学生時代

Me-ya

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7.いつか、君の声が

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-とはいえ、(寧音にはああ言ったものの)多少の不安がないわけじゃない。

確かに…寧音が言った通り、病院を退院した治夫から僕に連絡はなかったし、今まで朝、登校の途中で必ず治夫は僕を待ってくれていたのに、それもなかった。

治夫が僕に会いに来なくなると、僕は途端に1人になる。

僕とは違う教室にいるのに治夫は、昼休みや放課後、短時間しかない授業の合間の休憩時間まで僕に会いにきた。

だから、あまり気にした事はないけど。

治夫が僕に会いに来なくなって…その事に今更ながら気が付く僕も、どうかなって思うけど。

今ではどうやって休憩時間をひとりで過ごしていたかも…暇を潰していたかも、思い出せない。

…僕が治夫の教室へ行けばいいんだろうけど。

いや、行くつもりだったけど。

『治夫は隼人に会いたくない』

寧音に言われた言葉が頭を過る。

別に寧音の言葉を信じているわけじゃないけど…。

…治夫が僕に会いに来ないなんて初めての事だから。

治夫に告白をしようと決意した気持ちが、寧音に言われた言葉に揺らいでしまう。

こんな…いつも僕が落ち込んでいる時、いつの間にか傍にいて励ましてくれていたのは治夫だったのに。

(治夫に会いに行って、本当の気持ちを聞かなくちゃ…)

と、思っていても………なかなか治夫の顔を見る勇気がなく……。

気ばかり焦って1週間が経った-その日。

治夫の噂を聞いた。

高校を卒業すると、この街を出てK大学を受験するという………噂。

-それは以前、僕に話してくれていた地元の大学とは違う…県外の大学だった。
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