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第一章
第九話 僕は外科医
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二人は日本大使館へ到着した。
まず最初に二人が向かったのは警察署だった。ルーカスに付き添われタクシーで警察署へ向かい事情を話すと、被害届を出した後で日本大使館へ行くよう促されたからだ。バッグの中にはパスポートと貴重品が入っていて、大使館で措置を取らねばならないということだった。
ルーカスが地元警察の人と詳しい話をしてくれているのを、三紀彦はなんだか他人事のように隣で聞いていた。
三紀彦は、まだルーカスとのキスに浸っていた。たまに唇を触ってはあのキスの意味を必死に考えた。それにルーカスとの最後のディナーがお預けじゃないか。せっかく美味しそうなレストランを教えてもらったというのに。もし犯人が捕まったらこの損害分を請求してやりたいくらいだ。
申請書など書き込んで大使館職員にそれを渡すと、しばらく待つよう言われる。ルーカスと二人、静まり返る広いロビーの真ん中に設置されているソファに腰掛けた。ここまで連れてきてくれたルーカスに視線を向けると、ルーカスは何かを気にしている様子だった。視線の先には警備員がいるだけだ。観察していると大使館の入り口や各部屋に警備が配置されている。ルーカスはそれを横目で確認するように視線を巡らせているのだった。
「ルーカス?」
「あぁ」
呼べば躊躇なくこちらを振り返り、グリーンの目が向けられる。
「もうそんなに気を張らなくて大丈夫だよ、ここは日本の領事だ。ここまでは来ないよ」
「分かってる」
それでもルーカスは大使館の入り口に再び意識を戻した。そのあと何言か会話はするが、ルーカスは周りの空気を常に気にしているような素振りをする。
会話がまた途切れると、ルーカスの肩口のジャンパーが切れていることに気がついた。
「ルーカス! 君は怪我をしているの? 見せて!」
三紀彦が今までに無く大きな声を出して、ルーカスのジャンパーの襟を引き下げるとルーカスの肩を露わにさせた。そこには六センチほどの切創があったのだ。
「さっきの男にやられたのか?」
三紀彦があの角で追いついてからは、ルーカスが怪我をしたような場面はなかった。おそらく三紀彦があの角を曲がる前に既に怪我をしていたのだ。死角だったため全く気が付かなかった。いや、ルーカスが隠していたのかもしれない。
ルーカスはずり下がった襟を掴んで隠そうとするが、その手を三紀彦は退けた。
「手当をさせて、膿んだら大変だ」
「大丈夫だ、自分でやる」
「僕は外科医なんだ」
するとルーカスが黙った。数秒三紀彦を見つめると「分かった」と諦めて手を緩めた。
消毒液を染み込ませたガーゼを慎重に傷口に当てがう。傷口が沁みないかルーカスの様子を伺いながらの手当。しかしルーカスは表情ひとつ変えずにいる。絶対に沁みて痛いはずなのに、顔色ひとつ変えないルーカスに、三紀彦は感心した。
「こんなに痛みに強い人、知らないよ」
そう話しかけても、ルーカスは目も合わせることなく無表情を貫いていた。
大使館を出ればお互いの宿泊先へ帰るだけ。そうしたらもう二度と出会うことはないのだろう。言葉には出来ない離れがたい気持ちが芽生えている。残念だがここを出れば二人にはもう交わる点はない。
博物館ではあんなに楽しかったのに。三紀彦の趣味である古代遺跡のことであんなに楽しく話せる人は珍しい。カフェでのあの時間は三紀彦の宝物になるはずだ。
「本……」
だからこそ無くしてしまったのは残念だった。
「本?」
三紀彦は頷いた。
「博物館の公式本。盗まれた」
「あぁ……あれか。しかしバッグのほうが」
「君との─……」
「え?」
「……いや、なんでもないよ」
ルーカスと共に過ごしたという思い出。それが三紀彦の記憶でのみしか存在することができないのだと思うと寂しさが込み上げた。
幸い傷は深くなく縫う心配もなかった。テーピングで傷がこれ以上開かないように固定する。大使館の職員に借りた救急箱の中のもので手当を終えることができた。
「迎えは呼んでるのか」
「あぁ、元親が身元引き受けで来てくれる」
