
「うっせぇっ!」
どうやら目の前の男はホープという名らしい。アインは手を差し出した。
「すまない、冗談だ。後で話を聞かせて欲しい」
「笑えねぇ冗談だっつ~の! ったく、早く済ませて来いよ。それと、酒おごれよ!」
「新人にたかるのか?」
「……かわいくねぇ新人だな」
ひとまずホープと別れカウンターに向かう。
「冒険者登録を頼む」
「はい、ありがとうございます! けど、このご時世に冒険者になろうだなんて変わった方ですね? 冒険者の肩身は想像より狭いですよ?」
「構わないさ。この世界を正しい世界に戻す。そのためならどんな事にも耐えてみせるし、悪には徹底的に抗う」
「はぁ。まだ若いのに立派な志ですね。それではこちらに氏名と出身地を記入して下さい。字は書けますか?」
「ああ。ペンを貸してくれ」
「はい、どうぞ」
アインは受付からペンを借りさらさらと必要事項を埋めていく。当時はスキルを記入する欄があったがどうやら今はないようだ。
「スキルの記入は良いのか?」
「はい? 何いってるんですか? スキルは秘匿して然るべきでしょ? バレたら弱点になりますよ?」
「いや、組合には守秘義務があるじゃないか」
「ええ……? いつの時代の話をしてるんですか? 今は組合すら襲撃される時代ですよ? もし潰れたら情報全部悪人の手に渡ってしまうんですよ?」
「いや、それじゃ名前と出身地もまずいんじゃ……」
「それを知らなければ死んだ時実家に還してあげられなくなりますよ?」
もっともな意見だった。当時の冒険者組合といえば悪人は絶対に近付かない場所だった。そのため、登録はもっと詳細を記したものだが、今は最低限の情報だけで良いらしい。ひとまずアインは記入を終えた用紙を受付に渡した。
「アインさんですか。勇者さまと同じ名前なんですね」
「ああ。それなりに多いんじゃないか?」
「そうですね。もしアイン様が生きておられれば魔王なんてとっくに討伐されてます。その強さにあやかってアインと名付ける方は多いと聞きますね」
「じゃあ俺もその一人って事で」
「名前負けしないように頑張って下さいね。こちらが冒険者の証となるクロスです。首から下げておいて下さい」
「ありがとう」
アインは警備兵が見せてくれたものと同じ十字架を受け取り首から下げた。
「登録は終わったか?」
「ん? ああ、今終わったところだ」
「じゃあ色々教えてやるからついてきな」
「悪いな」
「なに、俺も先輩冒険者から色々教わったからな。ようやく俺にも後輩ができたぜ!」
「ホープ、抜かされねぇように気張れよ?」
「余計なお世話だっつーの!」
「「「「ぎゃはははっ!」」」」
それから酒場の片隅に席をとり、食事を摂りながら冒険者について詳しく話を聞いた。
「良いか? まず冒険者ってのはな—―」
ホープの話をまとめるとこうだ。
・当時と違い冒険者は表立って活動する事ができない。
・スキルは記す必要がない。
・組合からの依頼は現在なく、稼ぐ方法は魔物を狩り素材を売るか、こっそりと盗賊を退治し、貯め込んでいる財宝を奪う。
・冒険者のランクは十字架の色で決まる。ランクは銅、銀、金、白金、ミスリル、オリハルコンとなるが、現在ミスリルとオリハルコンは入手困難なため、現在の最高ランクは白金となっている。
・十字架を教会で見せると無料で宿泊できる。
・現在冒険者組合は水面下でレジスタンスとして活動しているが、国の方針によっては当時のように表立って活動している場所もある。
・この国は事なかれ主義で、魔国の宣言に従い犯罪者を罰してはいない。
「とまぁ、冒険者についてはこんな所かな。お前はこの先どうするか決めてるか?」
その問い掛けにアインはこう返した。
「とりあえず中央大陸に向かうつもりだ」
