学生時代

Me-ya

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3.雨やどりの教室で消えた初恋

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その時から治夫は確かに、以前みたいには僕の前に現れなくなった。

…確かに、現れなくなった。

………が!!

僕から距離を置いた場所で治夫の姿を見るようになった。

登校する道筋で。

教室にいる休み時間。

廊下を歩いている時や。

昼休みに食堂で昼食を食べている時。

下校する時。

休日に遊びに出かけた日など。

誰かの視線を感じて辺りを見回すと必ずそこに治夫が居て、物陰から僕をじっと見詰めている。

偶然なんかじゃない事はわかっている。

おまけに今までみたいに言葉をかけてくるでもなく、ただ僕を見詰めているだけ。

何だってんだ、全く…!!

治夫としては物陰からそっと見詰めているつもりだろうけど、目立つんだよお前は!!

っていうか。

お前は、僕のストーカーかっ!!

何度、文句を言ってやろうかと思った事か。

しかし、僕の方もはっきりと寧音と別れていないという弱味もあり、治夫に文句を言って反対に早く寧音と別れろと言い返されるのも恐くて文句を言えないでいる。

………そう。

あの時は勢いで僕に遠慮せずに………なんて言っちゃったけど………本音を言えば遠慮してほしい。

寧音と別れたくない。

そう。

女々しい男なんだ、僕は。

だって、初恋だったんだ………。
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