本当はひとりで帰ることも出来たが、きっとルーカスが最後まで送ろうとするだろう。なんでかそう思えて、そうしたら元親に連絡をしていた。
「幼馴染だったか、トルコに来ているんだな」
「うん。一緒に来たわけではないがね、あっちは婚約者との旅行中さ」
「……婚約者」
「オメガのかわいい奥さんだよ。元親はメロメロでさ」
思わず二人の出会いを思い出して三紀彦が笑いを零す。
「こんな夜中に迎えに来るんだ、情深いやつなんだろう」
「そりゃあ……そうだね」
最後に大きな絆創膏を貼った。
ぱっと見だが、ルーカスの身体には小さいが古傷がある。肩の三角筋も上腕筋も異常な発達だ。ルーカスはいったい何者なのだろうか。
「堤さん、お迎えが来ました」
職員の呼びかけに振り向くと元親がやってきた。二日後にイスタンブールで落ち合う予定だった幼馴染だ。とても不機嫌な顔をして大使館のドアを通り過ぎてこちらにやってくる。
「まったく、トルコに来てまで手を焼くとは」
「親友が困っているんだ、助けてくれるのが道理だろう?」
「だから来てやっただろう?」
「僕だって、これまで元親に何回呼び出されたか分からないよ?」
「ち……っ」
元親は婚約者とこうして結婚までに至るには、少しばかり遠回りがあった。その遠回りの道の中で、三紀彦は元親の愚痴を聞いてやり、励まし支えてきたつもりだ。自身の過去を持ち出されそうになると、元親はあからさまに苛立った。
横に気配を感じてそちらを向くとルーカスがソファから立ち上がっていて元親に会釈をした。
「彼はルーカス、助けてくれた人だよ」
三紀彦はそう元親に紹介した。
決して嘘をついているわけではない。助けてくれたのは事実だ。その前から今日一日一緒に居たことは元親には言わないでおいた。
「大変世話になりました」
元親は英語でそうルーカスに深々と頭を下げた。三紀彦には愚痴っぽく言うのに、元親はしっかりと弁えている。
そこへ先程書類を渡した職員がやってきて渡航証明書を受け取る。これで滞在中と、帰りの飛行機には問題なく乗ることができるらしい。元親とふたり職員から説明を聞いて、お世話になりましたとお礼を言って振りかえると、そこにルーカスの姿はなかった。
まず最初に二人が向かったのは警察署だった。ルーカスに付き添われタクシーで警察署へ向かい事情を話すと、被害届を出した後で日本大使館へ行くよう促されたからだ。バッグの中にはパスポートと貴重品が入っていて、大使館で措置を取らねばならないということだった。
ルーカスが地元警察の人と詳しい話をしてくれているのを、三紀彦はなんだか他人事のように隣で聞いていた。
三紀彦は、まだルーカスとのキスに浸っていた。たまに唇を触ってはあのキスの意味を必死に考えた。それにルーカスとの最後のディナーがお預けじゃないか。せっかく美味しそうなレストランを教えてもらったというのに。もし犯人が捕まったらこの損害分を請求してやりたいくらいだ。
申請書など書き込んで大使館職員にそれを渡すと、しばらく待つよう言われる。ルーカスと二人、静まり返る広いロビーの真ん中に設置されているソファに腰掛けた。ここまで連れてきてくれたルーカスに視線を向けると、ルーカスは何かを気にしている様子だった。視線の先には警備員がいるだけだ。観察していると大使館の入り口や各部屋に警備が配置されている。ルーカスはそれを横目で確認するように視線を巡らせているのだった。
「ルーカス?」
「あぁ」
呼べば躊躇なくこちらを振り返り、グリーンの目が向けられる。
「もうそんなに気を張らなくて大丈夫だよ、ここは日本の領事だ。ここまでは来ないよ」
「分かってる」
それでもルーカスは大使館の入り口に再び意識を戻した。そのあと何言か会話はするが、ルーカスは周りの空気を常に気にしているような素振りをする。
会話がまた途切れると、ルーカスの肩口のジャンパーが切れていることに気がついた。
「ルーカス! 君は怪我をしているの? 見せて!」
三紀彦が今までに無く大きな声を出して、ルーカスのジャンパーの襟を引き下げるとルーカスの肩を露わにさせた。そこには六センチほどの切創があったのだ。
「さっきの男にやられたのか?」