「中央大陸に? なんでまた?」
「は? なんでって……ガウス大陸に向かうにはまず中央大陸に向かう必要があるだろ」
「ガウス大陸に行くだって!? なんのために!?」
「決まってるだろ。魔王ディザームを倒すためだ」
ホープはぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
「ば、ばかいってんじゃねぇぞ! そんなもん死にに行くようなもんじゃねぇか!」
「俺は死なん。そのためにきつい修行をしてきたからな」
そう、アインは転生してからそれまでの知識を生かし、0歳児の頃から修行を始めていた。といっても0歳では身体の自由が利かないため、もっぱら魔力量を増やす訓練ばかりだったが。おかげで魔力だけは生前の数十倍はある。
「修行したってお前なぁ。ま、それでも中央大陸行きは無駄に終わるだろうよ」
「は? なぜだ?」
ホープはグラスを傾けながら言った。
「今中央大陸からガウス大陸行きの船は出てねぇんだよ」
「な、なにっ!?」
「今中央大陸から出てるのは西のニコラシカ大陸と東のバラライカ大陸行きだけだ。で、そのニコラシカ大陸の半分はすでに魔国の領地だ」
「嘘だろっ!? 西には強国がいくつもあったはずだ!」
「そいつらは魔王の宣言後連合軍を組んでガウス大陸に乗り込んだがよ、誰一人として帰らなかったそうだぜ」
「ば、ばかな……」
「今ガウス大陸に向かう事ができるのは東の大陸からだけだ。渡る条件もかなり厳しい。東の大陸が今魔国と激しい戦をしている最中だ。行くなら命の保証はない」
東の大陸には聖神教会の本部があり、中央大陸には冒険者組合の本部がある。
「つまり、今魔国と戦っているのは聖神教会か」
「お前……やけに詳しいな。そうだ。今東の大陸に魔国の軍隊が出張ってる。西の大陸はもう事後処理に入ってるところだ。冒険者組合は中央大陸を守り、聖神教会が挟撃せれる事態を防いでるってところだな」
「……そうか。いや、良い話が聞けた。ありがとう」
「どうしても行く気か? とても新人が行ける場所じゃねぇぞ?」
そう忠告するホープだったが、アインはこの忠告に従う気はなかった。
「新人だろうとベテランだろうと関係ない。俺にはやれるだけの力がある。魔国は一刻も早く潰さねばならない。世界が悲しみで埋め尽くされてしまう前にな」
「すげぇ自身だな。もしかして良いスキルでも授かったのか?」
この問い掛けにアインは笑顔でこう応えた。
「ああ。とびっきりのスキルを授かってある。俺のスキルは無敵だ」
「ははっ、そうかい。じゃあ俺はこko
でお前が魔国を潰してくれるのを祈ってるよ。でよ、魔国を潰したらこう言ってくれよ? お前に冒険者のイロハを教えたのはアーリィの町で冒険者をしてるホープだってな」
「……お、覚えていたらな」
「忘れやがったら生涯恩知らずだったって吹いて回るからな!」
「お前、性格悪いぞ……」
こうして冒険者登録を済ませたアインは現在の情勢を知り、行き先を中央大陸から東の大陸に渡る道程に切り替えるのだった。
「ちょっ、俺は逃げてねぇだろ!?」
「あぁん? 全速力で後退しておいてよくいうぜ」
「あれは敵の気を引くためにだなぁっ!」
扉の先では冒険者達がワイワイと酒を片手に戦果を競いあっていた。
「は……ははっ、いるじゃないか冒険者! この雰囲気……懐かしいな」
冒険者の姿を見て懐かしんでいるとアインに気付いた冒険者の男が近寄ってきた。先ほど逃げた逃げてないの話をしていた若い男だ。
「見ない顔だな? お前、新人か?」
「あ、ああ。南の村から出てきたばかりだ」
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「嘘だろっ!? 一人で十人以上捕まえただ? ありえねぇ~」
