8 / 170
8 どっちなんだよ!
しおりを挟む
ケーンはキキョウが残した籠を見つけた。
メモを持つ手が震えた。
黒髪黒目?
どっちなんだよ!
残念なことに、ブラックも、この世界では珍しい黒髪黒目だった。
すっかりいじけモードのケーンは、ブラックのファンだとしか思えなかった。
「ケーン様、誰かが応援してくれてますよ。
ガンバ!」
ブラックの思いやりは、涙目のケーンに追い打ちをかけてしまった。
「いいんだも~ん!
美人の女の子とは限らないし!
むさいおっさんかもね!
俺たちが新米冒険者だと知ってるのは、職員と今朝いた冒険者だけだ。
おっさん人口密度、超高かったよね!
おっさん、ほぼ確定!
よかったね、ブラック。
ムキムキどうしの熱い絡み、乞うご期待!」
「お言葉ですが、どちらかといえば、ケーン様の方が……。
いえ、なんでもありません!
なんでもありませんてばぁ~!」
ケーンは風のごとく、森の奥へ走っていった。
俊足のブラックでも、とても追いつけないスピードで。
ケーンの駆け抜けた後には、一撃で撲殺された魔物が、数え切れないほど転がっていた。
初心者向けの青の森だから、大金を得られるハイレベルの魔物はいなかった。
だが、ブラックは、その死体の金になる部位を、せっせと回収して回った。
ブラックは案外貧乏性だった。
青の森最奥部。ケーンは急ブレーキをかけた。大勢が争っている気配。
ひょっとしてチャンス? 救助イベントも定番!
危ういところ、ありがとうございました。
お粗末ですが、お礼に私の体をどうぞ、なんてね、な~んてね!
ケーンは感覚を研ぎすます。
ケーンは肩を落とす。ゴブリンの群れに襲撃されたんだ。
男が……。
ケーンは肩を落として、森から転移した。男を助けるなんて、彼の美学に著しく反する。
それに、戦闘は終わった。ご愁傷様だけど、男に蘇生魔法を使うほどの義理はない。
ちなみに、遅れてケーンの後を追っていたブラックは、五人の冒険者の遺体を、丁寧に葬った。
ブラックは、案外気が利かないが、案外気のいいペガサスだった。
もちろん、遺体をおいしくいただいていたゴブリンたちは始末した。冒険者たちの貧弱な装備や現金、ちゃっかりいただいたこと、付け加えておく。
メモを持つ手が震えた。
黒髪黒目?
どっちなんだよ!
残念なことに、ブラックも、この世界では珍しい黒髪黒目だった。
すっかりいじけモードのケーンは、ブラックのファンだとしか思えなかった。
「ケーン様、誰かが応援してくれてますよ。
ガンバ!」
ブラックの思いやりは、涙目のケーンに追い打ちをかけてしまった。
「いいんだも~ん!
美人の女の子とは限らないし!
むさいおっさんかもね!
俺たちが新米冒険者だと知ってるのは、職員と今朝いた冒険者だけだ。
おっさん人口密度、超高かったよね!
おっさん、ほぼ確定!
よかったね、ブラック。
ムキムキどうしの熱い絡み、乞うご期待!」
「お言葉ですが、どちらかといえば、ケーン様の方が……。
いえ、なんでもありません!
なんでもありませんてばぁ~!」
ケーンは風のごとく、森の奥へ走っていった。
俊足のブラックでも、とても追いつけないスピードで。
ケーンの駆け抜けた後には、一撃で撲殺された魔物が、数え切れないほど転がっていた。
初心者向けの青の森だから、大金を得られるハイレベルの魔物はいなかった。
だが、ブラックは、その死体の金になる部位を、せっせと回収して回った。
ブラックは案外貧乏性だった。
青の森最奥部。ケーンは急ブレーキをかけた。大勢が争っている気配。
ひょっとしてチャンス? 救助イベントも定番!
危ういところ、ありがとうございました。
お粗末ですが、お礼に私の体をどうぞ、なんてね、な~んてね!
ケーンは感覚を研ぎすます。
ケーンは肩を落とす。ゴブリンの群れに襲撃されたんだ。
男が……。
ケーンは肩を落として、森から転移した。男を助けるなんて、彼の美学に著しく反する。
それに、戦闘は終わった。ご愁傷様だけど、男に蘇生魔法を使うほどの義理はない。
ちなみに、遅れてケーンの後を追っていたブラックは、五人の冒険者の遺体を、丁寧に葬った。
ブラックは、案外気が利かないが、案外気のいいペガサスだった。
もちろん、遺体をおいしくいただいていたゴブリンたちは始末した。冒険者たちの貧弱な装備や現金、ちゃっかりいただいたこと、付け加えておく。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる