僕が玩具になった理由

かりそめの日々の鎖－雅樹の章－

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結構、簡単だったな。

簡単に騙されてくれた。

あんなに簡単に、ボクの涙に騙されるなんて。

笑っちゃうね。

ボクがストーカーに…？

自分で言ってて、吹き出しそうになっちゃったよ。

ま、人につきまとった事ならあるけどさ。

この前の男性はノイローゼになって、入院したって聞いたな…。

その前は確か、引きこもりになったんだっけ…。

確か、今も外に出るのを怖がって家から一歩も出られなくなっているとか………。

…う～ん…もったいない事をしちゃったよ。

結構、気に入っていたんだけどな。

でも、ま、しようがないよね。

ボクのモノにならなかったんだからさ。

せっかく、ボクのコレクションに加えようと思ったのに。

………しかし、彼もチョロいよね。

ボクのあんな芝居に騙されるなんて。

噂じゃ、そうとう遊んでるって話だったけど。

悪ぶっていても、大した事ないって事か。

明日からの約束も取り付けたし、この分じゃ思っていたよりも簡単に落とせそうだな。

…それにしても可哀想なのは、あのペットちゃんだね。

彼の為に実家を出て彼に尽くしているのに、独り暮らしだなんて言われちゃってさ。

本当は、一緒に住んでいるのに。

…報われないね。