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34 正妻が帰ってきた
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「おはようございます。もうお昼ですよ」
キキョウは、ご機嫌でベッドの三人に声をかけた。
ケーン様が一挙に、二人の女をものにした。
エッチの負担は、かなり解消される。
ウフ…、適度な負担は大歓迎だし。
「おはよう。キキョウ、帰って来たんだね」
ケーンが跳ね起き、ベッドから降りて、大きく腕を広げる。
キキョウは、ケーンの胸に飛び込んだ。がっちりと抱き合い、濃密なキスを楽しむ。
「どなた、ですか?」
レミが布団で裸の胸を隠し、恐る恐る聞く。
「ケーンの正妻や。
あの女に逆らったらあかんで。
トリプルSの冒険者や。
ウチとあんたはあくまで側室。分はわきまえよう」
ユリは苦笑して、そう答えた。側室、ね……。「側」が付いていても、少し前の自分なら、妻というポジションに着く日がくると、想像もしなかった。
くすぐったくもあるが、それほど居心地は悪くない。
「トリプルS。クノイチキキョウさんが正妻か……。
私、ホントにこの家で暮らしていいんですか?」
レミは仕事柄、冒険者はお得意様だ。当然ながら、トリプルSクノイチ・キキョウの勇名は知っていた。
「ケーンの正体知ったら、もっとビビるで。
ケーンはな……」
ユリはケーンの正体を明かす。
ユリの言葉通り、超ビビってしまったレミだった。
四人は食卓を囲み、キキョウ心尽くしの昼食を味わう。食後の紅茶を飲みながら、キキョウが今後のプランを語る。
「これは夜の女王様からのお言葉です。
私はしばらく、夜の王宮で、魔法の修行をこのまま続けます。
レミさんも、いっしょに薬師と錬金術師の修行を積みませんか?
それと、自分で身を守るだけの修行を積んだ方が、いいと思います。
もちろん、女王様かミレーユ様の転移魔法陣で、いつでもここに帰れますから。
私もちょくちょく帰って、ケーン様のお情けをいただきます」
「私も夜の王宮で?」
レミは顔をひきつらせて言う。庶民にとって、ある意味光の女神が治める天上界より、ファンタジーの世界だ。
実体がありながら、全く想像もできない世界、という意味で。
「そうです。ミレーユ様が直接指導にあたってくれます」
「ミレーユ様……。あの伝説の聖神女?
そうか、今でもケンイチ様のおそばにいるのですか。
畏れ多いですが、是非お願いします!」
レミは超乗り気になった。伝説の元聖神女、ミレーユは、実感できる存在だ。薬師見習いである彼女の、究極的な目標だという意味で。
ミレーユ様は、神聖魔法をはじめ、あらゆる魔法のオーソリティーと聞く。薬師と錬金術師としても最高峰だと聞いている。彼女直々の指導を受けるなんて夢のようだ。
「じゃあ、そういうことで。
ケーン様はどうしますか?」
キキョウはケーンに振る。
「当分今のまま、ユリと狩りをする。
スリルがあってなかなか楽しいし。
ただ、足が不便でね。
ブラックとホワイト、ずっとつけてただろ?
足と回収だけでいいから、このまま付いてくるよう言って」
「やっぱりおわかりでしたか。
私から女王様に伝えておきます。
ミレーユ様のアイテムボックスは、自由に使ってくださいとのことです。
では食事を終えたばかりですが……」
キキョウは濃艶な目でケーンを見つめる。エッチ抜きで独り寝なんて、久しぶりなんだもん!
「了解。おいで」
ケーンとキキョウは、寝室へ直行した。
「ミレーユ様のアイテムボックス使い放題!
レミ、伯母さんにも生活があるやろ?
これで楽隠居させたり」
すっかり気が大きくなったユリは、ブラックバッグから金貨の入った革袋を取り出した。
「こんなに!」
レミは革袋の中をのぞきびっくり。
「これはウチらが正当に稼いだ金や。
気にせんといて」
ユリは気分よく胸を張る。
ちなみに、ユリが稼いだ額は、ほんのわずかだ。金貨一枚にも届かないだろう。ほとんど解体を手伝っただけだから。
寝室からキキョウのあえぎ声が、盛大に漏れ始めた。
「ケーンは根っからの好きもんや。
それだけは覚悟しときや」
「ど~んとかかってきなさい、ですよ!」
頼もしく応えたレミだった。
この金貨、一度に渡したら伯母さんも困るだろう。
少しずつ渡せばいいか。
まだら蛇にかまれ、レミの世界はすっかり変わってしまった。
サンキューです! まだら蛇様。
今頃一部が伯母の胃袋の中で、消化されているであろうまだら蛇に、感謝の祈りを捧げるレミだった。
寝室から延々と続く喘ぎ声を後に、レミはキキョウの家を辞した。
ゆうべは受け手が二人だった。「ど~んとかかってきなさい」と言ったものの、自信は若干揺らいだ。
ケーンさんに、マンツーマンでかかってこられて、大丈夫だろうか?
死んだ夫も、強い方だったと思うが、ケーンさんは、強さの次元が違っているようだ。
ゆうべは二人がかりで「朝まで」、だったのに、あの調子なら「夜まで」だろう。
ひょっとしたら、二連荘で朝まで?
