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33 しゃ~ない、嫁になったるわ!

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 その日の夜。レミは久しぶりに男を味わい、初めて女に味わわれた。
つまり、ケーンとユリに、思い切り抱かれた。

すごかった……。ケーンさんも、ユリさんも。

もう動けない。


 レミは採集した素材を持って帰り、伯母は大喜び。

レミはケーンのおかげだと紹介した。命を救ってくれたとも。

伯母はレミの耳元で言った。
「絶対逃がすんじゃないよ!」
その言葉に後押しされ、ケーンの招待に応じた。豪華な家の設備に圧倒された。

ケーンの料理の腕に、胃袋をがっちりつかまれた。

高級な酒に酔った。そして、見た目の若さに似合わない二人のテクニックに、もっと酔いしれた。

「私、もうダメです。ユリさんはいいんですか? 
してもらわなくて?」
 レミはベッドの左側で横たわるユリに言う。

「ウチ、男はまだやねん。
レミはマジで悶えてたな。
そんなに気持ちええもんか?」
 ユリはレミの肩に、おっぱいを押しつけながら言う。

「まだなんですか! 
なんともったいない。
せっかく女に生まれてきたのに。
絶対損ですよ!」    

「損、ね……。ケーン、ウチとしてみたいか?」
 レミの熟れきった体を味わい、二人の交わりを至近距離で目撃し。

性感が高ぶり切ったユリの心は、大揺れしていた。

ケーンと経験してみたい。

「もちろん! ユリがいいならの話だけど。
嫌がる女を抱くのは、俺のプライドが許さない」

「まあ、ええ…かな」
 ユリは照れくさく応える。

レミはケーンの体を乗り越え、位置を代わってやる。

ケーンは熟練の技を、ユリにほどこし始めた。


ユリとレミは、結局朝までケーンに寝かせてもらえなかった。  

 なにせまるまる一日の禁欲。体力的には衰えているが、ケーンは根性で頑張った。


 ユリは自分のおっぱいに重ねられた、ケーンの手をそっとどけた。満足しきったケーンは爆睡中。

 薄い魔力ランプの灯り。まだ外は、朝陽がささない。ケーンの横顔は、あどけなく見える。

 ユリは寝返りを打って、隣のレミに抱き付く。
「ユリさん、眠れないんですか?」
 レミは柔らかくユリを抱きしめる。ユリは不思議な女性だ。女に対する性的技巧は、熟練の域にあるのに、ケーンさんに対しては、うぶな乙女。

「なあ、自分、ケーンの嫁になる。そう言うてたな?」
 ユリはレミの耳元で、そうささやいた。
「はい! 伯母さんに言われちゃいました。
絶対逃がすんじゃないよって。
不純だと思います?」
「不純でもええやん。
ケーンなら、大切にしてくれるて」

「ユリさんは、どうするんですか?」
 レミは言葉にして、嫁になることをはっきり誓った。あの流れで、ケーンはユリに「嫁になる?」と聞くタイミングがなかったし、ユリも「嫁になる」とか「嫁にして」と言わなかった。

「ウチ的には、ケーンを嫁にしたいんやけど……。
どう思う?」
 ユリは半分おどけて、また、半分マジでそう言った。自分が「嫁」に収まるというビジョンが見えない。

「ケーンさんが、子供を産むのは無理ですよ」
 レミは半笑いで答えた。
「まあ、それはそうや。
せやけど、嫁になる、いうんは、そういうことやな……」
「そういうことです。嫁になるとは夫の子を産む覚悟を持つことです。
たとえ子宝に恵まれなかったとしても。
ユリさんは、ケーンさんの子供、産みたくないんですか?」

「どうやろ?
ようわからんわ」

「だとしたら、抱かれるべきでないですね。
まあ、ユリさんとケーンさんの問題です。
おやすみなさい」
 レミはそう言って、抱擁を解いた。

 ウチが母親? ないことは、ないかな……。

 一つだけ言えること。

ケーンとは、もう離れられなくなってしまった。「覚悟」か……。しゃ~ない!
嫁になったるわ!

そう腹を据えたら、ユリはぐっすりと眠りにつけた。
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