下心は恋心なんだ。

第四話

　海斗の手首を開放すると、俺の頬を掴んで首を伸ばしてちゅっと小さくキスをした。

　それから俺を見つめるんだ。

　数秒、見つめ合って、また唇が押し当てられた。
　海斗の手が首の後ろに回って引き寄せられて俺はついに海斗の身体に密着した。

　胸と胸がくっついて、少し経って海斗の体温が伝わる。


　海斗の柔らかい唇が俺の下唇を噛む。啄むように小さく誘うからその隙間に舌をねじ込んだ。それに応えるように海斗の舌が俺を迎え入れる。

「………んっ、………ふぁ………っ」

　海斗の鼻からくぐもったイヤらしい声が漏れる。

　深いキスにもう無我夢中になった。

　昂る下半身を海斗に擦り付けて。




「薫……」
「……ん？」

　唇の隙間から溢れる声を聞き漏らさないよう、唇を離すと

「薫のキス……きもちいな、へへ」と至近距離ではにかんだ。

「海斗…………っ」

　込み上がる感情が俺を征服して海斗の首すじに噛み付いて舌で耳まで一気に舐め上げてしまった。

「んぁぁ……っ」

　仰け反る海斗の耳たぶを優しく噛む。

「ふぁ……」

　いっぱい感じさせて、よがらせてやる。



　再び海斗の感じる胸の突起にしゃぶりついた。空いてるほうは指で摘んでつねる。ビクンビクン腹筋を収縮させて悶える海斗が可愛くてたまらない。

「か……おる、そこばっか……んっ」
「だって、気持ちいいんだろ……？」
「けど」

　チラリと海斗を見るとうっすら涙ぐんでいて俺は舌を腹筋に這わせていく。海斗はビクンビクンさせながら俺の髪をずっと撫でている。

「海斗、苦しそうだな」
「うん、もう、……やばいっぽい」

　タイトなジーンズの下で主張しているものをふたりで見下ろす。

「脱がすよ？いい？」
「うん」

　海斗は自分でジーンズのボタンを外しファスナーをおろす。そして腰を浮かせて下着と一緒にずらした。

　可愛い顔に似合わず大きくて太いソレが主張していた。

　俺も手伝ってジーンズを脱がすと海斗は全裸になった。

「触るよ」
「え、いいの？」

　知らない男にはしゃぶらせたんだろ？……内心そう思いながら海斗のモノを握った。

　ビクリとした、そして温かい。上下に優しく扱くと硬さが増して「やばい」と言って海斗の腰が浮く。俺が触れても萎えないでいてくれてる。そのうち先端からぷくりと透明な液が現れた。

　俺はうっかりそれにキスしてしまった。

「はぁ……っ」

　やばい、と、海斗をチラリと見ると海斗は驚いた顔をしてこちらを見ていた。でもその表情は決して嫌じゃない。分かる、これからのことに期待してる顔だ。

　俺は海斗の顔を見ながら先端を口に含んだ。唾液を含ませわざと音を出しながら上下に顔を動かす。海斗は腿を震わせて快感の波と戦っているようだ。

「ハァ…………やばい、薫、うますぎ」

　相変わらず俺の髪をずっと撫でている。
　こうやって女の子の髪も撫でて褒めてるんだろうな……



　俺が口でしても萎えないどころかどんどん赤黒くなってるけど、俺を受け入れてるってことだよな。そりゃアプリで出会った男よりうまいだろ？そう心の中で問いかけて、そんな男と比べてる自分に気づいて自嘲した。

　ここでイかすべきだろうか。
　いや、スッキリしてしまったらこれで満足してしまうかもしれない。

　ごめん、海斗、俺はお前を犯したいんだ。