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第一章 最初の国エルローズにて
第36話 伝説級スキルの書
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金色に輝くこれまでとは全く様相の違う書物。鑑定した結果、それが伝説級スキルの書だと判明した。総一郎はとりあえずその書物を手にし、これまで同様書物を使ってみた。
「お?」
書物を使うといつもの様に脳内で謎のアナウンスが流れた。
《スキル【転移】を入手しました》
「転移? なんだそれ??」
江戸末期から来た総一郎にはそのスキルがどれだけ有用か理解できていなかった。だがスキルの効果を確認し、総一郎は笑いが止まらなくなった。
「はははは、まじか! 一度訪れたことのある場所に飛べるのか! それじゃ一々村から歩いてダンジョンまで来なくても良くなるのか! はははは、いやぁ……こりゃ凄ぇもの手に入れちまったなぁ~」
スキルの効果を確認した総一郎はそこで初めて転移の有用さを認識した。
「さすが死の王だ。こんな良い物をくれて感謝するぜ。お礼にあと百回くらい倒してやるよ」
伝説級スキルの書に味を占めた総一郎は再びボス部屋へと戻り死の王と戦った。
「……ちっ、そう簡単には落としちゃくれねぇか。だがまだ二回目だ、どんどん狩るぜ!」
地下九十階、そこらの冒険者では到底辿り着く事すらできない階層。ましてやたった一人で死の王を相手にし、なおかつ瞬殺するなど常軌を逸している。それが可能な人間は冒険者達の最高峰であり、世界に三人しかいないと言われているSSクラス冒険者のみだろう。黒天を手にした総一郎は密かに今その三人に並んだ。だがここはダンジョン内。誰にもその力を悟られる事なく、総一郎は死の王狩りを続けている。
「ちっ、出ねぇな。まぁこんな伝説とかついてる物がそうポンポン出ても困るよな。世界が英雄だらけになっちまわぁ。はははは」
総一郎は普通の人間が地下九十階層まで到達できない事を知らなかった。
「うん、出ねぇ。多分一度きりの限定アイテムか何かだったんだな。まぁお陰でまた金銀財宝が貯まっちまったが……そろそろこいつの使い道も考えなきゃな」
これまでボスの乱獲を続けてきた総一郎の個人資産はとてつもない額になっていた。
「ま、あって困るモンでもねぇし。必要な時ないよりはマシか。金がなくて町に入れなかったもんなぁ……」
そうしてボス部屋を後にし、現在地下九十一階層。総一郎はどうするか迷っていた。
「さて、進むか戻るか……」
すでに何日か経過している。仮にこのまま進むとしたらさらに何日かかかるだろう。だが総一郎は進む事にした。
「……総がきたもんな。あいつの力は侮っちゃならねぇ。仮に伝説級スキルの書が一人限り、さらに一度限りだとしたら総に持っていかれちまう。なんとしても兄の威厳は保たねば!」
兄として弟に負けるなどあってはならない。まだ武家は長男が全てを継いでいた時代の考えが総一郎をそう突き動かしたのである。
そうと決めた総一郎は再びダンジョン攻略に向かった。
そしてその頃地上では。
「ふぅ~、ただいまぁ~……」
「おう、総司殿か。ずいぶん長く空けていたな。ダンジョンは楽しいか?」
数日ぶりにダンジョンから帰った総司を弁慶が出迎えた。もちろん片手には酒がある。
「まぁね、楽しいよダンジョンってやつ。あまりに楽しくて時間が経つのを忘れるくらいにね。ところで……」
総司はキョロキョロと店内を見回した。
「兄さんは?」
「まだ戻っておらんな。まぁいつもの事だ。どうせ良いお宝でも見つけたのだろう」
「い、いつも? 兄さんはいつも何日も潜るの?」
「うむ。米の時はかなり長かったな。それとこいつだ」
