学生時代

Me-ya

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4.青空と、うわの空

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「変態」

………………………………………………へ?  

寧音に付いていった先は、誰もいない視聴覚室。

振り向いたと同時に投げ付けられた言葉に、意味がわからず目を瞬かせる。

寧音が僕を睨み付けるその眼は今まで見た事がないほどつり上がっていて、まるで鬼の…ゲフンゲフン、せっかく可愛い、優しい顔が恐い顔に…ゲフンゲフン…。

「男同士なんて、汚いし気持ち悪い」

腕を組んで僕を睨み付ける寧音に言葉を失う。

「…寧音…」

「呼び捨てにしないで。いい?堕ちるなら独りで堕ちて。治夫を巻き込まないで」

寧音は言いたい事を言うと、呆けている僕をそのままに視聴覚室から出ていった。

…何だ…今の…?

あれは本当に、僕の知っている寧音か?

まるで別人だったぞ。

あまりの寧音の変わりように言い返す事も忘れて、呆然としているしかなかった僕は視聴覚室を出て、ポテポテと教室に向かっている途中から段々、腹が立ってきた。

どうして僕が寧音に変態なんて言われないといけないんだよ。

変態は治夫の方じゃないか!!

まるで僕が治夫を…ゆ、誘惑したみたいに。

冗談じゃない!!

治夫の方から僕に、こ、告白してきたんだからな!!

そうだよ!!

告白されて迷惑しているのはこっちだっつーの!!

大体、そういう事は治夫本人に直接、言えよな!!


まったく!!

怒りが収まらないまま、プリプリしつつ教室に戻ると、治夫が僕の机の上に顔を伏せて寝ていた。

ムカッ。
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