うそつきΩのとりかえ話譚

ちゅうじょう えぬ

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一章

6第一の試験

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「それではこれより、『仁』の試験を行う」
 宿舎を出て少し進んだところにそれはそれはたいそうな庭があった。
 季節は晩秋。獬はとっくに冬支度だが、国の中央に位置する火の大邑の辺りは雪が降るにはまだまだ早い。
 庭には多くの種類の花が咲き乱れ、或いは低木が紅葉し、秋の景色の全てをここに閉じ込めてしまったかのように賑やかな景観を作り出している。
 ここが『仁』の試験を行う会場だ。庭の中央に台が並べられ、花瓶が候補者の数だけ用意されている。それだけ見れば誰の目にも試験の内容は明らかだった。
「花を生けよ」
 無論、そのための花瓶だろう。しかし官僚はそれ以上の説明は加えず庭を去っていく。例えば制限時間であるとか、花瓶に生ける花のお題であるとか、そういったものには一切触れられなかった。昨日のように質問をしたところで教えてはもらえないだろう。
 トキは適当な花瓶を一つ選んで庭を散策し始める。
「やあおはよう、田舎者くん」
「俺はトキ。来ると思ったぜ茶髪」
「あはは茶髪ね。一応赤毛なんだけど俺の髪色は汚いからなぁ」
 一本垂れ下がった前髪をつまんで横に流すそいつは、昨日食堂で話しかけてきて候補者についてべらべらと好き勝手に喋り倒していたあの男だ。ほとんど茶色にしか見えない髪を頭の後ろの低い位置で結っている。
「俺はシカ。よろしくねトキ。ところで君、花瓶はそれでいいの?」
 シカの指さした先にはトキが片手で掴む細長い花瓶がある。乳白色の陶器は飾り気がなく簡素で、口は小さく首から下は膨らみがあり、底に向かってやや細くなっている。それは色が違えば酒でも入っていそうな形の花瓶だ。
「別にこだわりはねぇよ。花が主役ならゴテゴテしてないやつがいいかとか、そんな事しか考えてなかったな」
「へぇ、その考えでその『梅瓶めいぴん』を選ぶのはセンスが良いね。もしかしてただの酒豪かと思ったけど」
「花瓶の名前なんてどうでもいいよ。あんただって似たような形を選んでるじゃねぇか」
「ええ、これが同じ形に見えるの? これは『蒜頭瓶さんとうへい』と言ってにんにくの形に――」
「あーもう、うんちくはいいって」
 真剣に花を選ぶトキの隣でシカは喋りたくてうずうずしながらついてくる。いくら主人の身代わりで候補戦に出ているからといってもこうも試験に関心がない人間に傍に居られると気が散るものだ。
 暫くは黙ってやり過ごそうとしたが、そわそわした気配がぴったりとくっついてくるのを無視出来ず「喋れよ」とついお喋り男の口から栓を抜く。
「いいの? いいんだね? 喋るよ? トキはどうして『仁』の試験が花を生ける事なんだろうって思わなかった?」
「さぁ。仁って言葉の意味も知らないし」
「『仁』はね、色々解釈があるけど慈しみってところかな」
 慈しみ?
 綺麗な花を見て心を慰める、とかそういう事だろうか。
 てっきり今日こそは王子とやらがお目見えするかと思っていたのに、候補者たちを囲むのは官僚と監視の兵士たちのみ。番選びを完全に他人任せにしている人間の、一体何を慰めろというのか。せめて王子の姿だけでも分かればそれに似合うような花を選んだというのにそれも叶わなければ結局トキの好みで選ばざるを得ない。
「王子、ね」
 トキは独りごちる。それから未だ見ぬ王子の姿を妄想していく。
「火の大邑なら、たぶん赤毛か」
 髪と同じく赤い目で、王族らしく気の強そうな、同じ年頃の青年――。
 トキの頭の中に自然と浮かんだ人物は言うまでもない。葉が枯れ落ちて雪化粧をしたナラの木と、真っ白な大地と曇天の空。その中に、一点だけ狂い咲きした花のように彩りを添える立ち姿。吐く息を白く染めてトキを見た時の、あの孤独で気高い眼差しが忘れられない。
「あ、芙蓉か……? まだ咲いてるんだな」
 低木の中に真っ白な花をつけた木を見付けて傍に行く。雪の事を思い出していたせいか視線が白い花に吸い込まれていく。赤や紅色があの男を象徴する色だとしたら、花は違う色の方がいい。
「これは酔芙蓉すいふよう。朝に白い八重咲の花をつけて昼頃になると桃色に変わるんだ」
「色が変わるのか?」
「でもそれはもうちょっと暖かい時期の話だねぇ。最近めっきり冷え込んだから、そろそろ芙蓉の花期も見納めかな」
 という事は、目の前の真っ白な大輪の花の色は今なら日中でも変わらず白いままという事になるようだ。それならばと一本手折って、花と同じように大きく手の平ほどもある葉付きのまま一輪花瓶に生けてみる。花が大きいので一輪でも十分見栄えする。が、一輪では寂しいような気もしてもう一つ増やしてみると、高さ違いで左右に上手く広がってさっきより良いように見えた。
「うん、俺はこれでいい」
 それまで聞きもしない事をぺちゃくちゃと喋り続けていたシカが黙り込んでしげしげと酔芙蓉を観察する。虫でもついていただろうかと不安になってトキも一緒に花瓶を回しながら全体を確認してみるが特に問題は見当たらない。
「……何故、二つにしたの?」
「ん? まぁ……一人だと寂しいだろ」
「あっは、気障だねぇ」
「うるせぇなー」
 一人だと寂しいねぇ、と揶揄しながらトキについて回ろうとするのでシカを無視して台のあった場所へさっさと戻る。シカは慌ててトキを追いかけて、その道中にあった適当な花を二、三本ハサミで切ってそれで完成にしてしまった。本当に適当でいっそ呆れを通り越して感心する。

