68 / 81
第68話 現在のイストリア侯爵領
しおりを挟む
レイが避難民の受け入れを始めた頃、その原因となったイストリア侯爵領はまさに地獄と化していた。
ノワールの皮を被っていた魔族は侯爵邸を本拠地に据え、侯爵が使っていた執務室から延々広がる瓦礫の山を見つつ酒を嗜んでいた。
《実に美しい光景デスねぇ。ああ、もっと殺したい! 早く討伐に来てもらいたいものデス》
そこで扉がノックされた。
《失礼します、【グリモア】様》
《エリス……デスか。なにか?》
ここで補足しておく。ノワールとエリスは儀式を受けた日に執事長に殺されていた。だが今はこうして再び侯爵邸を支配している。
理由は簡単だ。儀式前にノワールは既に魔族にすり替わられ、その魔族と交わったエリスは魔人に生まれ変わっていた。そして墓地に入れられるまで死んだふりをし、一番苦しむタイミングを計り侯爵を襲ったのである。
魔族は負の感情を糧にする。人を苦しめ絶望に追いやり喰らい尽くすのである。
ノワールに化けていた魔族グリモアが魔人エリスを抱き寄せる。
《相変わらず素晴らしい抱き心地デスねぇ~。私に作り替えられた気分はいかがデスか?》
《生まれ変わった気分……ではなく、グリモア様。ここにフォールガーデンの軍隊が迫っております》
《数は?》
《五千程度と》
グリモアは溜め息を吐いた。
《まだ舐められているようデスねぇ。第一陣は三千人でしたか。魔人化はどうなっていマスか?》
《滞りなく。私が何人か男騎士を魔人化させ、その男騎士が女騎士を魔人化させています。最初の三千人は全て支配下に》
《結構。では配下にした魔人を使い来た者を捕らえさせなさい》
《はい、グリモア様》
エリスが出ていくとグリモアは再び窓から外を眺めた。
《全ての兵を失ったフォールガーデンは最後にどんな手を打つのでしょうねぇ。あなた方の敵はゴルゴーン帝国デスよ? 私ばかりにかまけていたら同種に殺られ……くくくっ、笑いが込み上げてきますねぇ。人間の醜い感情……実に美味ッ! はははははっ!》
そんな中、イストリアと隣接していた領地から次々と国民が他領に避難を始めていた。
「聞いたか? イストリアは魔族に支配されているらしいぜ」
「知ってんよ。だから今逃げてんだろうが。この国はもうおしまいだよ」
「ならどこ行っても同じじゃね?」
「エルドニアなら大丈夫だろ。ここと繋がる国境は狭いしな」
「フォールガーデンの騎士が倒せない魔族をエルドニアが倒せるかよ。逃げるなら北のゴルゴーン帝国だろ」
「あそこは税金めちゃくちゃ高いんだよっ。暮らしていけねぇよ」
「どこも地獄だな……」
フォールガーデン国民は北に向かう者、南に向かう者、そして最後まで国を信じて残る者にわかれた。
ここはフォールガーデン王城。第一陣で三千人の兵を失った王は慌てて第二陣を編成させ、自身は隣国の同盟国に救援を要請していた。
「頼む! 国内で魔族が暴れているのだ! こちらは既に三千人の兵士を失っているっ!」
《助けに行きたいのは山々ですがこちらもゴルゴーン帝国が動いており無理なのです!》
「ゴルゴーン……帝国だとっ! ま、まさかあいつら!」
《とにかく! 我らは我らの国を守る事に注力します! 救援はゴルゴーン帝国が引き上げたらという事で。ではっ!》
「ま、待たれ──くぅっ!」
フォールガーデン国王は通信水晶の前で膝から崩れ落ちた。
「へ、陛下! 魔族討伐に向けた五千人が味方と争っているとの報告が!」
「な……なんだと? どういう事だ!」
「な、何故か第一陣が進軍中の部隊に攻撃を始めたそうです!」
「第一陣だと!? 全滅したのではないのか!?」
「は、はい。確かに全滅したはずなのですが……」
王は頭を抱えた。
「まさか……死体を操っているのか? くっ! 第二陣を退却させよ! もはやイストリア奪還は無理だ! 退避させ王都の防衛に回すのだ!」
「はっ!」
しかし王の宣言は間に合わず、第二陣の騎士五千人は魔人と化した味方に捕縛され、二度と王都に戻る事はなかった。
「陛下……。第二陣……全て捕縛されました……」
