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148 なんでなんだよ~~~!
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少し時間をさかのぼる。
北の城塞、客間。
不良ドラゴン、サーブとフィリップは、レイサの歓待を受け、大満足。
歓待の具体的内容は、15R指定に著しく抵触するので、残念ながら省略。
サキュバスにふさわしい「おもてなし」だったとだけ記しておく。
性的能力が退化した、ドラゴンのオスではあるが、さすがにね……。
「ねえ、お二方。久しく暴れてないんでしょ?
こっちの方は、私が責任を持って解消させて差し上げます。
人族で少しストレスを、発散なさったらいかがです?
ブレスをクオークあたりで二三発放って、すぐ魔王領へお帰りになったら、人族は手出しできません」
レイサは、二人のかわいい「こっち」をからかいながら、そう提案した。
「フィリップ、魔族側には、俺たちがドラゴンだということ、もうバレバレだ。
一丁やるか?」
サーブは、ニヤリと笑って言う。
「魔族は俺たちに手を出さない。
そう誓えるか?」
フィリップは、サーブより用心深い性格だ。レイサにそう念を押した。
「そんなの誓えませんよ。
手を出さないで歓待、できないでしょ?
もちろん、魔族があなた方を、傷つけることはありません」
レイサはかわいい二人の坊やを、本格的にいたぶり始めた。
超刺激的な展開に、もうひと頑張りする気になれたドラゴンたちだった。
総子は腰に佩いた、愛刀の束に手をかける。
「フレア斬!」
日輪刀が鞘走り、逆袈裟斬りの軌道に合わせ、細い光の刃が伸びる。
パチン。総子は日輪刀を納める。
「グヘッ?」
オーガキングの巨体が斜めにずれ、遅れて血がほとばしる。
「お見事!」
ケーンと仲間が拍手。
「いや~、総子のフレア斬、もう完成と言っていいんじゃない?
前は炎の刃だったけど、完全に光だ」
ケーンがそう感想を述べる。炎の刃は、敵を焼き尽くしたが、今はレーザーメスのようだ。攻撃範囲も、倍ほど伸びている。
もはや近接攻撃と言えない。
「えへっ……、ほめられちった」
総子はかわいくはにかむ。
ユリは思う。うざいけど、かわいい!
「キングは片づけたから、帰りましょうか?
後は一般冒険者の仕事です」
キキョウがそう提案する。キキョウとジャンヌの魔法で、ジェネラル二頭は、先に倒している。
雑魚オーガは、泡を食って四散した。
このパーティが本気で狩ったら、いくら魔物の宝庫クオーク近辺でも、冒険者たちの獲物が少なくなる。
「少しお待ちください!」
ブラックが慌てて引き留める。肉は食えたものではないが、オーガの角は金になる。ましてやキングとジェネラル二頭!
いつものように、せっせとブラックは戦利品回収。
「ケーン様!」
キキョウが叫んだ。
「翼竜だな。超強そうな魔族が乗ってる。
総子、卒業試験にうってつけだ。
あの魔族、やっちゃって」
「諾!」
ケーンの言葉に、力強く応えた総子だった。
「ケーン様!」
またキキョウが叫ぶ。
「ドラゴン?
キキョウ、ホワイトに。
一匹は任せた。
ブラック!」
「御意!」
ブラックとホワイトは、ペガサスに変身。ケーンとキキョウは、すかさず騎乗。
「ジャンヌ、あの魔族は、クオークに向かうと思う。
クオークに転移して」
「承知しました」
ジャンヌの返事を聞き、二頭のペガサスは空へ舞い上がった。
不良ドラゴン、サーブとフィリップは、のんびりクオークを目指し飛んでいた。
『フィリップ、思うんだけどさ、女も悪くないよな?』
サーブは、百メートルほど離れた悪友に念話で語りかける。
『竜族の女はおっかない。
人族の女はすぐ壊れちゃう。
女は魔族に限る!』
フィリップは、サーブより、はるかにスケベだ。竜族の女にはとても手は出せなかったが、人族の女は何人も誘拐し、おいしくいただいた。
つい夢中になって、みんな殺しちゃったけど。物理的に。
その点、魔族の女は頑丈にできている。クライマックスで興奮して抱きしめても、つぶしてしまうことはない。
『サキュバス、最高だよな?』
『性欲は底知れないけどな。
頑張ろうぜ!』
『ハハハ、あれ以上の濃いサービスって、どんなだろう?
