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22 関西弁汚染の呪い
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※猫又からのお詫び。
関西弁を使用される方、ごめんなさい!
猫又も関西文化圏の住人です。まあ、自虐ネタということで……。
◇ ◇ ◇
キキョウが追いついたら、ケーンがうずくまっていた。
「怪我をなさったんですか!」
キキョウは、キマイラとケーンの間に立ちふさがる。中ボスと思われる。
お伴魔獣の死体二体と、元冒険者と推定できる部品が数体分。
そして、まだ息がある戦闘不能者が一人、フロアーに横たわっていた。
「なわけないじゃん。
俺の女センサーが変!
絶対女だと思ったんだけど」
ケーンが立ちあがる。
戦闘不能者の、短髪につるん、ペタンの胸部を視認し、ケーンは、自分の能力を激しく疑ったわけだ。
この世界で、髪は女の命と言われる。戦闘の邪魔になろうが、あのような短髪の女はまずいない。
「はあ……」
キキョウは、わけがわからず気の抜けた返事をする。
「キキョウ、確かめてきてよ。
男を助けたら、バイオレットとガーネットに怒られちゃう」
ちなみに、バイオレットとガーネットは、ケンイチの嫁で、ケーンの師匠でもある女戦士だ。
二人の教育方針。
「男は臨死体験の数だけ強くなる。
死んだら死んだやつが悪い」
二人はミレーユの目を盗んで、何度ケーンにお花畑を見せたことか。
ケーンは今のところ、不死身ではない。成長させる必要があることと、両親が孫を望んでいるからだ。
母親がチューで魂気を通わせ、不死身の体を与えたら、子をなすことが不可能となる。
よってケーンは、現在嫁さがしの旅に出ている。
「あの戦闘不能状態の人族ですか?」
キキョウは、油断なくキマイラを牽制しつつ言う。
「ついてるかついてないか、確かめてきて。
センサーは女判定だけど、髪は短いし、つるんぺたんなんだもん!」
「いやです! 他の男のイチモツなんて、触りたくありません」
どこからか謎の声が聞こえた。
ウソつき!
金的キックはお前の得意技だ!
言い寄る男のタマを、十セットはつぶしている。
「私もいやです!」
ようやく追いついたブラックが言う。
どこからか謎の声が聞こえた。
ウソつき!
お前は独身時代、馬っ気が出たら(オス馬が発情すること)メス馬とオス馬の、見境がつかなかった!
何頭オネーペガサスを生み出したか。
ヤッベー!
低くうなっていたキマイラは、脱兎のごとく逃げ出そうとした。
キマイラの魔物の勘が教える。
こいつらヤバいよ!
色々な意味で。
「テメー、逃げんじゃねー!」
ケーンは、キキョウを跳び越えてジャンプ。
キキョウの超人的な動体視力でも、残像しか追えなかった。
ぼとっとキマイラの首が落ちる。
「もうどっちでもいい。帰ろう」
ケーンは肩を落として言い、剣を収める。
「一応確かめてみます」
キキョウは覚悟をきめ、戦闘不能者に近づいた。
「顔はかわいいですよ。
確かに胸では、確認できそうにありませんけど。
え~い!」
キキョウは股間に手を伸ばす。
「ついてません。間違いなく女です」
「あ、そ。さすがに誤差範囲のおっぱいに興味はない。
ブラック、回収が終わったら回復させてやって」
「御意。キマイラスーツ、これは結構金になる」
ブラックは、ほくほくだった。
キキョウは回復魔法の心得がない。一応女のようだし……。呼吸が楽になるよう、レザーアーマーを外してやる。
あれあれ?
ぽよ~ん、ぽよ~ん……。
軟性鎖帷子で押さえきれない、おっぱいがこぼれ出た。
そうか、このアーマー、おっぱいを押さえる仕様なんだ。
普通女性のアーマーは、おっぱいの形に合わせて作られる。意図的におっぱいを隠すよう、何らかの工夫がされているようだ。
このサイズでは、戦闘のじゃまになるのかな?
