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番外編
所長と吉野の憂い
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「槇はさ」
吉野がため息混じりに放った。
「あそこまでいくと、本当に天然記念物なんだよね」
マレーシアのクアラルンプールから成田までの機内。アイマスクまでして一切を遮断しているオーラを出しているにも関わらず、吉野が話を続けている。
「……俺に言ってる?」
「はぁ? 他に誰がいんのよ」
「だよな」
俺はあっさりとアイマスクを剥ぎ取り、吉野に背を向けていた身体を起こした。
マレーシアにある日系ホテルのコンペで撃沈した帰りでとにかく落ち込んでいる俺に、恭介が天然でも養殖でもどっちでもいいんだが。
「仁、あなたも薄々は気が付いてるんじゃない?」
「あ?」
「井上の槇への恋心に」
「下心の間違いだろ」
「やっぱ知ってた」
「明らかだろ、誰が見たって。気づいてねぇのは恭介だけだ」
そう言ってハッする。だから天然記念物だと吉野は言ったのかと時差で納得した。
「井上はさ。気に入られたくって、名前呼んで欲しくて、ハチ公みたいな? ゴールデンレトリバーかな? まぁどっちでもいいんだけど、でもさすがにご主人様に振り向いて欲しくなるよね」
「あいつはハチ公だ。秋田犬の類だろ」
「ほんんんっと……どっちでもいい」
そういうとこウザいと吉野が眉間にシワを寄せる。
「恋愛においてリターンを求めるのは当然。満たされなきゃハチ公だって悲しいよ」
吉野はうちの営業セールストップを誇る人材。女だからとか、女にしては、などとは言いたくはないが、その負けん気でここまでのし上がったのは吉野の中にある女のプライドだと俺は買っている。
恋バナで誰かと盛り上がっているのは見たことないし、恋人がいるのかさえ知らない。業務上、事業主の俺が知っているのは吉野は独身であること。
「ってか、なんで吉野がそんなに井上の肩持ってんだ?」
「え?」
「誰の恋愛だって、気にしなさそうなのに」
「私だって後輩には気を遣ってる」
「へぇ」
「井上が最近静かでしょ? 後輩の精神衛生上よろしくないことが起こってるって思うわけ。肩を持ってるわけじゃない」
「イヤイヤイヤイヤ。いちいち従業員の精神衛生に気を遣う事業主がいるかよ」
「……そうだよねぇ。あんたは職権乱用で弟クンを連れてきたもんねぇ」
横目に睨まれる。「あれは、親に頼まれて」とつぶやくと吉野は盛大にため息をついた。
「……弟クンだって優秀だと見込んでるんだろうからそこはもういい」
「いいんだ? 文哉も頑張ってるんだな」
「あんたのブラコンに興味はない。問題なのはあんたが槇の気持ち知っててこの会社に弟クンを連れてきたことだよ」
「……」
「あの天然記念物がさ弟クンを好きだっての知ってたんでしょう?」
恭介と俺ら兄弟は小さい頃からの幼馴染で、年の離れた文哉のことを気に掛けるのは優しい恭介にとっては性格上当たり前のことで、俺は当初は何も気にもしていなかった。
俺が三十歳目前に独立のために恭介をヘッドハンティングしている最中のこと。恭介がうちにやってきて高校生になった文哉と久しぶりに会ったときの恭介の態度が何となく妙で、本当に何となくなんだけど、色を感じたんだ。
恭介は仕事熱心だし、奥手なのもあってずっと恋人がいないこともまたあいつの性格上……と思っていた。しかしもしそうでないなら……
「……知っても、確かめようがないだろ」
「別に確かめなくてもいいし、それでいい。でもあんたは気がついてたってことでしょう?」
「でもそれは憶測だ、俺がただそう感じたってだけ」
「まあね……でも、少なくとも槇は動揺したろうね。人生変えちゃうくらいの」
「……俺にどうしろって?」
「別にどう、って」
「恭介に聞きゃあいいのか? 違うだろ。敢えて聞かなくとも一緒にいてやるのが幼馴染だろ」
「ふうん」
「俺たちがヤキモキしてたって仕方ねぇ、井上が片思いして傷ついてても、恭介か傷ついてても、俺らが予防線張っとくわけにもいかねえだろ」
「無理やりふたりをくっつけるわけにも、ね」
「ああ、井上に恭介を充てがったって、気持ちが付いて来なきゃ、むしろ酷だ」
わかった。と、吉野は座席に凭れてため息を付く。
それから二ヶ月も経ってないある秋の日。
「仁、どういうことだ!」
恭介は出社するなり俺のネクタイを掴んで今にも噛みつきそうな勢いだった。恭介はそのまま使ってない打ち合わせ室に俺を連れ込んだ。わかってはいたが、なんの事だとシラを切る。
