うそつきΩのとりかえ話譚

ちゅうじょう えぬ

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二章

20家族

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 雪の帽子という可愛らしい表現では済まないくらい堆く雪を積んだ立て札をトキが突然蹴った。
「お、おい、乱暴はよせ」
「見てみろって」
 トキに足蹴にされてボトボトっと雪を落とした立て札に文字が現れる。
「『大木小獬』……獬に着いたのか!」
 に、と笑うトキの歯が雪に負けないくらい白く光る。
 今日は快晴だった。まるでヒヨクの訪れを、トキの帰還を歓迎するかのように雪雲が姿を消して、数日ぶりに青空が広がっている。
 ヒ、ヒ、と特徴的な鳥の鳴き声が聞こえて顔を上げる。ここまで白樺ばかり見てきたので思いがけず緑の茂った樹木を見つけて感心する。
「あー、ルリビタキかな多分。オスは尾羽が青い小鳥。知らない?」
「その鳥は知らぬが、青い鳥なら吉兆だな」
 晴れの青空、青い鳥。良い兆しが続くとそれだけ気分が良くなる。
「何かご機嫌だな?」
「赤は、セイシンでは治世の色だ。治世とは世が乱れぬよう能く治める事を言う。故、何かの『兆し』であってはならぬのだ」
「ん、ん?」
 どうしてそんな話を突然始めたのか分からない、という顔をする。その素直な反応が可愛くて、ヒヨクは笑って続ける。
「赤は常に当たり前にある色でなければならぬのだ。が、青は吉兆だ」
 トキの目を覗き込むと緑の瞳の中に浮かれたヒヨクの顔が映る。
 トキの緑は少し不思議な風合いをしている。光が差し込むと黄みがかって単なる緑ではなくなる。柔らかなうぐいすの羽の色だ。実物を見た事は無いが掛け軸に描かれた淡い緑の鳥の姿を連想する。
「お主の『緑』という色はな、比較的新しい言葉なのだ。昔は緑を青と呼んでおった。トキの目は大昔ならば『青色』という事になるな」
「えー? 俺の目は緑だろ。何かこじつけっぽいし」
 鶯色の目の縁が潰れて歪む。不可解だという作った表情に、楽しくてたまらないという赤が映って笑っている。
「さ、まずはお主の実家だな。案内せよ」
「へーへー、王子様の仰る通りに」
 立て札から石段が続き、左右に柵がしてある道を行く。すぐに急勾配の茅葺の屋根が見えて「おお」と感動の声を上げる。
「あのさヒヨク、前にナラの林の……」
「何だ? 遠慮なく申せ」
「いやーやっぱいいや。俺んちすぐそこだから。今日はご飯食って、明日邑長んとこいって『先生』の事聞きに行くか」
 トキがすぐと言う時は実はそんなにすぐではないと旅で学んだ。トキのすぐの範囲は実に広い。おおよそ三十分くらいまでは許容する。ヒヨクの感覚で言えばせいぜい五分、譲っても十分といったところだ。都と田舎では流れる時間の感覚が違うのかも知れない。
 予想通りおよそ二十分歩き続けて見えた三角屋根の背の高い家屋。家の周辺には雪囲いという雪から家を守るための仕掛けがしてあり、戸口の前にまで掛けてあった板を外してトキは戸を開けた。
「ただいまー、親父ー、母さん、トーサ、トーウ」
 トキは家族全員の名を呼び自身の帰宅を知らせる。ここがトキの実家なのだと思うと出迎えの声が返ってくるまでの僅かな間で緊張が高まっていく。
(何故、俺はこんなに胸を逸らせておるのだ……?)