ちょっと怖いかもしれない……。キキョウさんが、「側室が二人もできてほっとした」という理由、実感を持って納得。
キキョウは、ご機嫌でベッドの三人に声をかけた。
ケーン様が一挙に、二人の女をものにした。
エッチの負担は、かなり解消される。
ウフ…、適度な負担は大歓迎だし。
「おはよう。キキョウ、帰って来たんだね」
ケーンが跳ね起き、ベッドから降りて、大きく腕を広げる。
キキョウは、ケーンの胸に飛び込んだ。がっちりと抱き合い、濃密なキスを楽しむ。
「どなた、ですか?」
レミが布団で裸の胸を隠し、恐る恐る聞く。
「ケーンの正妻や。
あの女に逆らったらあかんで。
トリプルSの冒険者や。
ウチとあんたはあくまで側室。分はわきまえよう」
ユリは苦笑して、そう答えた。側室、ね……。「側」が付いていても、少し前の自分なら、妻というポジションに着く日がくると、想像もしなかった。
くすぐったくもあるが、それほど居心地は悪くない。
「トリプルS。クノイチキキョウさんが正妻か……。
私、ホントにこの家で暮らしていいんですか?」
レミは仕事柄、冒険者はお得意様だ。当然ながら、トリプルSクノイチ・キキョウの勇名は知っていた。
「ケーンの正体知ったら、もっとビビるで。
ケーンはな……」
ユリはケーンの正体を明かす。
ユリの言葉通り、超ビビってしまったレミだった。
四人は食卓を囲み、キキョウ心尽くしの昼食を味わう。食後の紅茶を飲みながら、キキョウが今後のプランを語る。
「これは夜の女王様からのお言葉です。
私はしばらく、夜の王宮で、魔法の修行をこのまま続けます。
レミさんも、いっしょに薬師と錬金術師の修行を積みませんか?
それと、自分で身を守るだけの修行を積んだ方が、いいと思います。
もちろん、女王様かミレーユ様の転移魔法陣で、いつでもここに帰れますから。
私もちょくちょく帰って、ケーン様のお情けをいただきます」
「私も夜の王宮で?」
レミは顔をひきつらせて言う。庶民にとって、ある意味光の女神が治める天上界より、ファンタジーの世界だ。
実体がありながら、全く想像もできない世界、という意味で。
「そうです。ミレーユ様が直接指導にあたってくれます」
「ミレーユ様……。あの伝説の聖神女?
そうか、今でもケンイチ様のおそばにいるのですか。
畏れ多いですが、是非お願いします!」
レミは超乗り気になった。伝説の元聖神女、ミレーユは、実感できる存在だ。薬師見習いである彼女の、究極的な目標だという意味で。
ミレーユ様は、神聖魔法をはじめ、あらゆる魔法のオーソリティーと聞く。薬師と錬金術師としても最高峰だと聞いている。彼女直々の指導を受けるなんて夢のようだ。
「じゃあ、そういうことで。
ケーン様はどうしますか?」
キキョウはケーンに振る。
「当分今のまま、ユリと狩りをする。
スリルがあってなかなか楽しいし。
ただ、足が不便でね。
ブラックとホワイト、ずっとつけてただろ?
足と回収だけでいいから、このまま付いてくるよう言って」
「やっぱりおわかりでしたか。
私から女王様に伝えておきます。
ミレーユ様のアイテムボックスは、自由に使ってくださいとのことです。
では食事を終えたばかりですが……」
キキョウは濃艶な目でケーンを見つめる。エッチ抜きで独り寝なんて、久しぶりなんだもん!
「了解。おいで」
ケーンとキキョウは、寝室へ直行した。
「ミレーユ様のアイテムボックス使い放題!
レミ、伯母さんにも生活があるやろ?
これで楽隠居させたり」
すっかり気が大きくなったユリは、ブラックバッグから金貨の入った革袋を取り出した。
「こんなに!」
レミは革袋の中をのぞきびっくり。
「これはウチらが正当に稼いだ金や。
気にせんといて」
ユリは気分よく胸を張る。
ちなみに、ユリが稼いだ額は、ほんのわずかだ。金貨一枚にも届かないだろう。ほとんど解体を手伝っただけだから。
寝室からキキョウのあえぎ声が、盛大に漏れ始めた。
「ケーンは根っからの好きもんや。
それだけは覚悟しときや」
「ど~んとかかってきなさい、ですよ!」
頼もしく応えたレミだった。
この金貨、一度に渡したら伯母さんも困るだろう。
少しずつ渡せばいいか。
まだら蛇にかまれ、レミの世界はすっかり変わってしまった。
サンキューです! まだら蛇様。
今頃一部が伯母の胃袋の中で、消化されているであろうまだら蛇に、感謝の祈りを捧げるレミだった。
寝室から延々と続く喘ぎ声を後に、レミはキキョウの家を辞した。
ゆうべは受け手が二人だった。「ど~んとかかってきなさい」と言ったものの、自信は若干揺らいだ。
ケーンさんに、マンツーマンでかかってこられて、大丈夫だろうか?
死んだ夫も、強い方だったと思うが、ケーンさんは、強さの次元が違っているようだ。
ゆうべは二人がかりで「朝まで」、だったのに、あの調子なら「夜まで」だろう。
ひょっとしたら、二連荘で朝まで?
ちょっと怖いかもしれない……。キキョウさんが、「側室が二人もできてほっとした」という理由、実感を持って納得。
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