Fカップはありそう……。
悔しいです!
「ケーン様の女センサー、狂ってなかったようです。
この女のおっぱい、けっこうでかいですよ。
いわゆる『隠し巨乳』です」
「マジで!」
ケーンは光の速さで、女に治癒・体力回復魔法を放った。
なんとなく釈然としないキキョウだった。
「あっ……。
わ~! 自分、めっちゃきれいやん!
ウチの好みや。
好きにして、ええで」
意識を取り戻した女は、キキョウに抱きついた。
「あかん!
キキョウ、そいつから離れなあかん!
そいつ、ヨシモト一族の末裔や!」
「うわ~!
下ネタギャグで、光の女神様を激怒させたという!」
キキョウは、慌てて女を突き飛ばした。
「せや、呪いのユニークスキル『関西弁汚染』の持ち主や!」
ケーンは青ざめた顔で応える。
「ヒヒヒ、あんたらも被召喚者関係だったんやな……。
放せへんで!」
伝説のユニークスキル「関西弁汚染」は、被召喚者とその血筋を関西弁で汚染してしまうという、全く使えないスキルだった。
光の女神は、召喚した吉本景清に、なんの特典も与えなかった。
よってカゲキヨは、史上最弱の被召喚者だった。
いじけきったカゲキヨは、当時の勇者やそのパーティメンバーにとりつき、関西弁で汚染した。
「関西弁汚染」は、とりつかれたメンバーの士気を、著しくダウンさせるという、厄介な特性も持っている。
そして、一度とりつかれた被召喚者や、その血筋の者は、光の女神か、呪いをかけた者が、自発的に解除する以外、その呪いを解けないとされている。
はっきり言えば、超お荷物キャラなのだ。
そして、ケーンとキキョウにとって、いっそう迷惑なことに、その女、ヨシモト・ユリは、筋金入りの百合族だった。
関西弁を使用される方、ごめんなさい!
猫又も関西文化圏の住人です。まあ、自虐ネタということで……。
◇ ◇ ◇
キキョウが追いついたら、ケーンがうずくまっていた。
「怪我をなさったんですか!」
キキョウは、キマイラとケーンの間に立ちふさがる。中ボスと思われる。
お伴魔獣の死体二体と、元冒険者と推定できる部品が数体分。
そして、まだ息がある戦闘不能者が一人、フロアーに横たわっていた。
「なわけないじゃん。
俺の女センサーが変!
絶対女だと思ったんだけど」
ケーンが立ちあがる。
戦闘不能者の、短髪につるん、ペタンの胸部を視認し、ケーンは、自分の能力を激しく疑ったわけだ。
この世界で、髪は女の命と言われる。戦闘の邪魔になろうが、あのような短髪の女はまずいない。
「はあ……」
キキョウは、わけがわからず気の抜けた返事をする。
「キキョウ、確かめてきてよ。
男を助けたら、バイオレットとガーネットに怒られちゃう」
ちなみに、バイオレットとガーネットは、ケンイチの嫁で、ケーンの師匠でもある女戦士だ。
二人の教育方針。
「男は臨死体験の数だけ強くなる。
死んだら死んだやつが悪い」
二人はミレーユの目を盗んで、何度ケーンにお花畑を見せたことか。
ケーンは今のところ、不死身ではない。成長させる必要があることと、両親が孫を望んでいるからだ。
母親がチューで魂気を通わせ、不死身の体を与えたら、子をなすことが不可能となる。
よってケーンは、現在嫁さがしの旅に出ている。
「あの戦闘不能状態の人族ですか?」
キキョウは、油断なくキマイラを牽制しつつ言う。
「ついてるかついてないか、確かめてきて。
センサーは女判定だけど、髪は短いし、つるんぺたんなんだもん!」
「いやです! 他の男のイチモツなんて、触りたくありません」
どこからか謎の声が聞こえた。
ウソつき!
