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休息

第六十九話※

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「ちょ──、須賀さん……っ!……あっ」

 あっという間に身体を翻され壁に向けらてしまった。背中から須賀に挟まれて身動きがとれない。須賀の手がバスローブの裾を引き上げると須賀の手のひらが太ももの外側を這うのが分かった。それがだんだんと上へ這っていき俺の尻に到達すると、耳元で須賀が熱い溜息を漏らす。

「……すべすべだよ、雪」

 そう言いながら俺の尻を撫でた。

「──ンッ」

 今度は軟軟と揉まれると俺の腹がきゅうっと疼いた。理性とは裏腹に俺の腰は後ろへと突き出すような仕草をしてしまう。まるで須賀の熱いものを強請るように。

「雪……。少しだけ、味見させて……」

 もう片方の手で髪を撫でられ、誘われるように顔だけ後ろを向ける。妖しげな眼差しを向ける須賀にめいっぱい首を伸ばして口付けをせがんだ。すぐに須賀の舌が俺を迎えに来て口内に侵入する。

 相変わらず壁に押し付けられながら俺は混じり合う蜜をゴクリと飲み込んでは腰を擦り寄せた。


「────ンンッ」

 バスローブから肩が抜けて首筋を厚い舌で舐められ背筋にビリビリと電気が走ったよう。

 バスローブがパサリと床に落ちる。須賀の体温が直接素肌に感じると多幸感と同時に、ビターなαのフェロモンが鼻腔を擽りもう自分じゃないみたいに体が熱くなる。

 壁との隙間に須賀の手が入り込み、芯を持ち始めた俺の熱に触れる。

「────はぁ……」

 訪れた快感に俺は溜息が出た。ビクンと身体は跳ねて太ももは小さく震えだす。すると後ろからの圧が無くなり壁と離れる。
 須賀の大きな手のひらが俺の胸を抑えて後ろに凭れるように促した。少し戸惑うとすぐにどっしりとした胸に抱かれて、抑えていた手が俺の胸を弄るともう不安など吹き飛んだ。摘んだり優しく抓られるたび太ももが痙攣する。

「雪……っ」

 後ろから両手で胸を鷲掴みにされそのまま親指で突起をこねられると意識が飛びそうに思わず顎をあげる。こんな平らな胸、飾り程度のものでも、須賀に触れられると気持ちよさに身をよじってしまうほどで。
 肩に乗せられている須賀の顔に手を伸ばして頬をさすった。

「すが……さ……ん……」 
「味見だけだよ、……雪」

 ──そんなっ、

「──いじわ……るっ」 

 俺は心の中で言っていたつもりだったのに、もうそれは俺の口から溢れてしまっていたらしい。いきなり須賀の熱い剛直が双丘の間に滑り込み、俺の後孔を掠める。俺は思わず息を呑んだ。

「───────ッ」

 意地悪く、焦らすように入り口を先端が何度も撫でられる。

 俺は前から手を伸ばしてその犯人を捕まえようとした。

「おい、雪……」

 見下ろすと俺の股下から須賀の赤黒い剛直が顔を出していた。

 ──これが須賀の……。

 先を握ると人の体温なのかと思うくらい熱くて、ドクドクと脈が手のひらに伝わってもっと根元へと手を伸ばす。
 その姿勢が須賀に腰を突き出していることも知らず、俺は欲のままに須賀の昂ぶりを捕まえる。

 そういえば須賀のいくところを見たことがない。

「須賀さん……いって……?」
「雪、今夜は……」 
「俺で、いってよ……おねがい……」
「雪──っ」

 須賀も俺で興奮してくれてるなら、須賀にも気持ちよくなってほしい。発情期にしか挿れないというのなら……。

 俺は恥ずかしさより須賀にも気持ちよくなってほしかった。

 少し間をおいてから、須賀は俺と自身の下半身に何かを塗りつけた。いい香りがしてそれがさっき自身を洗ったボディーソープだと思い出す。それを二人に塗りつけていたのだ。
 そしてゆっくりと俺の股の間に侵入を開始した。後ろから俺の腰を掴みゆっくり、ゆっくりと抜き挿しをする。

 ──なんだこれ……

 股の下に手をやって須賀が滑り込んでくるのを指先で撫でながら、俺は自分の下半身に手を伸ばす。いきたくてたまらない。すると後ろから須賀に手首を掴まれそのまま壁に手を突かされる。

「……雪はそのままで……」

 言われる通り手をそのままにしていると背中にキスをしながら須賀の手がまた前に侵入し、俺の小さなモノを握った。

「────アァッ」

 ぬるぬるとした手に触られるとすぐに達してしまいそうになる。その手に合わせるように須賀の腰も徐々に早くなると、たまにパンパンっと肌がぶつかる音がした。
 強く打ち付けられると蕾が擦られてなんとも言えない快感が襲う。

「だめ…………須賀……さ……イッ…………っ」
「私もだ──────っ」

 震える俺の太ももの内側でどくどくっと須賀は欲を吐き出していた。
  




 ──あ……、須賀さんの……っ


 震える内股に白濁がつぅっと垂れてくる感じがした。手を伸ばしてそれを指で掬い無意識にそれを口に運ぼうとして、その手首を捕まえられた。





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