「? 酒?」
弁慶は顔を真っ赤にしジョッキを傾けた。
「むはぁ~! そうよ。ここにある酒は全て総一郎がダンジョンで拾ってきた珍しい酒なのだ」
「ですねぇ。王族の一員である私でもそうは飲めない酒ばかりですよ。ははは」
「王族? あなたは?」
弁慶の隣でグラスを傾ける男。もちろんフラム公爵だ。
「私はこの国の公爵、フラムです。あなたが沖田総司さんですか。なるほど……総一郎さんにそっくりだ。ですが年の頃は私に近いかな?」
「えっと……まぁ、二十七になります」
「おっと、これは失礼しました。私より上でしたか。総一郎さんもですが……そのマスクは摩訶不思議ですねぇ」
「ははは、よく言われます」
総司はフラムの隣に腰をおろし袋から瓶を取り出した。
「おや? 自前ですか?」
「はい。ダンジョンで拾いました。数日かけてやっと地下六十階まで進めたんですけど……。兄さんとは全然会えませんでしたね」
それを聞いたフラムは頭を抱えた。
「……全く、化け物ですか貴方がた兄弟は……」
「あはは、それもよく言われてましたね。けど僕、一度も兄さんに勝てた事がないんですよね」
「おや? 総一郎さんを殺したと聞きましたが?」
総司は首を横に振った。
「あれは……違います」
「違う?」
「はい。兄さんには完全に僕の突きは見えていたはずです。あんな突きが避けられないわけがない。兄さんはわざと手を抜いたんですよ」
「ほう。なんでまた?」
総司はその当時を思い出し過去を語った。
「兄さんは追われていたんですよ」
「誰に?」
「幕府側の江戸城で将軍を守る御庭番衆にです」
「御庭番衆?」
「はい。まぁ……要は国の暗部ともいえる部隊です。もちろんこの国にもありますよね?」
フラムはこくりと頷いた。
「御庭番衆は暗殺を生業とする最強の集団です。僕たち新撰組が表最強だとすると、御庭番衆は裏の最強集団だったんですよ」
「なるほど。で、総一郎さんはその暗殺者達に追われていたと?」
「おそらく。兄さんは幕府の重臣を幾人も殺りましたからねぇ。それも暗殺で。まずいと思った将軍はその御庭番衆に兄さんの暗殺を任せたらしいのです」
「暗殺者対暗殺者ですか」
「ええ。兄さんは一人。対して相手はピンからキリまで無数に。ゆっくり休む暇もなかったでしょう。相対した時ずいぶん痩せこけてましたから」
総司は当時を振り返り遠い目をした。
「兄さんが僕以外の誰かに殺されるなんて絶対に嫌だった。だから僕が名乗りをあげ、兄さんを殺った。けど……兄はあの時僕に殺される事を望んでいたようにみえたんです」
「複雑と言いますか……大変な国なのですね。お二人がいた国とは……」
「ええ。ですからここに来てあんな楽しそうにしている兄さんを見た時は心底驚きましたよ。まるで昔の……そう、幼かった頃の兄さんを見たような気がしてね。でも……さらに化け物みたいに強くなっててズルいなって思いましたね」
「数日で地下六十階まで進むあなた以上ですか」
「僕なんて今の兄さんの足元にも及びませんよ。しかも俺がたった数日で六十階まで進めたのも、この兄さんからもらったこの白天があったからこそです」
そう言い、総司は白天を抜いて見せた。
「これはまた……。凄まじい力を感じますね」
「わかります? もう本当に反則ですよこれ。試しにスキルを使ったらボスが一撃でしたから。でももう使いません」
「なぜです?」
総司は刀を戻しグラスに持ち替えた。
「侍は剣の力が全てですから。こんな反則技はごめんです。多分兄さんもスキルは使ってないんじゃないかなぁ」
「なるほど、粋というやつですね」
その頃、地下九十二階をばく進中の総一郎は。
「オラオラオラ! 道開けろやぁぁぁっ! 黒刃!! 黒刃!!」
《ギャァァァァァスッ!?》
