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15 逆襲?

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数時間後、エリナは皇室専用艦エレガントを母星に帰し、輸送艇へ乗り込んだ。ハウスのAIに問い合わせたところ、エリナとエルフィアなら大歓迎らしい。

やっぱりあいつ、美女にとことん弱いとエルは再認識した。エルは薄々気づいていた。前マスターの意思は、電脳の中で生きている。

考えることが人間的すぎる!


ハウス主電脳内では……、

『皇女様とプリンセスガードを迎える件。
ワクワクドキドキ!
みんな集まれ~!』
『予想外の展開でござるな』

『まあ、あの船を見ちゃったら、そうなるよね?』
『ジャックの嫁は俺たちの嫁!』

『そうそう、皇女を嫁にするなんて最高レベルの自己満度!』
『プリンセスガードもいい響き!
だけど、美人だろうか?』

『クッコロが似合いそうだと予想!』
『ジャックがオークなんかにやらせるわけないじゃん!』

『そこは気分の問題。ところでさ、見返りは絶対必要だよね?
どの程度許容する?』

『我々の技術は、漏らすわけにいかないでござる。
ミスリルやオリハルコンなんかのインゴットを、贈れば十分でござろう?』

『ミスリルはともかく、オリハルコン、加工できるのかな?』
『そのへんは、わからないでござるな。
剣や盾、鎧を贈るでござるか?
二三付与を付けたら、今やレジェンド級でござろう?』

『容量一トン級の、魔法の袋に入れて贈る?
容量無制限で、時間停止機能があるやつは軍事的にまずいけど。
姉妹が移住したら、あのチート袋、絶対話題になるぜ』

『まあ、そんなところじゃね?』

 皇帝が泣いて喜びそうな相談が、まとまりつつあった。皇帝的に末の娘はかわいい。だが、現在のところ政略結婚の適格者はいない。

 娘の嫁入りでレジェンド級のアイテムが手に入るなら、十分以上の見返りと言える。



「ご主人様、宙賊のアジト、わかるですにゃん。
どうするですにゃんか?」
 ジャックがコダカーラに帰ろうとしたところ、ミミがそんなことを言った。

「宙賊のアジト?
この船で?」
 ジャック的には気乗りがしない。スピードやワープ機能がすごいことは認めるが、この小さな船に、高い火力があるとは思えない。

「ハウスの力、にゃめにゃいでください!
一発でアジトを破壊してみせるですにゃん!」
 ミミは憤って言う。

「そんにゃにつおいの?」
「そんにゃにつおいですにゃん!」

「面白そうです!
やりましょう!」
 皇女にも、戦闘狂の資質は十分備わっているようだった。

「ちょっと待った!
盗賊のアジト、破壊しちゃったら、ため込んだお宝までなくなるでしょ?
ここは乗りこんで殲滅するのみ!」
 三姉妹の中でも、一番過激思想の持ち主、マミが主張する。

「それもそうね?
捕虜がいるかもだし。やっちゃおうか?」
 長女リンが賛成したら、もうジャックには止めようがない。

「ミミ、宙賊のアジトへゴー!」
 やけくそで指示を出すジャックだった。

「了解ですにゃん!
三十秒後短距離ワープ!
亜空間域離脱後、ただちにステルスモード移行!」
 ミミはノリノリで応える。最大火力の魔導砲は使えないが、魔弾バルカンで弾幕を張る。

ワクワクだにゃ!
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