 生け花の採点は全員の分が出揃ってからになるかと思われたが、二時間ほどが経つ頃に悩み続けて完成させられなかった者たちは失格になっていた。三人のオメガが兵士に連れられ庭から去っていく。彼らは騒がず取り乱さず、失格という判定に甘んじていた。恐らく故意に落ちたのだろう。そんな心算で参加する事にむかっ腹が立つが、邑から必ず一人は候補を出さなくてはならないという規則がある以上は彼らの事を責められない。
 それでも睨むようにして去っていく者たちを見ていると、トキの斜め前で同じような視線を送っている存在に気付く。水の邑『豹』の姫だ。目や鼻など一つ一つの造形がはっきりとした顔立ちは美人ではないが可愛らしい顔をしている。ああして睨んだりしなければもっといいのに。
「赤と青、よく映える取り合わせだよね」
 シカはどうやら豹の姫の濃紺の髪を見て、王子とお似合いだと言っているらしい。やはり、王子は赤髪なのだろう。
 しかしトキは赤と青はさほど調和しないのではないかと感じる。
「赤には緑だろ」
 そう緑だ。王宮の建物を見渡して思う。王宮内の建物はどれも赤い壁に緑の扉や釉薬瓦が葺いてある。
「え? そうかな……? あ、もしかして緑って自分の事言ってるのかいトキ? 大胆だなぁ」
「俺が緑? 俺は黒髪だから黒だろ」
「いや君の目、目!」
「ああ。でも俺と赤が並んでもそれは黒と赤にしか……って、何で赤の話してんだ? やっぱ王子って赤毛赤目なのか?」
 シカは頬から顎にかけて指で掻いた後、知れっとした顔で答える。「さあ?」
「一人ずつ、前へ」
 わざとらしくすっとぼけるシカの事を問い詰めてやろうとしたが、例の紫の官服を着た官僚の声に遮られ会話は中断された。