「井上は会社を辞めない。……嘘だった」
「ア? ソウナノ? ヨカッタ」
「なんであんな嘘ついた?!」
「まぁまぁ、落ち着いてよ」
恭介はネクタイから手を離すと椅子を引き出してドカリと座った。
「……大した役者だよ」
「まぁ、結果オーライだったんだろ?」
「え?」
「井上から昨日のうちに連絡あった。そんで、感謝されたし」
「感謝……。まさか共謀?」
「違う、違う、それは間違い。井上は無関係だよ」
「そうなのか?」
本当だともう一度言って恭介を落ち着かせた。井上との共犯となると話が拗れてしまう。それは避けなければならない。すっかり縒れてしまったネクタイを直しながら俺はテーブルに寄りかかる。
「俺が勝手にやったこと。だって、土曜は朝から鼻歌まじりにご機嫌で、帰りも定時できっちり上がってたし、恭介もそわそわしてたしさ。二人でどっか行くんだろうなって思ってた。んで、次の日井上が滅茶苦茶落ち込んでた。それって恭介のせいだろ?」
「う……」
恭介は思い出してか唇を噛み締めた。
「案の定井上はずっとお前のこと避けてるし、終いには槇さんなんて呼んでるし、元気印の井上が元気ないのは会社としても不利益なんだよ」
「……それでなんであの嘘に繋がるんだよ」
「井上が恭介の隣にいるのも辛いってことは、会社辞めかねないだろう?」
「そんな」
「それくらい、井上はお前のことが好きなんだろ」
「はぁ?」
「昨日井上に言われた。先輩のこと一生大事にするから社内恋愛許してほしいって」
「しゃな……!!?」
「よかったな」
「……!!」
恭介は耳まで真っ赤にしてなにを返していいのか口をパクパクさせていた。
恭介は長いこと文哉のことを好きだったんだろう。その想いが特別な想いだとしてもずっと文哉を大切にしてくれていた。それは俺が潰していいことじゃない。いつか、井上の存在によって文哉への気持ちが思い出に変わってくれたらいいと願うばかりだ。
恭介から開放されて社用車に乗り込むと、直後窓をコンコンと叩かれた。エンジンをかけて窓を開けると吉野が顔を出した。
「……無理やりくっつけたんじゃねえからな」
小言を言われる前に吉野に牽制した。
「わかってる。ある時から槇は井上に気持ちが寄ってたもんね」
吉野は呆れながらも穏やかに笑う。そして窓から缶コーヒーを差し出した。
「次のコンペはいい知らせ持って帰ってきてよね、所長」
「あぁ」
トントンと車のボディを叩いて吉野は俺を送り出した。
吉野がため息混じりに放った。
「あそこまでいくと、本当に天然記念物なんだよね」
マレーシアのクアラルンプールから成田までの機内。アイマスクまでして一切を遮断しているオーラを出しているにも関わらず、吉野が話を続けている。
「……俺に言ってる?」
「はぁ? 他に誰がいんのよ」
「だよな」
俺はあっさりとアイマスクを剥ぎ取り、吉野に背を向けていた身体を起こした。
マレーシアにある日系ホテルのコンペで撃沈した帰りでとにかく落ち込んでいる俺に、恭介が天然でも養殖でもどっちでもいいんだが。
「仁、あなたも薄々は気が付いてるんじゃない?」
「あ?」
「井上の槇への恋心に」
「下心の間違いだろ」
「やっぱ知ってた」
「明らかだろ、誰が見たって。気づいてねぇのは恭介だけだ」
そう言ってハッする。だから天然記念物だと吉野は言ったのかと時差で納得した。
「井上はさ。気に入られたくって、名前呼んで欲しくて、ハチ公みたいな? ゴールデンレトリバーかな? まぁどっちでもいいんだけど、でもさすがにご主人様に振り向いて欲しくなるよね」
「あいつはハチ公だ。秋田犬の類だろ」
「ほんんんっと……どっちでもいい」
そういうとこウザいと吉野が眉間にシワを寄せる。
「恋愛においてリターンを求めるのは当然。満たされなきゃハチ公だって悲しいよ」
吉野はうちの営業セールストップを誇る人材。女だからとか、女にしては、などとは言いたくはないが、その負けん気でここまでのし上がったのは吉野の中にある女のプライドだと俺は買っている。
恋バナで誰かと盛り上がっているのは見たことないし、恋人がいるのかさえ知らない。業務上、事業主の俺が知っているのは吉野は独身であること。
「ってか、なんで吉野がそんなに井上の肩持ってんだ?」
「え?」
「誰の恋愛だって、気にしなさそうなのに」
「私だって後輩には気を遣ってる」
「へぇ」
「井上が最近静かでしょ? 後輩の精神衛生上よろしくないことが起こってるって思うわけ。肩を持ってるわけじゃない」
「イヤイヤイヤイヤ。いちいち従業員の精神衛生に気を遣う事業主がいるかよ」
「……そうだよねぇ。あんたは職権乱用で弟クンを連れてきたもんねぇ」