三紀彦があの角で追いついてからは、ルーカスが怪我をしたような場面はなかった。おそらく三紀彦があの角を曲がる前に既に怪我をしていたのだ。死角だったため全く気が付かなかった。いや、ルーカスが隠していたのかもしれない。
ルーカスはずり下がった襟を掴んで隠そうとするが、その手を三紀彦は退けた。
「手当をさせて、膿んだら大変だ」
「大丈夫だ、自分でやる」
「僕は外科医なんだ」
するとルーカスが黙った。数秒三紀彦を見つめると「分かった」と諦めて手を緩めた。
消毒液を染み込ませたガーゼを慎重に傷口に当てがう。傷口が沁みないかルーカスの様子を伺いながらの手当。しかしルーカスは表情ひとつ変えずにいる。絶対に沁みて痛いはずなのに、顔色ひとつ変えないルーカスに、三紀彦は感心した。
「こんなに痛みに強い人、知らないよ」
そう話しかけても、ルーカスは目も合わせることなく無表情を貫いていた。
大使館を出ればお互いの宿泊先へ帰るだけ。そうしたらもう二度と出会うことはないのだろう。言葉には出来ない離れがたい気持ちが芽生えている。残念だがここを出れば二人にはもう交わる点はない。
博物館ではあんなに楽しかったのに。三紀彦の趣味である古代遺跡のことであんなに楽しく話せる人は珍しい。カフェでのあの時間は三紀彦の宝物になるはずだ。
「本……」
だからこそ無くしてしまったのは残念だった。
「本?」
三紀彦は頷いた。
「博物館の公式本。盗まれた」
「あぁ……あれか。しかしバッグのほうが」
「君との─……」
「え?」
「……いや、なんでもないよ」
ルーカスと共に過ごしたという思い出。それが三紀彦の記憶でのみしか存在することができないのだと思うと寂しさが込み上げた。
幸い傷は深くなく縫う心配もなかった。テーピングで傷がこれ以上開かないように固定する。大使館の職員に借りた救急箱の中のもので手当を終えることができた。
「迎えは呼んでるのか」
「あぁ、元親が身元引き受けで来てくれる」
本当はひとりで帰ることも出来たが、きっとルーカスが最後まで送ろうとするだろう。なんでかそう思えて、そうしたら元親に連絡をしていた。
「幼馴染だったか、トルコに来ているんだな」
「うん。一緒に来たわけではないがね、あっちは婚約者との旅行中さ」
「……婚約者」
「オメガのかわいい奥さんだよ。元親はメロメロでさ」
思わず二人の出会いを思い出して三紀彦が笑いを零す。
「こんな夜中に迎えに来るんだ、情深いやつなんだろう」
「そりゃあ……そうだね」
最後に大きな絆創膏を貼った。
ぱっと見だが、ルーカスの身体には小さいが古傷がある。肩の三角筋も上腕筋も異常な発達だ。ルーカスはいったい何者なのだろうか。
「堤さん、お迎えが来ました」
職員の呼びかけに振り向くと元親がやってきた。二日後にイスタンブールで落ち合う予定だった幼馴染だ。とても不機嫌な顔をして大使館のドアを通り過ぎてこちらにやってくる。
「まったく、トルコに来てまで手を焼くとは」
「親友が困っているんだ、助けてくれるのが道理だろう?」
「だから来てやっただろう?」
「僕だって、これまで元親に何回呼び出されたか分からないよ?」
「ち……っ」
元親は婚約者とこうして結婚までに至るには、少しばかり遠回りがあった。その遠回りの道の中で、三紀彦は元親の愚痴を聞いてやり、励まし支えてきたつもりだ。自身の過去を持ち出されそうになると、元親はあからさまに苛立った。
横に気配を感じてそちらを向くとルーカスがソファから立ち上がっていて元親に会釈をした。
「彼はルーカス、助けてくれた人だよ」
三紀彦はそう元親に紹介した。
決して嘘をついているわけではない。助けてくれたのは事実だ。その前から今日一日一緒に居たことは元親には言わないでおいた。
「大変世話になりました」
元親は英語でそうルーカスに深々と頭を下げた。三紀彦には愚痴っぽく言うのに、元親はしっかりと弁えている。
そこへ先程書類を渡した職員がやってきて渡航証明書を受け取る。これで滞在中と、帰りの飛行機には問題なく乗ることができるらしい。元親とふたり職員から説明を聞いて、お世話になりましたとお礼を言って振りかえると、そこにルーカスの姿はなかった。
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