檻の中

Me-ya

文字の大きさ
上 下
15 / 20

14

しおりを挟む
-だんだん蓮が無口になっていく。

それは分かっていた。

早くフォローしなければいけない。

それも分かっていた。

でも、勇士に呼び出され、勇士といる時間が長くなっていく。

それと比例して、蓮と二人きりになる時間は少なくなっていく。

何とかしなければと気ばかり焦るが、時間がとれない。

………甘えもあったと思う。

蓮なら、訳を話せば許してくれると。

今までは、俺が蓮を甘やかしていたと思っていたが。

本当は違う。

俺が蓮に甘やかされていたんだ。

その事に気付いても、もう遅い…………………………。

……………………………………………………。

…………………………。

……………。

-その夜。

「……うぅ……くうぅ………っ!!」

「…いいよ……もっと締めて……っ…もっと……そう…やればできるじゃない…いいよ……いい……っ!!」

俺はいつものように勇士に呼び出され、勇士の部屋の勇士のベッドの上、全裸のまま四つん這いになり勇士のモノを受け入れて、勇士の動きに合わせて腰を振っている。

限界が近づいた勇士が叫ぶ。

「…ああ……っ……イクよ……イク………ッ!!」

俺は唇を噛み締め、自身の奥で勇士の欲望を受け止めた。

勇士は一旦、俺の身体から離れたが………これで終わらない事は今までの経験で分かっている。

「…さ、今度は正面からヤルよ」

勇士に奉仕する為に仰向けになり、腰を浮かせて両足を広げ、勇士のモノを正面から受け入れ俺は萎えている自分自身に手を伸ばす。

-前に俺の萎えているモノが気に入らないと薬で無理矢理、勃起させた状態で一晩中、鞭打たれた事があってからは自分で扱いて勃起させる事にしていた。

…早く勇士から解放される為には、なるべく勇士を刺激せず、大人しく勇士の望むままにしなければならない………それがどんなに屈辱的であっても。

(反抗しなければ、すぐ飽きる………今は新しい玩具を手に入れた感覚で面白がっているだけ…飽きるまでの辛抱だ………)

「…遙香ってば、もうすっかりボクの身体に馴染んじゃって、ボクの女になっちゃったね」

(………誰が………っ!!)

俺は自分のモノを両手で上下に扱き、必死に勃たそうとしながら心の中で罵倒する。

(誰がお前なんか………っ!!)

パンッ!!

左頬を叩かれ、顔がぶれる。

「ほら、ボクの女になる事ができて嬉しいって言えよ!!」

屈辱的なその言葉を何度も言わされる。

何度も………何度も………。

まるで俺に思い込まそうとでもするように………。

俺はその言葉を口にする……何度も…何度も…。

前にその言葉を拒否した時、勇士と直人にバスルームに連れて行かれ、身体を押さえつけられ細く長いタワシを俺の中に突っ込み、擦り始めた事がある。

タワシで中を擦られる痛さに俺が泣き喚いても止めてくれなかった。

「ボクの女になりたくないって言うのなら、ボクが出したモノを掻き出して綺麗にしてあげるよ。それが嫌ならボクに謝って。ボクの女になりたいって頼むんだね」

我慢できない痛さに、俺は泣きながら勇士に謝り、頼み込んだ。

それからは勇士の言うがまま……………。

心を殺して勇士に逆らわなければ……このまま………。

「……いいよ……もっと…っ…締めて……腰を振って……そう……いい……っ……遙香の中サイコー……気持ちいい……直人……直人………凄い……気持ちいい…蓮もバカだね……っ……こんないい身体を放っておくなんて………っ!!」

勇士が鼻息も荒く腰を振り続けていた下で、俺は足を広げ、自分のモノを勃たせようと必死に扱いていた。

そうしないと勇士から解放されない。

早く勇士から解放されて、蓮のところに戻らなければ………。

その時。

カタンッ。

かすかな物音が聞こえ、俺は自分自身を扱きながらも音が聞こえた窓の方に視線を向ける。

すると。

そこには。

(………蓮……………っ!!)
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

被虐趣味のオメガはドSなアルファ様にいじめられたい。

かとらり。
BL
 セシリオ・ド・ジューンはこの国で一番尊いとされる公爵家の末っ子だ。  オメガなのもあり、蝶よ花よと育てられ、何不自由なく育ったセシリオには悩みがあった。  それは……重度の被虐趣味だ。  虐げられたい、手ひどく抱かれたい…そう思うのに、自分の身分が高いのといつのまにかついてしまった高潔なイメージのせいで、被虐心を満たすことができない。  だれか、だれか僕を虐げてくれるドSはいないの…?  そう悩んでいたある日、セシリオは学舎の隅で見つけてしまった。  ご主人様と呼ぶべき、最高のドSを…

【完結】運命さんこんにちは、さようなら

ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。 とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。 ========== 完結しました。ありがとうございました。

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

若頭と小鳥

真木
BL
極悪人といわれる若頭、けれど義弟にだけは優しい。小さくて弱い義弟を構いたくて仕方ない義兄と、自信がなくて病弱な義弟の甘々な日々。

真冬の痛悔

白鳩 唯斗
BL
 闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。  ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。  主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。  むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

処理中です...