横目に睨まれる。「あれは、親に頼まれて」とつぶやくと吉野は盛大にため息をついた。
「……弟クンだって優秀だと見込んでるんだろうからそこはもういい」
「いいんだ? 文哉も頑張ってるんだな」
「あんたのブラコンに興味はない。問題なのはあんたが槇の気持ち知っててこの会社に弟クンを連れてきたことだよ」
「……」
「あの天然記念物がさ弟クンを好きだっての知ってたんでしょう?」
恭介と俺ら兄弟は小さい頃からの幼馴染で、年の離れた文哉のことを気に掛けるのは優しい恭介にとっては性格上当たり前のことで、俺は当初は何も気にもしていなかった。
俺が三十歳目前に独立のために恭介をヘッドハンティングしている最中のこと。恭介がうちにやってきて高校生になった文哉と久しぶりに会ったときの恭介の態度が何となく妙で、本当に何となくなんだけど、色を感じたんだ。
恭介は仕事熱心だし、奥手なのもあってずっと恋人がいないこともまたあいつの性格上……と思っていた。しかしもしそうでないなら……
「……知っても、確かめようがないだろ」
「別に確かめなくてもいいし、それでいい。でもあんたは気がついてたってことでしょう?」
「でもそれは憶測だ、俺がただそう感じたってだけ」
「まあね……でも、少なくとも槇は動揺したろうね。人生変えちゃうくらいの」
「……俺にどうしろって?」
「別にどう、って」
「恭介に聞きゃあいいのか? 違うだろ。敢えて聞かなくとも一緒にいてやるのが幼馴染だろ」
「ふうん」
「俺たちがヤキモキしてたって仕方ねぇ、井上が片思いして傷ついてても、恭介か傷ついてても、俺らが予防線張っとくわけにもいかねえだろ」
「無理やりふたりをくっつけるわけにも、ね」
「ああ、井上に恭介を充てがったって、気持ちが付いて来なきゃ、むしろ酷だ」
わかった。と、吉野は座席に凭れてため息を付く。
それから二ヶ月も経ってないある秋の日。
「仁、どういうことだ!」
恭介は出社するなり俺のネクタイを掴んで今にも噛みつきそうな勢いだった。恭介はそのまま使ってない打ち合わせ室に俺を連れ込んだ。わかってはいたが、なんの事だとシラを切る。
「井上は会社を辞めない。……嘘だった」
「ア? ソウナノ? ヨカッタ」
「なんであんな嘘ついた?!」
「まぁまぁ、落ち着いてよ」
恭介はネクタイから手を離すと椅子を引き出してドカリと座った。
「……大した役者だよ」
「まぁ、結果オーライだったんだろ?」
「え?」
「井上から昨日のうちに連絡あった。そんで、感謝されたし」
「感謝……。まさか共謀?」
「違う、違う、それは間違い。井上は無関係だよ」
「そうなのか?」
本当だともう一度言って恭介を落ち着かせた。井上との共犯となると話が拗れてしまう。それは避けなければならない。すっかり縒れてしまったネクタイを直しながら俺はテーブルに寄りかかる。
「俺が勝手にやったこと。だって、土曜は朝から鼻歌まじりにご機嫌で、帰りも定時できっちり上がってたし、恭介もそわそわしてたしさ。二人でどっか行くんだろうなって思ってた。んで、次の日井上が滅茶苦茶落ち込んでた。それって恭介のせいだろ?」
「う……」
恭介は思い出してか唇を噛み締めた。
「案の定井上はずっとお前のこと避けてるし、終いには槇さんなんて呼んでるし、元気印の井上が元気ないのは会社としても不利益なんだよ」
「……それでなんであの嘘に繋がるんだよ」
「井上が恭介の隣にいるのも辛いってことは、会社辞めかねないだろう?」
「そんな」
「それくらい、井上はお前のことが好きなんだろ」
「はぁ?」
「昨日井上に言われた。先輩のこと一生大事にするから社内恋愛許してほしいって」
「しゃな……!!?」
「よかったな」
「……!!」
恭介は耳まで真っ赤にしてなにを返していいのか口をパクパクさせていた。
恭介は長いこと文哉のことを好きだったんだろう。その想いが特別な想いだとしてもずっと文哉を大切にしてくれていた。それは俺が潰していいことじゃない。いつか、井上の存在によって文哉への気持ちが思い出に変わってくれたらいいと願うばかりだ。
恭介から開放されて社用車に乗り込むと、直後窓をコンコンと叩かれた。エンジンをかけて窓を開けると吉野が顔を出した。
「……無理やりくっつけたんじゃねえからな」
小言を言われる前に吉野に牽制した。
「わかってる。ある時から槇は井上に気持ちが寄ってたもんね」
吉野は呆れながらも穏やかに笑う。そして窓から缶コーヒーを差し出した。
「次のコンペはいい知らせ持って帰ってきてよね、所長」
「あぁ」
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