「事実だ。まぁそいつらは俺の目の前で解放されたが」
「当たり前だろ。盗賊は見つけ次第こっそり排除する。冒険者の基本だぜ」
アインの知っている冒険者の基本とは大きな隔たりがあった。
「俺、まだ冒険者じゃないんだ。まさか盗賊がそのまま解放されるなんて思ってもいなかったんだよ」
「マジかよ。ったく、しょうがないな。とりあえずあそこのカウンターで登録済ませてこいよ。済んだら俺のとこにきな。冒険者のいろはを教えてやるよ」
「……いや、敵前逃亡する人はちょっと」
「してねぇよ!?」
「「「「ぎゃはははっ! 言われてんぞ【ホープ】」」」」
「うっせぇっ!」
どうやら目の前の男はホープという名らしい。アインは手を差し出した。
「すまない、冗談だ。後で話を聞かせて欲しい」
「笑えねぇ冗談だっつ~の! ったく、早く済ませて来いよ。それと、酒おごれよ!」
「新人にたかるのか?」
「……かわいくねぇ新人だな」
ひとまずホープと別れカウンターに向かう。
「冒険者登録を頼む」
「はい、ありがとうございます! けど、このご時世に冒険者になろうだなんて変わった方ですね? 冒険者の肩身は想像より狭いですよ?」
「構わないさ。この世界を正しい世界に戻す。そのためならどんな事にも耐えてみせるし、悪には徹底的に抗う」
「はぁ。まだ若いのに立派な志ですね。それではこちらに氏名と出身地を記入して下さい。字は書けますか?」
「ああ。ペンを貸してくれ」
「はい、どうぞ」
アインは受付からペンを借りさらさらと必要事項を埋めていく。当時はスキルを記入する欄があったがどうやら今はないようだ。
「スキルの記入は良いのか?」
「はい? 何いってるんですか? スキルは秘匿して然るべきでしょ? バレたら弱点になりますよ?」
「いや、組合には守秘義務があるじゃないか」
「ええ……? いつの時代の話をしてるんですか? 今は組合すら襲撃される時代ですよ? もし潰れたら情報全部悪人の手に渡ってしまうんですよ?」
「いや、それじゃ名前と出身地もまずいんじゃ……」
「それを知らなければ死んだ時実家に還してあげられなくなりますよ?」
もっともな意見だった。当時の冒険者組合といえば悪人は絶対に近付かない場所だった。そのため、登録はもっと詳細を記したものだが、今は最低限の情報だけで良いらしい。ひとまずアインは記入を終えた用紙を受付に渡した。
「アインさんですか。勇者さまと同じ名前なんですね」
「ああ。それなりに多いんじゃないか?」
「そうですね。もしアイン様が生きておられれば魔王なんてとっくに討伐されてます。その強さにあやかってアインと名付ける方は多いと聞きますね」
「じゃあ俺もその一人って事で」
「名前負けしないように頑張って下さいね。こちらが冒険者の証となるクロスです。首から下げておいて下さい」
「ありがとう」
アインは警備兵が見せてくれたものと同じ十字架を受け取り首から下げた。
「登録は終わったか?」
「ん? ああ、今終わったところだ」
「じゃあ色々教えてやるからついてきな」
「悪いな」
「なに、俺も先輩冒険者から色々教わったからな。ようやく俺にも後輩ができたぜ!」
「ホープ、抜かされねぇように気張れよ?」
「余計なお世話だっつーの!」
「「「「ぎゃはははっ!」」」」
それから酒場の片隅に席をとり、食事を摂りながら冒険者について詳しく話を聞いた。
「良いか? まず冒険者ってのはな—―」
ホープの話をまとめるとこうだ。
・当時と違い冒険者は表立って活動する事ができない。
・スキルは記す必要がない。
・組合からの依頼は現在なく、稼ぐ方法は魔物を狩り素材を売るか、こっそりと盗賊を退治し、貯め込んでいる財宝を奪う。