金的キックはお前の得意技だ!
言い寄る男のタマを、十セットはつぶしている。
「私もいやです!」
ようやく追いついたブラックが言う。
どこからか謎の声が聞こえた。
ウソつき!
お前は独身時代、馬っ気が出たら(オス馬が発情すること)メス馬とオス馬の、見境がつかなかった!
何頭オネーペガサスを生み出したか。
ヤッベー!
低くうなっていたキマイラは、脱兎のごとく逃げ出そうとした。
キマイラの魔物の勘が教える。
こいつらヤバいよ!
色々な意味で。
「テメー、逃げんじゃねー!」
ケーンは、キキョウを跳び越えてジャンプ。
キキョウの超人的な動体視力でも、残像しか追えなかった。
ぼとっとキマイラの首が落ちる。
「もうどっちでもいい。帰ろう」
ケーンは肩を落として言い、剣を収める。
「一応確かめてみます」
キキョウは覚悟をきめ、戦闘不能者に近づいた。
「顔はかわいいですよ。
確かに胸では、確認できそうにありませんけど。
え~い!」
キキョウは股間に手を伸ばす。
「ついてません。間違いなく女です」
「あ、そ。さすがに誤差範囲のおっぱいに興味はない。
ブラック、回収が終わったら回復させてやって」
「御意。キマイラスーツ、これは結構金になる」
ブラックは、ほくほくだった。
キキョウは回復魔法の心得がない。一応女のようだし……。呼吸が楽になるよう、レザーアーマーを外してやる。
あれあれ?
ぽよ~ん、ぽよ~ん……。
軟性鎖帷子で押さえきれない、おっぱいがこぼれ出た。
そうか、このアーマー、おっぱいを押さえる仕様なんだ。
普通女性のアーマーは、おっぱいの形に合わせて作られる。意図的におっぱいを隠すよう、何らかの工夫がされているようだ。
このサイズでは、戦闘のじゃまになるのかな?
Fカップはありそう……。
悔しいです!
「ケーン様の女センサー、狂ってなかったようです。
この女のおっぱい、けっこうでかいですよ。
いわゆる『隠し巨乳』です」
「マジで!」
ケーンは光の速さで、女に治癒・体力回復魔法を放った。
なんとなく釈然としないキキョウだった。
「あっ……。
わ~! 自分、めっちゃきれいやん!
ウチの好みや。
好きにして、ええで」
意識を取り戻した女は、キキョウに抱きついた。
「あかん!
キキョウ、そいつから離れなあかん!
そいつ、ヨシモト一族の末裔や!」
「うわ~!
下ネタギャグで、光の女神様を激怒させたという!」
キキョウは、慌てて女を突き飛ばした。
「せや、呪いのユニークスキル『関西弁汚染』の持ち主や!」
ケーンは青ざめた顔で応える。
「ヒヒヒ、あんたらも被召喚者関係だったんやな……。
放せへんで!」
伝説のユニークスキル「関西弁汚染」は、被召喚者とその血筋を関西弁で汚染してしまうという、全く使えないスキルだった。
光の女神は、召喚した吉本景清に、なんの特典も与えなかった。
よってカゲキヨは、史上最弱の被召喚者だった。
いじけきったカゲキヨは、当時の勇者やそのパーティメンバーにとりつき、関西弁で汚染した。
「関西弁汚染」は、とりつかれたメンバーの士気を、著しくダウンさせるという、厄介な特性も持っている。
そして、一度とりつかれた被召喚者や、その血筋の者は、光の女神か、呪いをかけた者が、自発的に解除する以外、その呪いを解けないとされている。
はっきり言えば、超お荷物キャラなのだ。
そして、ケーンとキキョウにとって、いっそう迷惑なことに、その女、ヨシモト・ユリは、筋金入りの百合族だった。
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