僕が玩具になった理由

Me-ya

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たどりついた道程-逃避の章-

20

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「…とりあえず、この場所はすぐバレるだろうな…」

「…分かってる…本当は明日にでも、別の場所に移った方がいいんだけど…」

あの場所から咄嗟に着の身着のままで逃げてきたからお金は勿論、洋服さえ持ってない。

「まぁ、金は俺が…」

「…僕は行かない」

俺と和巳がこれからの事を相談していると、優紀が話に割り込んできた。

「…僕は帰るから」

俺は両手と両足を縛られてベッドの上に寝かされている優紀を睨んだ。

―手当てをしている途中で気付いた優紀が帰ると騒ぎ始めた為、仕方なく両手、両足を縛り…それでも帰ると言い張る優紀を、俺達の目の届く場所に置いておかないと安心できないと主張した俺の意見に和巳も渋々と同意して今に至る。 

「駄目だ。優紀は俺と一緒に来るんだ」

「嫌だ。僕は帰る…兄さんに約束したんだ。ずっと、一緒に居るって」

「…それで?…またあの場所で見せ物になるのか?…分かっているのか!?お前の犯されている姿を見て、あいつら…笑ってたんだぞ!!それなのに…」

「僕の事は放っておいて!!」

優紀の大きな声に、俺はもちろん和巳までもが驚いたみたいで、目を大きく見開いて優紀を見た。

「…あれは…僕も納得している事だから…」

(納得だって…!?)

「…それより、眞司こそ…まさ…一緒に住んでいる、す、好きな人がいたんじゃないの?」

(…一緒に…?雅樹の事か…?)

優紀の言葉に、逃げてきた…記憶の底に押しやろうとしていた屈辱的な日々を思い出す。

(…だいたい…どうして優紀が雅樹の事を知っているんだ) 

「…好きじゃない、あんなヤツ」

吐き捨てるように言った俺に対して優紀は…なんだろう…複雑な、何とも言えない顔をした。

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