 期待と不安のその中間の辺りで心が立ち往生している感覚だ。トキの家族に会ってみたいが、それ以上にトキの家族が自分を見た時の反応が気になるらしい。自分を認めてもらえるだろうか、という思いが不安につながっていくようだ。
「お帰りトキ」
 男の声が聞こえてどきりとする。
 トキの実家は思ったよりも広く造られており、大きく分けて三つの部屋がある。一つは両親、一つは子供たちの部屋。残りは家族団らんの居間だ。居間から厨が続きになっており、その先に勝手口があった。
 最初にトキを出迎えたのは彼の父親だ。トキとはあまり似ておらず柔らかそうな癖毛と猫背が温厚そうに見える。次に居間の方から少女が二人飛び出してこようとしてすぐにヒヨクの存在に気付いて父の背中にべったりと張り付いて止まった。くりくりの緑の目がヒヨクをうかがうようにじっと見上げてくる。
「あ、俺は、怪しい者では」
「ふはっ、かえって怪しい言い方だって。親父、紹介は母さんも揃ってからするから。母さん帰ってるだろ?」
「ああ、ああ、帰ってきたんだよ~! さぁほらお上がり。そちらさんもどうぞどうぞ、汚い所ですが」
「ふむ、では世話になろう」
 トキとは似ていない目尻が垂れ下がった父親の目がぱちっと瞬いて、それからトキを見遣る。何かおかしな事を言ったろうか。父親はトキに背中を押されて無理矢理居間の方に連れて行かれた。
 居間に向かうと最後の一人、トキの母親がお茶を飲んでいるところだった。
 ヒヨクは自分の目を疑った。ぎゅっと目を閉じもう一度椅子に座る女を見るがやはりその姿は変わらない。
「トキ、あの女性は、番候補せ――」
「あああぁぁっ!!! っと荷物! そう、荷物片づけてくるから、母さんお茶用意しといてよ! ヒヨクは片付け手伝ってくれ、な?」
「あ、ああ分かった」
 よくは分からないがトキから物凄い圧を感じてヒヨクは首を縦に振る。トキに腕を引かれて寝所らしき部屋の片方に入ると音を立てて戸が閉められた。
「ヒヨク、ごめん忘れてた! っていうか忘れてくれ!」
 ばちん、と痛そうな音を立ててトキがヒヨクに向かって手を合わせる。灯りもつけずに拝んでくるその勢いに圧倒されて思わず体を後ろに引いた。
「母さんが候補戦に居たの黙っててくれるか?」
 その一言で漸くトキの行動にピンとくる。そして居間で茶を啜っていたあの女性がやはりヒヨクの見間違いではなく、候補戦に参加していたオメガだと確定した。寧ろヒヨクにそっくりな外見で、思えば性格も似ていたような気がするのに、ここまで二人の血縁関係を疑ってこなかった自分の鈍さが恥ずかしい。
 夫も子供もある身で候補戦に参加していたのには訳があるのだろう。概ね事情には察しがつくのでしっかと頷くと、トキがほっと胸を撫でおろす。ここまでたくさん助けられてきた旅道具を片付けてから居間へ戻る。

 視線が四つ分、いっぺんにヒヨクに向かって飛んでくる。特に双子の姉妹の視線にはよほどヒヨクが珍しく映るのかはっきりと好奇が宿っているのが分かる。
「あー、えっと、紹介するよ。この人はヒヨクって言って都で出来た友達。旅してて、獬に行くってんで一緒に連れてきた」
 友達という表現が頭の中で引っ掛かっていく。確かに旅の最初に自分がそう言った。トキは間違っていない。
「あらそう、お友達なのね」
 トキの母親に笑いかけられてドキッとする。思考が留守になっていたせいで、咄嗟に笑顔が引きつるのが自分で分かった。
「ヒヨクと申す。暫く世話になる」
 ヒヨクが喋ると、トキの母は一瞬キョトンとしてすぐに笑顔に戻る。
「あなたたちお腹空いてるわよね。少し早いけどお夕食作っちゃうから」
 トキの母――名は確かケイだ――は忙しなく厨の方に行ってしまった。せかせかしている感じや行動が早いところなどしっかり者のようだ。父親が温厚そうなので丁度釣り合いが取れるのだろう。
「ねぇ」
 いつの間にか隣に来ていた妹たちにぎょっとする。トーサとトーウだ。
 髪型は互い違い、服は色違いにしてあるが、それでも誤魔化すのが難しいくらいそっくりだ。ヒヨクとヒオも自分たちには分からないが他人からすればこう見えているのかも知れない。
 左下がりのぱっつん髪がトーサで、右下がりがトーウのようだ。
「ヒヨクさんはお兄ちゃんの友達?」
「ああ、そうだな。トキは俺の友だ」
 さっきの事があったので、今度は不意打ちの質問にも上手に笑って答えられた。
 トキと自分は友達。間違いはない。
「ヒヨクさんお話しの仕方変わってる」
「変わってるー」
「なーやっぱこいつの話し方変わってるよなー?」
「うんー」
「うんー」
 双子の純粋な疑問に混ざってトキが援護射撃してくるのでヒヨクはあわあわしながら「そうだろうか?」と答えると何故か双子がキャッキャとはしゃぐ。人見知りしていたのはほんの最初だけで、慣れてしまえばどこかトキに似た図々しさがあって可愛らしい。
「うちの息子、がさつで大変でしょ。おたくは何だか良いとこの生まれみてぇだから、こいつが何かしでかしたら遠慮なく言ってやってください」
「うむ、確かにトキは大雑把なきらいがあるが気遣いを忘れぬ男だ。旅慣れぬ俺にとてもよくしてもらった」
 親の前だから世辞を言っている訳ではない。心からトキは優しい心根をしていると思っている。
 息子を褒められて照れ臭そうに父親が頭を搔く。
「獬は貧しいし人も少ねぇ。同世代の友人ってぇだけで貴重だから、これからも息子とどうか仲良くしてやって下さい」
「無論だ」
 しっかと頷いた。

 大した物は無いと言って出された料理は小麦麺の入ったミルクスープだった。肉がごろごろしていて、野菜は少ないが細かく刻んだものが入っている。
 北の主食は小麦と芋だ。他にはとうもろこしがある。とうもろこしは芯を乾燥させて燃料にも使うそうだ。
 大胆にぶつぎりになった羊の肉を何とか口に入れて、
しばらくもごもごする。干し肉なので肉汁が溢れてくる事はないが食べごたえは十分すぎるほど。
 王宮ではこんなに食材が大きいままで出てくる事はまず無かった。食材を細かくする理由は、火の通りを良くするためと毒を入れていないという証明と、体が弱いヒオでも食べやすいようにという工夫だ。
 ふと隣に座っているトキがぼうっとスープの器を見ている事に気付く。
「トキ?」
「あ、いや……なぁ母さん、もしかして都から人が来たりした?」
 トキの母が思い出したと手を叩く。
「そうなのよ! このたくさんある食料もあなたのお陰よトキ! 都で頑張ったのねぇ。心配してたのよ? あんた無茶ばっかしてたから」
 そう言えばそんな指示をシカに出していたのをヒヨクも遅まきながら思い出した。
「おかしい事言うなぁ、母さん。それじゃまるで候補戦を見てきたみたいじゃねぇか!」
 父親が笑いながら指摘すると母子が見事に音を立てて石像と化す。一体彼女はなんと言って候補戦に出ていた間の事を説明したのか気になった。
 一部でぎくしゃくしながら進んだ食事は全体的に見れば和やかに終わっていった。
 食事の後は腹ごなしに少し歩きたいと言って外に出た。
 数日ぶりに満腹になって少し眠くなってきた頭に、寒風が横槍を入れるように吹き抜けていく。
「友達、か」
 旅の始まりに自分で言った台詞を思い出す。
 ――これからそなたと俺は友だからな。
 深く考えて出した言葉ではなく、トキが気負わないようにと思って言った事だった。それが時を経てまさか自分を苦しめる事になるとは思わなかった。
 何故、自分はトキの事を友だと思う度に苦しくなるのだろう。
「友達が何だって?」
「うわぁっ!」
 外套の合わせを握り締めて思い切り飛び退く。
「うわぁ、なんて言うんだなヒヨクって。にしても驚き過ぎだろ」
 後ろ手に戸を閉めてトキが隣に並んでくる。
「ありがとな、話合わせてくれ」
「俺は何もしておらぬ」
「こういう時は、どういたしまして、でいいんだよ」
「ど、どういたしまして」
「そ」
 トキが笑うと凛々しい眉毛の眉尻がなだらかに下がって小さな山を描く。穏やかで気を許していると分かる、ほっとする笑顔だ。笑顔の源は、きっとこの急勾配の屋根の下で育まれてきた。
「トキの家族は良いな。俺は好きだ」
「すっ、あ、そう? 妹なんてマセてっから俺と親父はしょっちゅうやり込められてるけどな」
「それが良いのだ。女が強い家は良い家だと聞いた事がある」
「誰に聞いたんだっつの」
 はあーっ、と両手に息を吹きかけながら「ヒヨクの家族は?」と聞き返される。