ちょっぴりおっかなかったりして』
それはサーブの、半ば本音発言だった。サキュバスのレイサは、二頭のドラゴンを、完全にたらしこんでいた。
『おい……。なんだか寒気がするんだけど』
サーブがそうもらした。サーブはフィリップより感知能力に長けている。
『そう言われれば……』
次の瞬間、サーブの首は胴と切り離され、フリップは魔法の黒い光で頭を飛ばされていた。
「キキョウ、魔法の腕、上がったね」
「まだまだです。
素材を回収しましょう」
あっけなく不良ドラゴン討伐は完了した。その勝因はいくつか挙げられるだろう。
第一に、空を飛んでいるから安心という、ドラゴンたちの油断。彼らの飛行速度を上回る存在を、彼らは知らなかった。
事実、神馬となったペガサス以外はありえない。
第二に、ケーンとキキョウの隠形術が、最高レベルに達していること。
騎乗する夫婦ペガサスも含め、ドラゴンの優れた感知能力を上回っていた。
第三に、ドラゴンの硬い装甲を一撃で通すほどの技を、彼らは体感したことがなかった。
ケーンの剣技、そして、もりもりのバフを受け、特訓に特訓を重ねたキキョウの闇魔法。
オスの中では最強種であるはずのドラゴンが、一撃で首ちょんぱされることなど、本来ありえないのだ。
総子とユリ、それにジャンヌは、転移魔法でクオーク城壁のそばに跳んでいた。
飛竜が豆粒のように見えた。あのスピードなら、一分も経たずクオーク上空へ到達するだろう。
「ウチが牽制いれてみるわ」
そう言って、ユリが弓を構える。
ヒュン、ヒュン、ヒュン。
ユリが三連射。距離がありすぎるから、おそらく避けられる。だが、攻撃した、ということが、わかりさえすればいいのだ。
この距離で矢を届かせる。それすなわち強者の証。相手は魔族。かならずこの挑戦を受ける。
要するに、クオーク城塞内突入は、避けられるだろうという判断からだ。
見る見る間に、飛竜の姿がはっきり見えてきた。ユリは念のため矢をさらに連射する。飛竜は風属性の魔法で、矢を難なくはじいた。
「総子、後は任せたで!」
「了解!」
ユリの檄に、総子は頼もしく応える。
飛竜がますます接近。
「我は魔王第一子、グレイト・ダイナモなり!
良い敵と見受ける!」
飛竜に乗った巨体が名乗りを上げた。
「魔族が名乗った!
総子さん、あれは決死の覚悟です。
油断しないで!」
ジャンヌが、固い声で叫んだ。あの魔族、文字通り、生きて帰る気はないということ。
「承知!
我は光の女神様に召喚された、勇者沖田総子なり!
元だけど……。
いざ尋常に勝負!」
総子は腰の日輪刀に手をかけ、鯉口を切った。
飛竜から巨体が飛び降りた。二メートルを優に超える偉丈夫。
漆黒の全身鎧に身を包んだその巨体は、ずしんと大地に立つ。
「王子、どうか御武運を!」
飛竜に騎乗した魔族が、悲痛な声を振り絞り、上空高く舞い上がった。
その魔族の仕事は、矢や魔法でも容易に避けられる高さから、王子の最期の戦いを見届けることだった。
英雄の戦いぶりを、全魔族に伝えるために。
「ハハハハ、女性(にょしょう)の勇者か!