迫りくる亜竜に黒い斬撃を振るいまくっていた。
「ははははは! 楽に進めんなら使わなきゃ損だぜ! オラオラ! 邪魔じゃボケがぁぁぁっ!」
侍の心意気などどこかに忘れ、総一郎は凄まじい速さで階層を下っていくのだった。
「お?」
書物を使うといつもの様に脳内で謎のアナウンスが流れた。
《スキル【転移】を入手しました》
「転移? なんだそれ??」
江戸末期から来た総一郎にはそのスキルがどれだけ有用か理解できていなかった。だがスキルの効果を確認し、総一郎は笑いが止まらなくなった。
「はははは、まじか! 一度訪れたことのある場所に飛べるのか! それじゃ一々村から歩いてダンジョンまで来なくても良くなるのか! はははは、いやぁ……こりゃ凄ぇもの手に入れちまったなぁ~」
スキルの効果を確認した総一郎はそこで初めて転移の有用さを認識した。
「さすが死の王だ。こんな良い物をくれて感謝するぜ。お礼にあと百回くらい倒してやるよ」
伝説級スキルの書に味を占めた総一郎は再びボス部屋へと戻り死の王と戦った。
「……ちっ、そう簡単には落としちゃくれねぇか。だがまだ二回目だ、どんどん狩るぜ!」
地下九十階、そこらの冒険者では到底辿り着く事すらできない階層。ましてやたった一人で死の王を相手にし、なおかつ瞬殺するなど常軌を逸している。それが可能な人間は冒険者達の最高峰であり、世界に三人しかいないと言われているSSクラス冒険者のみだろう。黒天を手にした総一郎は密かに今その三人に並んだ。だがここはダンジョン内。誰にもその力を悟られる事なく、総一郎は死の王狩りを続けている。
「ちっ、出ねぇな。まぁこんな伝説とかついてる物がそうポンポン出ても困るよな。世界が英雄だらけになっちまわぁ。はははは」
総一郎は普通の人間が地下九十階層まで到達できない事を知らなかった。
「うん、出ねぇ。多分一度きりの限定アイテムか何かだったんだな。まぁお陰でまた金銀財宝が貯まっちまったが……そろそろこいつの使い道も考えなきゃな」
これまでボスの乱獲を続けてきた総一郎の個人資産はとてつもない額になっていた。
「ま、あって困るモンでもねぇし。必要な時ないよりはマシか。金がなくて町に入れなかったもんなぁ……」
そうしてボス部屋を後にし、現在地下九十一階層。総一郎はどうするか迷っていた。
「さて、進むか戻るか……」
すでに何日か経過している。仮にこのまま進むとしたらさらに何日かかかるだろう。だが総一郎は進む事にした。
「……総がきたもんな。あいつの力は侮っちゃならねぇ。仮に伝説級スキルの書が一人限り、さらに一度限りだとしたら総に持っていかれちまう。なんとしても兄の威厳は保たねば!」
兄として弟に負けるなどあってはならない。まだ武家は長男が全てを継いでいた時代の考えが総一郎をそう突き動かしたのである。
そうと決めた総一郎は再びダンジョン攻略に向かった。
そしてその頃地上では。
「ふぅ~、ただいまぁ~……」
「おう、総司殿か。ずいぶん長く空けていたな。ダンジョンは楽しいか?」
数日ぶりにダンジョンから帰った総司を弁慶が出迎えた。もちろん片手には酒がある。
「まぁね、楽しいよダンジョンってやつ。あまりに楽しくて時間が経つのを忘れるくらいにね。ところで……」
総司はキョロキョロと店内を見回した。
「兄さんは?」
「まだ戻っておらんな。まぁいつもの事だ。どうせ良いお宝でも見つけたのだろう」
「い、いつも? 兄さんはいつも何日も潜るの?」
「うむ。米の時はかなり長かったな。それとこいつだ」
「? 酒?」
弁慶は顔を真っ赤にしジョッキを傾けた。
「むはぁ~! そうよ。ここにある酒は全て総一郎がダンジョンで拾ってきた珍しい酒なのだ」
「ですねぇ。王族の一員である私でもそうは飲めない酒ばかりですよ。ははは」