「……間に合わんかったか……。残存兵力はいくらだ」
「全土から招集して三万が限度かと……。しかし招集してしまうと国民が……」
「国民も全て王都に避難させよ。もはや残された道は籠城しかない」
「し、しかしどこからも援軍は……」
「どうしようもないのだっ! 兵を出したら魔族に奪われるのだからなっ! 王都の城壁なら耐えられる! 同盟国が必ず来てくれるっ! それまで耐えるのだっ!」
この王命は自らの首を締め、戦力のなくなった領地は魔人に蹂躙され、戦えず逃げ遅れた国民は魔人にされていった。
「陛下……。城壁が取り囲まれました……。敵勢力……およそ百万……」
「……ここまでか」
国王は玉座に座ったまま項垂れ、宰相に最後の指示を出した。
「宰相、全ての兵に伝えよ」
「はっ」
「今までよく仕えてくれた。最後まで人として抗おう。フォールガーデンは今日終わる。長い間ご苦労であった──!」
「陛下っ! お供いたしますっ!」
こうしてフォールガーデンはたった一人の魔族によりわずかな期間で滅亡の道を歩んだのだった。
ノワールの皮を被っていた魔族は侯爵邸を本拠地に据え、侯爵が使っていた執務室から延々広がる瓦礫の山を見つつ酒を嗜んでいた。
《実に美しい光景デスねぇ。ああ、もっと殺したい! 早く討伐に来てもらいたいものデス》
そこで扉がノックされた。
《失礼します、【グリモア】様》
《エリス……デスか。なにか?》
ここで補足しておく。ノワールとエリスは儀式を受けた日に執事長に殺されていた。だが今はこうして再び侯爵邸を支配している。
理由は簡単だ。儀式前にノワールは既に魔族にすり替わられ、その魔族と交わったエリスは魔人に生まれ変わっていた。そして墓地に入れられるまで死んだふりをし、一番苦しむタイミングを計り侯爵を襲ったのである。
魔族は負の感情を糧にする。人を苦しめ絶望に追いやり喰らい尽くすのである。
ノワールに化けていた魔族グリモアが魔人エリスを抱き寄せる。
《相変わらず素晴らしい抱き心地デスねぇ~。私に作り替えられた気分はいかがデスか?》
《生まれ変わった気分……ではなく、グリモア様。ここにフォールガーデンの軍隊が迫っております》
《数は?》
《五千程度と》
グリモアは溜め息を吐いた。
《まだ舐められているようデスねぇ。第一陣は三千人でしたか。魔人化はどうなっていマスか?》
《滞りなく。私が何人か男騎士を魔人化させ、その男騎士が女騎士を魔人化させています。最初の三千人は全て支配下に》
《結構。では配下にした魔人を使い来た者を捕らえさせなさい》
《はい、グリモア様》
エリスが出ていくとグリモアは再び窓から外を眺めた。
《全ての兵を失ったフォールガーデンは最後にどんな手を打つのでしょうねぇ。あなた方の敵はゴルゴーン帝国デスよ? 私ばかりにかまけていたら同種に殺られ……くくくっ、笑いが込み上げてきますねぇ。人間の醜い感情……実に美味ッ! はははははっ!》
そんな中、イストリアと隣接していた領地から次々と国民が他領に避難を始めていた。
「聞いたか? イストリアは魔族に支配されているらしいぜ」
「知ってんよ。だから今逃げてんだろうが。この国はもうおしまいだよ」
「ならどこ行っても同じじゃね?」
「エルドニアなら大丈夫だろ。ここと繋がる国境は狭いしな」
「フォールガーデンの騎士が倒せない魔族をエルドニアが倒せるかよ。逃げるなら北のゴルゴーン帝国だろ」
「あそこは税金めちゃくちゃ高いんだよっ。暮らしていけねぇよ」
「どこも地獄だな……」
フォールガーデン国民は北に向かう者、南に向かう者、そして最後まで国を信じて残る者にわかれた。
ここはフォールガーデン王城。第一陣で三千人の兵を失った王は慌てて第二陣を編成させ、自身は隣国の同盟国に救援を要請していた。
「頼む! 国内で魔族が暴れているのだ! こちらは既に三千人の兵士を失っているっ!」
《助けに行きたいのは山々ですがこちらもゴルゴーン帝国が動いており無理なのです!》
「ゴルゴーン……帝国だとっ! ま、まさかあいつら!」