手加減はせんぞ!」
第一王子は、腰の長剣を抜き放つ。魔剣ヘルウイングには劣るが、魔族王子にふさわしい魔剣ブルーブラッド。敵の血を吸うごとに、切れ味が増し、使い手に活力を与える宝刀。
ブラックがいたなら、こう言うだろう。
「総子様、あの剣、大金貨百枚はしますぞ!
ガンバ!」
幸いなことに、ブラックは現在ドラゴンの解体に夢中だった。よって戦いの緊迫感は保たれた。
「どうした?
抜け!」
ダイナモは、居合を知らなかった。剣を抜きもしないでバカにされた気分。
ちなみに、魔族男性の真名は、成人のとき自分で決める。見た目年齢的には、まさに中学入学前後程度。中二病丸出しの名前を、どうか笑わないでいただきたい。
「手の内を明かすは、愚かというもの。
遠慮なくかかって参れ!」
総子は冷笑すら浮かべて、腰を落とす。
「猪口才(ちょこざい)な!
死ね!」
ダイナモは、長剣を斬り下ろした。
ヒュン!
総子が居合い抜き一閃。白い光がブルーブラッドの青い軌跡をよぎる。
パキン! ブルーブラッドは、真ん中で斬られた。
ブラックがいたなら、こう嘆くだろう。
「大金貨百枚が……」
「ぐぬぬぬぬ……。
お主、何者だ!」
ダイナモは、冷や汗たらり。
「あんたバカ?
沖田総子と名乗ったはずだけど。
逝っちゃって。
フレア斬!」
総子は返す刀で、ダイナモの首をはねる。ダイナモは、間合いを見誤っていた。刀身が届くはずのない距離。
ダイナモの頭はこう叫んでいた。
「なんでなんだよ~~~!」
総子は体にみなぎる力を感じた。経験値がどっと押し寄せる感覚。これ、ドラゴンを殺ったときよりおいしい。
カイカン……。
上空から遠視の魔道具で、戦いを見守っていた魔族兵は思う。
「どう報告すればいい?」
衝撃の展開に、戸惑うばかりだった。
こうして、第一王子の哀れな生涯は、ひっそりと幕を閉じた。
合掌……。
北の城塞、客間。
不良ドラゴン、サーブとフィリップは、レイサの歓待を受け、大満足。
歓待の具体的内容は、15R指定に著しく抵触するので、残念ながら省略。
サキュバスにふさわしい「おもてなし」だったとだけ記しておく。
性的能力が退化した、ドラゴンのオスではあるが、さすがにね……。
「ねえ、お二方。久しく暴れてないんでしょ?
こっちの方は、私が責任を持って解消させて差し上げます。
人族で少しストレスを、発散なさったらいかがです?
ブレスをクオークあたりで二三発放って、すぐ魔王領へお帰りになったら、人族は手出しできません」
レイサは、二人のかわいい「こっち」をからかいながら、そう提案した。
「フィリップ、魔族側には、俺たちがドラゴンだということ、もうバレバレだ。
一丁やるか?」
サーブは、ニヤリと笑って言う。
「魔族は俺たちに手を出さない。
そう誓えるか?」
フィリップは、サーブより用心深い性格だ。レイサにそう念を押した。
「そんなの誓えませんよ。
手を出さないで歓待、できないでしょ?
もちろん、魔族があなた方を、傷つけることはありません」
レイサはかわいい二人の坊やを、本格的にいたぶり始めた。
超刺激的な展開に、もうひと頑張りする気になれたドラゴンたちだった。
総子は腰に佩いた、愛刀の束に手をかける。
「フレア斬!」
日輪刀が鞘走り、逆袈裟斬りの軌道に合わせ、細い光の刃が伸びる。
パチン。総子は日輪刀を納める。
「グヘッ?」
オーガキングの巨体が斜めにずれ、遅れて血がほとばしる。
「お見事!」
ケーンと仲間が拍手。
「いや~、総子のフレア斬、もう完成と言っていいんじゃない?
前は炎の刃だったけど、完全に光だ」
ケーンがそう感想を述べる。炎の刃は、敵を焼き尽くしたが、今はレーザーメスのようだ。攻撃範囲も、倍ほど伸びている。
もはや近接攻撃と言えない。
「えへっ……、ほめられちった」
総子はかわいくはにかむ。
ユリは思う。うざいけど、かわいい!
「キングは片づけたから、帰りましょうか?
後は一般冒険者の仕事です」
キキョウがそう提案する。キキョウとジャンヌの魔法で、ジェネラル二頭は、先に倒している。
雑魚オーガは、泡を食って四散した。
このパーティが本気で狩ったら、いくら魔物の宝庫クオーク近辺でも、冒険者たちの獲物が少なくなる。
「少しお待ちください!」
ブラックが慌てて引き留める。肉は食えたものではないが、オーガの角は金になる。ましてやキングとジェネラル二頭!
いつものように、せっせとブラックは戦利品回収。
「ケーン様!」
キキョウが叫んだ。
「翼竜だな。超強そうな魔族が乗ってる。
総子、卒業試験にうってつけだ。
あの魔族、やっちゃって」
「諾!」
ケーンの言葉に、力強く応えた総子だった。
「ケーン様!」
またキキョウが叫ぶ。
「ドラゴン?
キキョウ、ホワイトに。
一匹は任せた。
ブラック!」
「御意!」
ブラックとホワイトは、ペガサスに変身。ケーンとキキョウは、すかさず騎乗。
「ジャンヌ、あの魔族は、クオークに向かうと思う。
クオークに転移して」
「承知しました」
ジャンヌの返事を聞き、二頭のペガサスは空へ舞い上がった。
不良ドラゴン、サーブとフィリップは、のんびりクオークを目指し飛んでいた。
『フィリップ、思うんだけどさ、女も悪くないよな?』
サーブは、百メートルほど離れた悪友に念話で語りかける。
『竜族の女はおっかない。
人族の女はすぐ壊れちゃう。
女は魔族に限る!』
フィリップは、サーブより、はるかにスケベだ。竜族の女にはとても手は出せなかったが、人族の女は何人も誘拐し、おいしくいただいた。
つい夢中になって、みんな殺しちゃったけど。物理的に。
その点、魔族の女は頑丈にできている。クライマックスで興奮して抱きしめても、つぶしてしまうことはない。
『サキュバス、最高だよな?』
『性欲は底知れないけどな。
頑張ろうぜ!』
『ハハハ、あれ以上の濃いサービスって、どんなだろう?
ちょっぴりおっかなかったりして』
それはサーブの、半ば本音発言だった。サキュバスのレイサは、二頭のドラゴンを、完全にたらしこんでいた。
『おい……。なんだか寒気がするんだけど』
サーブがそうもらした。サーブはフィリップより感知能力に長けている。
『そう言われれば……』
次の瞬間、サーブの首は胴と切り離され、フリップは魔法の黒い光で頭を飛ばされていた。
「キキョウ、魔法の腕、上がったね」
「まだまだです。
素材を回収しましょう」
あっけなく不良ドラゴン討伐は完了した。その勝因はいくつか挙げられるだろう。
第一に、空を飛んでいるから安心という、ドラゴンたちの油断。彼らの飛行速度を上回る存在を、彼らは知らなかった。
事実、神馬となったペガサス以外はありえない。
第二に、ケーンとキキョウの隠形術が、最高レベルに達していること。
騎乗する夫婦ペガサスも含め、ドラゴンの優れた感知能力を上回っていた。
第三に、ドラゴンの硬い装甲を一撃で通すほどの技を、彼らは体感したことがなかった。
ケーンの剣技、そして、もりもりのバフを受け、特訓に特訓を重ねたキキョウの闇魔法。
オスの中では最強種であるはずのドラゴンが、一撃で首ちょんぱされることなど、本来ありえないのだ。
総子とユリ、それにジャンヌは、転移魔法でクオーク城壁のそばに跳んでいた。
飛竜が豆粒のように見えた。あのスピードなら、一分も経たずクオーク上空へ到達するだろう。
「ウチが牽制いれてみるわ」
そう言って、ユリが弓を構える。
ヒュン、ヒュン、ヒュン。
ユリが三連射。距離がありすぎるから、おそらく避けられる。だが、攻撃した、ということが、わかりさえすればいいのだ。
この距離で矢を届かせる。それすなわち強者の証。相手は魔族。かならずこの挑戦を受ける。
要するに、クオーク城塞内突入は、避けられるだろうという判断からだ。
見る見る間に、飛竜の姿がはっきり見えてきた。ユリは念のため矢をさらに連射する。飛竜は風属性の魔法で、矢を難なくはじいた。
「総子、後は任せたで!」
「了解!」
ユリの檄に、総子は頼もしく応える。
飛竜がますます接近。
「我は魔王第一子、グレイト・ダイナモなり!
良い敵と見受ける!」
飛竜に乗った巨体が名乗りを上げた。
「魔族が名乗った!
総子さん、あれは決死の覚悟です。
油断しないで!」
ジャンヌが、固い声で叫んだ。あの魔族、文字通り、生きて帰る気はないということ。
「承知!
我は光の女神様に召喚された、勇者沖田総子なり!
元だけど……。
いざ尋常に勝負!」
総子は腰の日輪刀に手をかけ、鯉口を切った。
飛竜から巨体が飛び降りた。二メートルを優に超える偉丈夫。
漆黒の全身鎧に身を包んだその巨体は、ずしんと大地に立つ。
「王子、どうか御武運を!」
飛竜に騎乗した魔族が、悲痛な声を振り絞り、上空高く舞い上がった。
その魔族の仕事は、矢や魔法でも容易に避けられる高さから、王子の最期の戦いを見届けることだった。
英雄の戦いぶりを、全魔族に伝えるために。
「ハハハハ、女性(にょしょう)の勇者か!
手加減はせんぞ!」
第一王子は、腰の長剣を抜き放つ。魔剣ヘルウイングには劣るが、魔族王子にふさわしい魔剣ブルーブラッド。敵の血を吸うごとに、切れ味が増し、使い手に活力を与える宝刀。
ブラックがいたなら、こう言うだろう。
「総子様、あの剣、大金貨百枚はしますぞ!
ガンバ!」
幸いなことに、ブラックは現在ドラゴンの解体に夢中だった。よって戦いの緊迫感は保たれた。
「どうした?
抜け!」
ダイナモは、居合を知らなかった。剣を抜きもしないでバカにされた気分。
ちなみに、魔族男性の真名は、成人のとき自分で決める。見た目年齢的には、まさに中学入学前後程度。中二病丸出しの名前を、どうか笑わないでいただきたい。
「手の内を明かすは、愚かというもの。
遠慮なくかかって参れ!」
総子は冷笑すら浮かべて、腰を落とす。
「猪口才(ちょこざい)な!
死ね!」
ダイナモは、長剣を斬り下ろした。
ヒュン!
総子が居合い抜き一閃。白い光がブルーブラッドの青い軌跡をよぎる。
パキン! ブルーブラッドは、真ん中で斬られた。
ブラックがいたなら、こう嘆くだろう。
「大金貨百枚が……」
「ぐぬぬぬぬ……。
お主、何者だ!」
ダイナモは、冷や汗たらり。
「あんたバカ?
沖田総子と名乗ったはずだけど。
逝っちゃって。
フレア斬!」
総子は返す刀で、ダイナモの首をはねる。ダイナモは、間合いを見誤っていた。刀身が届くはずのない距離。
ダイナモの頭はこう叫んでいた。
「なんでなんだよ~~~!」
総子は体にみなぎる力を感じた。経験値がどっと押し寄せる感覚。これ、ドラゴンを殺ったときよりおいしい。
カイカン……。
上空から遠視の魔道具で、戦いを見守っていた魔族兵は思う。
「どう報告すればいい?」
衝撃の展開に、戸惑うばかりだった。
こうして、第一王子の哀れな生涯は、ひっそりと幕を閉じた。
合掌……。
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