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37 標的は聖神女と魔王の娘
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翌朝、ケーンは自らの構想を語った。ユリとレミに、もちろん異議はないのだが……。
ダンジョン探索でも、ベッドで探索されるのも、戦力強化が望ましい。キキョウは定期的に帰っているだけなので、ケーンからの不意の要求に間に合わない。
ユリとレミの生理日が重なり、ノーの意思を表示した日など、ケーンは白い灰になっていた。
「ミレーユ様、的な女…ね。あんな完璧聖女、他におるかな?
おったとしても、ゲットできる自信あるか?」
ユリはずばり現実を突きつける。
レミは母親的心配性の目でケーンを見つめる。
「あの方は人間離れしてます。
いや、今は人間から離れてますが、多分王宮に来る前から、人間離れした方だったと思います」
「あ~ん?
父ちゃんにできて、俺には無理だというの?」
ケーンはいじける。
「いや、そうではなくて、あれほどの人材が、この世にいるのかということです。
純粋でお優しくて、誰よりも美しい。
それでいて強い。
なにせ人間離れですから」
レミは慌てて言い繕う。
「全然あてもなく言ってると思う?
ミレーユの姉は子孫を残している。
俺の目的地は神聖テリーヌ帝国。
ミレーユと血が少しはつながってる光の女神の聖神女、かっさらう!」
ユリとレミは天を仰いだ。
この人、また光の女神様に喧嘩売るつもり?
光の女神がケンイチ様とミレーユ様の仲を許したのは、ケンイチ様が歴代最高の勇者だったからだと聞く。
ミレーユ様が夜の王宮の住人になり、夜の女王と光の女神は、険悪な仲になったとも聞いている。
「あんな、やきもちや、ないで。
聖神女だけはあかん。
この世界のパワーバランスが崩れてまう」
ケーンより、はるかに世なれたユリが言う。
「いいもん!
俺、知ってるんだから!
魔王にも一人だけ娘がいる。
ついでに魔王の娘も嫁にしちゃう!
そうなったら光の女神も、口の出しようがなくなる」
あ~、まるでやけくそのだだっ子だ……。
処置なし。
助けて! 夜の女王様!
転移魔法陣からキキョウが飛び出した。
さすが女王様、きっとお叱りの伝言だ。
「ケーン様、女王様からの言伝(ことづて)です。
さすが父ちゃんの子だね。おもしろいからやってみろ、とのことです」
キキョウは蒼白な顔をして言った。
「さっすが母ちゃん!
話がわかる~!」
ケーンは小躍りした。
『女王様は、ケーン様があの二人、気に入るわけがない、とのことだけど、大丈夫だと思う?』
キキョウは、ユリの耳元でそうささやいた。
「そんなん知らんがな!」
全力で叫ぶユリだった。
実はその伝言、夜の女王のいたずら心だった。一般には知られていないが、現聖神女と魔王の一人娘は、まだ幼女だった。
さすがのケンイチの子でも、幼女愛好変態趣味はない。記者がさきほど勿体をつけて「困難だ」と言った理由、おわかりいただけたかと思う。
ケーンに許された期限は後四年。相当気合いが入ったロリ趣味でも厳しい。
ダンジョン探索でも、ベッドで探索されるのも、戦力強化が望ましい。キキョウは定期的に帰っているだけなので、ケーンからの不意の要求に間に合わない。
ユリとレミの生理日が重なり、ノーの意思を表示した日など、ケーンは白い灰になっていた。
「ミレーユ様、的な女…ね。あんな完璧聖女、他におるかな?
おったとしても、ゲットできる自信あるか?」
ユリはずばり現実を突きつける。
レミは母親的心配性の目でケーンを見つめる。
「あの方は人間離れしてます。
いや、今は人間から離れてますが、多分王宮に来る前から、人間離れした方だったと思います」
「あ~ん?
父ちゃんにできて、俺には無理だというの?」
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「いや、そうではなくて、あれほどの人材が、この世にいるのかということです。
純粋でお優しくて、誰よりも美しい。
それでいて強い。
なにせ人間離れですから」
レミは慌てて言い繕う。
「全然あてもなく言ってると思う?
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ミレーユと血が少しはつながってる光の女神の聖神女、かっさらう!」
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この人、また光の女神様に喧嘩売るつもり?
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ミレーユ様が夜の王宮の住人になり、夜の女王と光の女神は、険悪な仲になったとも聞いている。
「あんな、やきもちや、ないで。
聖神女だけはあかん。
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ケーンより、はるかに世なれたユリが言う。
「いいもん!
俺、知ってるんだから!
魔王にも一人だけ娘がいる。
ついでに魔王の娘も嫁にしちゃう!
そうなったら光の女神も、口の出しようがなくなる」
あ~、まるでやけくそのだだっ子だ……。
処置なし。
助けて! 夜の女王様!
転移魔法陣からキキョウが飛び出した。
さすが女王様、きっとお叱りの伝言だ。
「ケーン様、女王様からの言伝(ことづて)です。
さすが父ちゃんの子だね。おもしろいからやってみろ、とのことです」
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「さっすが母ちゃん!
話がわかる~!」
ケーンは小躍りした。
『女王様は、ケーン様があの二人、気に入るわけがない、とのことだけど、大丈夫だと思う?』
キキョウは、ユリの耳元でそうささやいた。
「そんなん知らんがな!」
全力で叫ぶユリだった。
実はその伝言、夜の女王のいたずら心だった。一般には知られていないが、現聖神女と魔王の一人娘は、まだ幼女だった。
さすがのケンイチの子でも、幼女愛好変態趣味はない。記者がさきほど勿体をつけて「困難だ」と言った理由、おわかりいただけたかと思う。
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