《とにかく! 我らは我らの国を守る事に注力します! 救援はゴルゴーン帝国が引き上げたらという事で。ではっ!》
「ま、待たれ──くぅっ!」
フォールガーデン国王は通信水晶の前で膝から崩れ落ちた。
「へ、陛下! 魔族討伐に向けた五千人が味方と争っているとの報告が!」
「な……なんだと? どういう事だ!」
「な、何故か第一陣が進軍中の部隊に攻撃を始めたそうです!」
「第一陣だと!? 全滅したのではないのか!?」
「は、はい。確かに全滅したはずなのですが……」
王は頭を抱えた。
「まさか……死体を操っているのか? くっ! 第二陣を退却させよ! もはやイストリア奪還は無理だ! 退避させ王都の防衛に回すのだ!」
「はっ!」
しかし王の宣言は間に合わず、第二陣の騎士五千人は魔人と化した味方に捕縛され、二度と王都に戻る事はなかった。
「陛下……。第二陣……全て捕縛されました……」
「……間に合わんかったか……。残存兵力はいくらだ」
「全土から招集して三万が限度かと……。しかし招集してしまうと国民が……」
「国民も全て王都に避難させよ。もはや残された道は籠城しかない」
「し、しかしどこからも援軍は……」
「どうしようもないのだっ! 兵を出したら魔族に奪われるのだからなっ! 王都の城壁なら耐えられる! 同盟国が必ず来てくれるっ! それまで耐えるのだっ!」
この王命は自らの首を締め、戦力のなくなった領地は魔人に蹂躙され、戦えず逃げ遅れた国民は魔人にされていった。
「陛下……。城壁が取り囲まれました……。敵勢力……およそ百万……」
「……ここまでか」
国王は玉座に座ったまま項垂れ、宰相に最後の指示を出した。
「宰相、全ての兵に伝えよ」
「はっ」
「今までよく仕えてくれた。最後まで人として抗おう。フォールガーデンは今日終わる。長い間ご苦労であった──!」
「陛下っ! お供いたしますっ!」
こうしてフォールガーデンはたった一人の魔族によりわずかな期間で滅亡の道を歩んだのだった。
2
お気に入りに追加
476
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
孤児院で育った俺、ある日目覚めたスキル、万物を見通す目と共に最強へと成りあがる
シア07
ファンタジー
主人公、ファクトは親の顔も知らない孤児だった。
そんな彼は孤児院で育って10年が経った頃、突如として能力が目覚める。
なんでも見通せるという万物を見通す目だった。
目で見れば材料や相手の能力がわかるというものだった。
これは、この――能力は一体……なんなんだぁぁぁぁぁぁぁ!?
その能力に振り回されながらも孤児院が魔獣の到来によってなくなり、同じ孤児院育ちで幼馴染であるミクと共に旅に出ることにした。
魔法、スキルなんでもあるこの世界で今、孤児院で育った彼が個性豊かな仲間と共に最強へと成りあがる物語が今、幕を開ける。
※他サイトでも連載しています。
大体21:30分ごろに更新してます。
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる
月風レイ
ファンタジー
あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。
周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。
そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。
それは突如現れた一枚の手紙だった。
その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。
どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。
突如、異世界の大草原に召喚される。
元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる