学生時代

8.泣かないで、マイ･ラブ

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でも。

だから。

分かる事がある。

神田寧音の瞳の奥に見えた青白い嫉妬の炎。

治夫に対する独占欲。

治夫に近付く者は女性も男性でも許さないという独占欲という名の嫉妬。

－危険。

治夫以外は見えていないような…危うさ。

－神田寧音は危険。

ギリギリに堪えているものが…少しの刺激でバチンと弾けるような…そんな危うさがある。

あの危険性に治夫は気付いていないのだろうか…?

そんなこと、ある？

私が気付いているのに?

あの治夫が気付かないなんて………。

………でも、昔からの知り合いだから…近すぎて…反対に気付かないってことはあるかも…?

………確かに。

ありえる。

－でも、大丈夫。

私が気付いたから。

私が守る。

私が治夫を………。

神田寧音から治夫を守る。

私が………。

－この時､私は気が付いていなかった。

私の瞳の奥にも青い炎がチロチロと燃え始めていたのを。

独占欲という名の嫉妬。

神田寧音と同じ青い炎が。