「王族? あなたは?」
弁慶の隣でグラスを傾ける男。もちろんフラム公爵だ。
「私はこの国の公爵、フラムです。あなたが沖田総司さんですか。なるほど……総一郎さんにそっくりだ。ですが年の頃は私に近いかな?」
「えっと……まぁ、二十七になります」
「おっと、これは失礼しました。私より上でしたか。総一郎さんもですが……そのマスクは摩訶不思議ですねぇ」
「ははは、よく言われます」
総司はフラムの隣に腰をおろし袋から瓶を取り出した。
「おや? 自前ですか?」
「はい。ダンジョンで拾いました。数日かけてやっと地下六十階まで進めたんですけど……。兄さんとは全然会えませんでしたね」
それを聞いたフラムは頭を抱えた。
「……全く、化け物ですか貴方がた兄弟は……」
「あはは、それもよく言われてましたね。けど僕、一度も兄さんに勝てた事がないんですよね」
「おや? 総一郎さんを殺したと聞きましたが?」
総司は首を横に振った。
「あれは……違います」
「違う?」
「はい。兄さんには完全に僕の突きは見えていたはずです。あんな突きが避けられないわけがない。兄さんはわざと手を抜いたんですよ」
「ほう。なんでまた?」
総司はその当時を思い出し過去を語った。
「兄さんは追われていたんですよ」
「誰に?」
「幕府側の江戸城で将軍を守る御庭番衆にです」
「御庭番衆?」
「はい。まぁ……要は国の暗部ともいえる部隊です。もちろんこの国にもありますよね?」
フラムはこくりと頷いた。
「御庭番衆は暗殺を生業とする最強の集団です。僕たち新撰組が表最強だとすると、御庭番衆は裏の最強集団だったんですよ」
「なるほど。で、総一郎さんはその暗殺者達に追われていたと?」
「おそらく。兄さんは幕府の重臣を幾人も殺りましたからねぇ。それも暗殺で。まずいと思った将軍はその御庭番衆に兄さんの暗殺を任せたらしいのです」
「暗殺者対暗殺者ですか」
「ええ。兄さんは一人。対して相手はピンからキリまで無数に。ゆっくり休む暇もなかったでしょう。相対した時ずいぶん痩せこけてましたから」
総司は当時を振り返り遠い目をした。
「兄さんが僕以外の誰かに殺されるなんて絶対に嫌だった。だから僕が名乗りをあげ、兄さんを殺った。けど……兄はあの時僕に殺される事を望んでいたようにみえたんです」
「複雑と言いますか……大変な国なのですね。お二人がいた国とは……」
「ええ。ですからここに来てあんな楽しそうにしている兄さんを見た時は心底驚きましたよ。まるで昔の……そう、幼かった頃の兄さんを見たような気がしてね。でも……さらに化け物みたいに強くなっててズルいなって思いましたね」
「数日で地下六十階まで進むあなた以上ですか」
「僕なんて今の兄さんの足元にも及びませんよ。しかも俺がたった数日で六十階まで進めたのも、この兄さんからもらったこの白天があったからこそです」
そう言い、総司は白天を抜いて見せた。
「これはまた……。凄まじい力を感じますね」
「わかります? もう本当に反則ですよこれ。試しにスキルを使ったらボスが一撃でしたから。でももう使いません」
「なぜです?」
総司は刀を戻しグラスに持ち替えた。
「侍は剣の力が全てですから。こんな反則技はごめんです。多分兄さんもスキルは使ってないんじゃないかなぁ」
「なるほど、粋というやつですね」
その頃、地下九十二階をばく進中の総一郎は。
「オラオラオラ! 道開けろやぁぁぁっ! 黒刃!! 黒刃!!」
《ギャァァァァァスッ!?》
迫りくる亜竜に黒い斬撃を振るいまくっていた。
「ははははは! 楽に進めんなら使わなきゃ損だぜ! オラオラ! 邪魔じゃボケがぁぁぁっ!」
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