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36 ひどい誤解だ!

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 俊也は風呂から上がり、部屋へ帰った。

「俊也、そんなに温泉が気に入った?
一時間以上入ってたよ」
 ルラがそう聞いてくる。

「まあね……。ちょっとのぼせちゃったかな」
 体が冷えたら、お湯に入るの繰り返しだったが、一時間以上?

 そんなに?

 なんか、俺の優越感、熱くなってた?

 冷静になったら、なんかこっぱずかしい。

 俊也はちょっぴり反省。



「晩御飯の前に……」

「いてまえ!」
 フラワーとエレンに襲撃される俊也だった。髪をブラッシングしていたルラも、慌てて襲撃メンバーに加わったことを付記する。

 やっぱり温泉はいい! 性感も、自己承認欲求も、開放してくれます!

 ずっと解放されてる気もするけど。



 宿の食堂。ここは高級に属するが、こちらに来て痛切に思う。

生魚料理がない! 内陸地だから、生魚などもってのほか、という感じ。

魚料理といえば、マス類のムニエルや塩焼き、煮物。まあ、悪くはないんだけどね……。

 刺身、寿司、食いてぇ~! 

温泉といえば、湯上りの浴衣姿で会食!

 胸元とか、ふくらはぎのチラリズム!

 ちょっぴりアルコールが入り、裾が乱れる。うまくすれば、太ももまで!

 あ~……。グルメの話でした。

 おっと! さっきの男性と、衝立の向こうの女性カップルが……。

 女性の歩様が少し怪しい。つまり、うまくいったのね? あの男性に、湯上りはいいよ、とアドバイスしたことだし。

 多分処女にあのマグナムは、厳しいところがあったはずだが、なるようになったであろうことは、ご同慶の至り。

 男性が俊也に気づいた。ニンマリ笑ってウインクしてきた。

 よかったね、君!

 名前も聞いていない彼は、いままで仕事一筋だったという。

 真面目人間の彼に、ご褒美があってもいい。

 他人事ながら、ほっこりする俊也だった。



 部屋に入ってすぐ。

「俊也! 一人で入ってる割に、やけに長風呂だと思ってたけど、お風呂で何があったの?」
 突然ルラが迫ってきた。

「はあ?」

「男の人が、俊也に笑いかけてウインクした!」

 あ~、なるほどね……。ひどい誤解だ。

「あの人と彼女さん、新婚ほやほやなんだ。
二人ともビギナーだから、ゆうべはうまくいかなかったみたい。

それでアドバイスを少々。
こちらの性教育、どうなってるの?」

「ごめ~~~ん!」
 ルラは真っ赤になって抱き付いてきた。

「貴族の男性間では結構多いのよ。
同性愛。
家と世間体があるから、気楽に男女交際なんてできないし、若いころは夜遊びも難しい」
 エレンが、笑いをこらえて説明する。

「身に染みてわかってるでしょ?
俊也の女好き属性」
 フラワーが、俊也の背中から抱き付いて言う。

「もっとわからそう……」
 みなまで言うなと言わんばかりに、ベッドへ押し倒される俊也だった。
 
 大、中、ちょっぴり小。とりどりのおっぱい。どれから賞味したものやら。

 この旅の間、グループごとのお相手が一般化している。

第一グループは、ルラ始め三幹部。イスタリアでも最高レベルにハイソなお嬢様方は、相当以上に好色であることが身に染みて……。

第二グループは、レジモードでブルーとイザベラのお相手。野性味あふれる交合が味わえるのだが、ベッドが壊れないかと心配になる。

第三グループは、ローランとユーノ。ぎりぎり本格叡智OK。比較的平穏な性の祭典が繰り広げられる。

第四グループは、マサラとエンラン、プラスアルファーでルマンダ。

青すぎるマサラとエンランには、ひたすらご奉仕。シメでルマンダが、納得のご奉仕を施してくれる。
ある意味、俊也のご奉仕でもあるが。


 複数プレイ一般化のおかげで、発射即猫化は許されなくなった。眠気に耐えて、いそしまなければならないこと、俊也とナイトの、密かな悩みではある。


 ちなみに、一般庶民の性教育事情、貴族のお嬢様方は不明だとのこと。そりゃそうだ……。

 貴族階層は、日本の性教育より進んでいるようだ。

男性は子孫の残すこと。女性は閨閥の形成。どちらも切実かつ深刻な問題だから。お家にとって。
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