学生時代

Me-ya

文字の大きさ
上 下
150 / 151
8.泣かないで、マイ・ラブ

20

しおりを挟む
-でも。

時間が経ち、少し冷静になってみるとそれはそれでいいかもしれない…そう思い始めていた。

いや、治夫が男性(隼人って人が男性だとして)を好きって聞かされた当初はショックで…いや、今もショックだし、今も頭の片隅で隼人って人が女性かもしれないと思っているし…思いたいと思っている(ややこしいな)私がいる。

でも。

それとは反対に。

-いいじゃない。

そう思っている私もいる。

-いいじゃない、その方が。

治夫が隼人って男性を好きなら…。

治夫は神田寧音を選ぶことはない。

神田寧音だけじゃない。

他のどんな女性も選ぶことはない。

付き合うことも。

結婚をすることも。

治夫が選んだ女性の横で子供を抱いて幸せそうに笑う姿を見ることもない。

私が治夫に選ばれることもない代わりに。

私以外の女性も選ばれることはないって事だから。

私が選ばれないのなら…。

他のどんな女性も選んで欲しくはない。

…私の中にこんな独占欲があったなんて…。

治夫を好きになるまで知らなかった。
しおりを挟む

処理中です...