・冒険者のランクは十字架の色で決まる。ランクは銅、銀、金、白金、ミスリル、オリハルコンとなるが、現在ミスリルとオリハルコンは入手困難なため、現在の最高ランクは白金となっている。
・十字架を教会で見せると無料で宿泊できる。
・現在冒険者組合は水面下でレジスタンスとして活動しているが、国の方針によっては当時のように表立って活動している場所もある。
・この国は事なかれ主義で、魔国の宣言に従い犯罪者を罰してはいない。
「とまぁ、冒険者についてはこんな所かな。お前はこの先どうするか決めてるか?」
その問い掛けにアインはこう返した。
「とりあえず中央大陸に向かうつもりだ」
「中央大陸に? なんでまた?」
「は? なんでって……ガウス大陸に向かうにはまず中央大陸に向かう必要があるだろ」
「ガウス大陸に行くだって!? なんのために!?」
「決まってるだろ。魔王ディザームを倒すためだ」
ホープはぽかんと口を開けたまま固まってしまった。
「ば、ばかいってんじゃねぇぞ! そんなもん死にに行くようなもんじゃねぇか!」
「俺は死なん。そのためにきつい修行をしてきたからな」
そう、アインは転生してからそれまでの知識を生かし、0歳児の頃から修行を始めていた。といっても0歳では身体の自由が利かないため、もっぱら魔力量を増やす訓練ばかりだったが。おかげで魔力だけは生前の数十倍はある。
「修行したってお前なぁ。ま、それでも中央大陸行きは無駄に終わるだろうよ」
「は? なぜだ?」
ホープはグラスを傾けながら言った。
「今中央大陸からガウス大陸行きの船は出てねぇんだよ」
「な、なにっ!?」
「今中央大陸から出てるのは西のニコラシカ大陸と東のバラライカ大陸行きだけだ。で、そのニコラシカ大陸の半分はすでに魔国の領地だ」
「嘘だろっ!? 西には強国がいくつもあったはずだ!」
「そいつらは魔王の宣言後連合軍を組んでガウス大陸に乗り込んだがよ、誰一人として帰らなかったそうだぜ」
「ば、ばかな……」
「今ガウス大陸に向かう事ができるのは東の大陸からだけだ。渡る条件もかなり厳しい。東の大陸が今魔国と激しい戦をしている最中だ。行くなら命の保証はない」
東の大陸には聖神教会の本部があり、中央大陸には冒険者組合の本部がある。
「つまり、今魔国と戦っているのは聖神教会か」
「お前……やけに詳しいな。そうだ。今東の大陸に魔国の軍隊が出張ってる。西の大陸はもう事後処理に入ってるところだ。冒険者組合は中央大陸を守り、聖神教会が挟撃せれる事態を防いでるってところだな」
「……そうか。いや、良い話が聞けた。ありがとう」
「どうしても行く気か? とても新人が行ける場所じゃねぇぞ?」
そう忠告するホープだったが、アインはこの忠告に従う気はなかった。
「新人だろうとベテランだろうと関係ない。俺にはやれるだけの力がある。魔国は一刻も早く潰さねばならない。世界が悲しみで埋め尽くされてしまう前にな」
「すげぇ自身だな。もしかして良いスキルでも授かったのか?」
この問い掛けにアインは笑顔でこう応えた。
「ああ。とびっきりのスキルを授かってある。俺のスキルは無敵だ」
「ははっ、そうかい。じゃあ俺はこko
でお前が魔国を潰してくれるのを祈ってるよ。でよ、魔国を潰したらこう言ってくれよ? お前に冒険者のイロハを教えたのはアーリィの町で冒険者をしてるホープだってな」
「……お、覚えていたらな」
「忘れやがったら生涯恩知らずだったって吹いて回るからな!」
「お前、性格悪いぞ……」
こうして冒険者登録を済ませたアインは現在の情勢を知り、行き先を中央大陸から東の大陸に渡る道程に切り替えるのだった。
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