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17 ひもヤロー爆発しろ!

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 二週間後、ギルド。

ケーンたちのパーティは、猛烈な勢いでクエストをこなしている。

ギルドの男性職員や冒険者は、こうにらんでいる。

あれって絶対、キキョウに狩らせているよね? 

ブラックも手伝っているだろうが、あの坊やは多分見てるだけ。

なんともうらやましいヒモ生活? 
超悔しいんですけど! あの坊やのどこがいいの? 

彼らの分析は、ほぼ正しかった。狩りはほとんどキキョウが行い、ブラックは解体を手伝うだけだった。

キキョウ的には、深刻な理由があった。伽はせめて夜だけにしてほしい。

狩りをしている方がよほど楽。とんでもテントと結界があるから、隙を見せたらどこでも求められてしまう。

だが、キキョウの体は、もうケーンなしでいられなくなっているのも事実だ。「ほどよい」求められ方は、キキョウ的に大歓迎。


「これでケーンさんとブラックさんは、Cランクに上がりました。
大変申し上げにくいんですが、当ギルドとしては、しばらく仕事を控えていただきたいんです。
他の方の生活がありますから」
 巨乳受付嬢は、視線を落としたままで言う。

ハイレベルのクエストは、ほとんどなくなってしまった。持ち込まれた希少部位も、だぶつき気味となっている。

「ああ……。そうなんだ? 
キキョウ、張り切り過ぎだったよね? 
じゃ、ダンジョンにでも潜るかな。
今後気をつけます」
 ケーンは申し訳なさそうに頭を下げた。


職員と冒険者は思う。やっぱりこいつ、ヒモだったんだ! 

男性冒険者の冷たい目がケーンに刺さる。もちろん、精神的にタフそのもののケーンは、痛くもかゆくもない。

どこのダンジョンにしようかな、なんてことを考えている。

冒険者たちは一様に思う。こいつ、殺してやりたい! 

だが、キキョウのディフェンスを、突破できる自信はまるでない。

ギルドを去るケーンを、歯ぎしりしながらひたすら呪うしかなかった。


 ギルドを出てすぐ、キキョウは思いついた。

 ケーン様は、おっぱい星人だ。あのギルド嬢の胸の谷間、すけべ…情熱的に見ていた。

「ケーン様、さっきの受付嬢なんかいかがでしょう? 
なんだったら私が、お膳立てを整えますが」
 キキョウが提案する。

「あの子ね……。キキョウを抱いてから、全然興味がなくなった」
 キキョウ的には、うれしいやら困惑するやら。

「聞いたことありませんでしたが、ケーン様は私が初めてだったのでしょうか? 
とてもそうだとは思えませんが」
 キキョウは、思い切って聞いてみた。

「人間はキキョウが初めてだよ。
お付きのメイドで訓練したけど、みんな母ちゃんの眷族だから。
父ちゃんの嫁を抱くわけにいかないし。
まあ、すれすれまでは、遊ばれちゃったけど。
あっ、父ちゃんの嫁も、普通の人間でなくなってる。
キキョウ、真剣に考えてほしい。
長生きしたい? 
母ちゃんに頼んだら、いつまでも若くいられるよ」

「あの噂、本当なんですか? 
夜の女王様に血を吸われたら、女王様の眷族になる」
 キキョウは立ち止まって聞く。

「血を吸う? 
あ~、低級のバンパイアは、そうみたいだね。
母ちゃんは、そんな野蛮なことはしないよ。
チューして『魂気』を混ぜるんだ。
俺にも多少はその能力があるけど、母ちゃんにはとうてい及ばない。
せいぜい五百年ぐらい?」

 そうなんです。ケーンの母ちゃんは、純粋種バンパイア族の女王様なのです。

永遠に若いままの。

以前キキョウが「どうやって子供を作ったのだろう」と、考えたことを思い出していただきたい。

バンパイア族は、生殖活動で子孫を増やせないというのは、この世界の常識だ。

その常識は女王以外正しい。

ケンイチの子供が欲しい。ケーンの母ちゃんは、切実にそう感じ、自らの肉体機能を一時変化させた。

そのため、見た目二三歳老けてしまったが、彼女は後悔していない。

おっぱいがでかくなって、ケンイチが超喜んだから。

そして何より、彼女は半バンパイア、半人間の最高傑作を世に生み出した。

ケーンは彼女にとって、なによりの自慢なのだ。

「そうだったんですか。
私の身体能力が、びっくりするほど上がってるのは、エッチのおかげ?」
 キキョウは、能力成長の限界を感じていた。ところが、ケーンと交わるたび、身体能力が上昇していることを、はっきり感じる。

「だと思うよ。どうする? 
不老不死も結構つらいらしいけど」

「もう少し成長するまで、このままでいたいです。
年齢は二十五歳ですが…でしょ?」
 キキョウは、若干はにかみながら、自らのおっぱいに手をあてる。

地球人の血が流れ、また地球人より倍ほど長命なこの世界で、キキョウの体は、まだ少女の印象が濃い。

地球人とは成長、あるいは老化曲線が全く違うのだ。成長はやや遅く老化はかなり遅い。

つまり、若い盛りがたいそう長いことになる。

「チューパイも好きなんだけど、キキョウが望むならそれでいい。
明日にでも悪魔の洞窟にでももぐろうか? 
ガイドブックによれば、結構歯ごたえがあるそうだよ」

「はい!」
 キキョウは満面の笑みで、ケーンにがっちり腕を組んだ。
 よかった! 中パイでもOKなんだ! まあ、形はなかなかのものだし!
 ご機嫌で、中パイをケーンの腕に、思い切り押し付けた。

 女性との接触に慣れ切ったケーンでも、パイパイとの接触は最高にときめく。

 ありえないほどのいちゃラブシーン。通りすがる男どもの視線は、剣呑なものがある。
 でも大丈夫! ケーンの呪詛耐性は、ダイアモンドより固いのですよ。鈍感マイウエイとも言えるが。
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