上 下
9 / 24

9 ドキドキ! 初めての夜♡

しおりを挟む
 同時刻、ルカに与えられた部屋を覗いてみよう。

 ルカは荷ほどきもほどほどで、風呂に入った。ワンコクンが来るかもしれない。あの性欲に忠実なワンコクンだから、きっと来るよね?

 いや~ん! 困っちゃう!

 貴族の子女なら、夜のたしなみ、ベテラン侍女から教えられるんだけど……。

 私は十歳のころからエリナ様のお付きとして、皇居に上がっている。誰にも教わってない。どうしよう? 全然わかんないよ!
 ワンコクン、詳しいのかな?

 いや、その手の知識は、大体において友達から教えられる?
 ワンコクンに友達なんて、いるわけない。

 ふ~、のぼせちゃったかな……。ルカは風呂から上がり、バスタオルを体に巻いた。

 さて、夜の装備、どうしよう?

 裸? いや、無理、無理、無理!
 待ってたと思われちゃう!

 フラグスーツ、ってわけにもいかないよね?
 あれは体のラインがもろ見えで、セクシーなのは間違いないけど……。ワンコクンの視線、痛心地よかった。

 そう、ワンコクンに見られること、そんなにいやじゃなかった。体にはそこそこ自信があるし。……おっぱい以外は。

 標準はあるし、上向きのいい形なんだから! あのお母さんのとは、比べものにならないけど。
反則級だよ!

 下着、どうしよう? フラグスーツをしのぐ、エロっぽい下着なんて持ってないんですけど!
 エロカワ下着、買っておけばよかった。夜着もパジャマしかないし……。

 女だけの空間で暮らしてたんだもん! しょうがないでしょ!

 ……って、私、何考えてるんだろ?

 もしかして、多少は期待してる?

 いや~~~ん!
 ルカは裸のままで、ベッドに寝ころんだ。あれこれと貧困な経験に基づく想像を、じたばたぐるぐる巡らせ、いっこうに眠れなかった。


 一方、ジャックの部屋。ルカの部屋の隣で、両親の寝室とは離れている。

 ルカちゃん、俺の嫁なんだよね? 行っていいのか?

 母ちゃん、襲っちゃダメって言ってたし。夜になってもダメなのかな?

 ルカちゃんも、着替え見られるの嫌がってた。

やっぱりだめか~~~!

 ぐすん……。もう寝よう。

 陽性コミュ障ジャックは、結構ヘタレだった。


 読者の皆様に一言。すまん!



 ◇  ◇  ◇  ◇


 翌朝、ファミリーの食卓。ルカはしょぼしょぼする目を気にしながら、「おはようございます」とあいさつし、食卓に着いた。

「おはよう。ゆうべ眠れなかった?」
 カリンは、トーストにポテトサラダ、ハムエッグを乗せたワンプレートを置く。
 食卓にはローストビーフ的な料理や、山盛りサラダも置かれている。マッキンレー家の人は、とにかくよく食べる。プレートのメニューは、一般帝国人の標準的な朝食を意識していると思われる。

「ちょっと考え事をしてて……。
それにしても、野菜や卵、どうやって手に入れるんですか?
お肉はなんとなくわかりますけど」
 前日の夕食時に、聞けなかったことをルカは聞いた。手の込んだ料理ではなかったが、素材は一級品だとルカは思った。スパイスや調味料に至っては、帝国では食べたことのないものだった。

「あらっ、ジャックに案内されなかった?
食糧プラント」

「いえ……、いや、私が悪いと思います。
カセツ五号機装備したら、楽しくなっちゃって。
訓練場でずっと体動かしてました。
そうですか。食糧プラントがあるんですか」

「拡張すれば、千人程度なら食糧賄えると思う。
手入れや収穫、家畜の解体処理は、全部ロボットがやってくれる。
食べられる魔物も、例の袋に入れて持ち帰ったら処理してくれる。
主婦的に超ラクチンよ。
料理は?」

「ごめんなさい。勉強する機会がありませんでした。
是非教えてください」
 ルカはうなだれる。

「そうだよね? 十歳のころから皇女様の侍女。
料理なんてやらないよね?
気にしないで。私も手の込んだ料理なんてできない。
よかったらロボットに教わりなさい。
娘たちは色々作ってたけど、私は今でも現役の冒険者なの」

「はい。勉強します!」 
 ルカは思う。この「ハウス」どんだけすごいんだよ! ロボットは見てないけど、超絶武具から食糧調達まで、ここで生きられるすべての手段は整っている。

「ジャックとエリオス、まだ起きてこないわね。
AI、ミミに伝えて。いいからたたき起こして!」

『了解ですにゃん。マスター』

 バチン! 数分遅れて、バチン! カリンに命じられたメイドロボットは、目覚ましハリセンで、二人を文字通りたたき起こした。

 メイドロボットはどんな形体? 
 当然前マスターたちの趣味にかなった逸品です。ロボットというより、人間にきわめて近いアンドロイド。ルカに遠慮して、昨日は会いませんでした。

 なにせジャックは第二次性徴期以降、常に性欲まっさかり。彼女は夜のお世話まで賄ってましたから。

 ちなみに、彼女やロボットは、一流料理人並みの技量を持ってます。カリンは息子の嫁を迎える主婦の意地で、昨日と今朝は自分で作りました!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

処理中です...