「母上は繊細な人だ。オメガだからな。控えめで、侍女に辛く当たったりなさる姿を一度も見た事がない」
「じゃあヒヨクはお母さん似だ」
「そうなのか? 俺は繊細だろうか」
「いやー……どっちかと言わず鈍感かなぁ」
「ぬ。失礼な」
 他愛ない軽口にややして二人で笑い出す。
「トキは、この国の王というものをどれくらい知っておるか?」
「悪い、全然。政になると俺全く頭が働かないんだよな」
「ふ、良い。俺も幼少の時分はそうであった。先代はベータである事を隠して王位についたので、父上は漸く生まれた大望のアルファの御子だった。その期待は計り知れず常に圧し掛かる重圧の中、懸命に国を良くしようと努めてこられたが、我が子はアルファが生まれないばかりかオメガとベータの双子だった。その当時既に限界が近かったか、或いは疾うに限界を迎えていたのか……俺が怪我をしたのをきっかけに、父上の中の均衡のようなものが崩れたのであろう。お心を失くされてしまったのだ」
 政の事は分からないと言いながらもトキは真剣に話を聞いてくれる。その真摯な気持ちが、面映ゆくも嬉しいと感じる。
「恐らく廷臣らから次の世継ぎを決めろと急かされている。ヒオは何かを知っておるのかも知れぬが……いや、すまぬ。家族の話であったな」
「いいよ、別に。ヒヨクが家族の話をしようとしたら、その、政とかがどうしても切り離せないって事なんだろ、多分」
「そう、なのかも知れぬな」
 はら、はら、と綿のような雪が空から落ちてくる。夕暮れ時、真っ白な雪は完全には茜に染まらず、ほの青白い光を照り返し不思議な風合いを織りなしている。
「あんたの兄弟は? 俺、ちょっとしか話さなかったけど、割と、こう、積極的っつーか……あれはびっくりしたなぁ」
 何かを思い出しているらしく、声が尻すぼみになっていく。
 トキとヒオが会って話をした時というと候補戦最後の試験『相』の事だろう。あの『相』の試験ではヒオが突然、候補者を自分で見てみたいと言い出してあのような形になった。オメガの匂いを誤魔化す香を焚き、万が一のためにヒヨクは脇の紗と玉暖簾の向こうに隠れていたが、突然ヒオが本当に『相』の試験をやると言い出して――。
「はっ、あ、あれは! あれは、ヒオの悪ふざけだ!! あんなもの、俺は使ってはおらぬぞ!?」
「ばっか! 誰もあんたが使ってるなんて言ってねーだろ! 想像させんなよ!」
「想像するな、不埒者!」
 火が付いたように言い争って互いに不毛と悟って黙る。顔が熱い。
 ヒオの持っていたものは張型だ。男性やアルファの外性器を模した、つまり、一人用の道具である。
「……ヒオは、好奇心が旺盛なのだ。何にでも興味を持つし、昔から恥じらいというものを知らん。その上策略家で、俺はよくヒオに泣かされてきた」
「へぇ? 泣いたの? あんたが?」
「子供の頃の話だぞ? 十を数える頃には俺とてヒオとの戦い方を心得ておったわ」
「どう戦うんだよ?」
「逃げる」
「ふはっ」
「悪いが、体が丈夫なのが俺の取り柄だからな」
「そういやあんた寒さ慣れしてない割に、風邪も引かずによくここまで辿り着いたよな」
 まるで自分の妹たちにするように、「えらい、えらい」と言って頭を撫でられる。他人に見られたら火を噴いて倒れそうなほど恥ずかしいやり取りだが、拒絶しようという気にまるでならないのでそれが本心だ。
「さ、て。そろそろ俺は限界だわ。ヒヨクも中入ろうぜ」
「ああ。後少し、雪を見てから戻るとする」
「待ってるよ」
 ヒヨクの撫でていた手が耳の辺りを僅かに掠めて遠ざかっていく。その手付きと温もりが、名残惜しい。
 トキの心に決めた人とやらも、ああして彼の手に慈しまれるのだろうか。顔も姿も性別も分からない誰かとトキを想像して胸に嫌なものが湧いてくる。『あめふり屋』でトキがツキヒを助けたのを見てしまったあの時と同じで、そしてあの時よりももっと強く焦れるような苦しいようなもので呼吸が詰まる。
 は、と息を吐き出すと真っ白な息が空気を染めては消えていく。その白さと一緒に、自分の中にあるこの何だか上手く形になりきれないものも塗りつぶしてくれたらいいのに、と思った。
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