 官僚の前に花瓶を置くための台が運ばれてくる。あの官僚が一人ずつ順番に見て採点していくらしい。やはり王子の姿は見えない。まさかあの官僚が王子という事はないだろう。紫の官服を来た官僚はトキの親世代の年齢に見える。王子はトキと同い年で十八だというからもっとずっと若いはずだ。母のように年齢を鯖読んでいなければの話だが。
 思い思いに生けられた花はどれも美しい。何故ならこの庭をきちんと管理している人がいるからだ。
 この庭は一体誰のために造られたものなのだろう。トキに学はないが木材にまつわる事なら多少の知識と経験がある。
 造園の技術は素晴らしく、四季折々の花が建物から見て庭の手前から順に冬、秋と春、そして夏という風に植えられている。恐らく花木が花期の季節の日中にたくさん太陽の光を浴びるように計算されているのだ。
 これだけ手を尽くした庭が候補戦のためだけに造られたはずはない。
「ここ、誰の庭なんだろうな」
 庭という呼ぶからにはもちろんそれに付随した家がある。丹塗りの豪奢な高床式の殿舎だ。しかし、そちらからは人の気配がしない。だからこそ候補戦のためにこの庭が解放されたのだろうが、無人の家に備え付けられた鑑賞する者の無い庭はどこか寂しげに見える。
「何でそんな事が気になるんだい?」
「綺麗にされてるだろ。花は詳しくないけど季節を考えて植えてあるみたいだし場所も計算されてる。俺、生垣の支柱とか作ったりするから分かるけど、適当にやってたんじゃ低木も思ったような形にはならないんだぜ?」
「すごいな……よく気が付いたね。お馬鹿な人だと思ってたけどトキって案外賢いのかな?」
「あんたなぁ。まぁ俺に学が無ぇのは事実だけどさ」
「学が無いのに見ただけでこの庭が『誰かのために作られた』って分かったんだね。いやぁトキは見掛けによらず鋭い視点を持っているんだねぇ!」
「ま、まぁな!」
 そう褒められると人間、悪い気はしない。ふふんと鼻を鳴らして胸を反らすとシカがにこにこ笑って「すごいすごい」と手を叩く。
「で?」
「ん?」
「ここは誰の庭なんだ?」
「うーん。誰だと思う?」
「知らねぇから訊いてんだよ」
「残念。俺も知らないんだよね。もしかしたら、噂の王子様の庭だったりして」
 シカと一拍の間見つめ合う。
「まっさかぁ。あの建物から人が暮らしてる気配がしねぇからな」
「そんな事まで分かるのかい? その心は?」
「こっちは理屈じゃなくて勘だな。家が生きてるって感じがしない」
「ふんふん。学が無い代わりに野生の勘を兼ね備えている、と」
「馬鹿にすんのか褒めるのかどっちかにしろ!」
 シカとじゃれているうちに審査はどんどん進み、最初に脱落した者を含めて十人ほどが庭を追い出されていた。候補者は全部で三十人ほど参加しており、これまで『仁』の試験に通過したのは十二人。仮に『仁』の試験で十五人まで絞れというような決まりがあるのだとしたら、枠はあと三人分だ。審査待ちの数名の中にはトキとシカ、そしてあの『豹』の少女が含まれている。
 突然ざわっと、どよめきが起こる。騒ぎの中心には例の南部の少女が居た。少女は空っぽの花瓶を官僚の前に出して堂々と胸を張っている。
「理由を聞いてやろう」
「『仁』とは、生きとし生ける者のみならず、命の宿らぬものへも向けるべき労わりの心です。花は手折ってしまえばたった一日のうちに萎れ始めてしまいますが、根が土についていれば花によってはあくる日も、そのまたあくる日も美しく瑞々しい花弁を開きます。人の心を慰めるなら、庭に出て楽しむだけで十分だと私は思います」
 官僚は無言のまましっかと頷き、空の花瓶を他の官僚に運ばせている。少女は庭に留まる事を許されて、先の十二人たちと同じ場所に並ばされる。つまり、彼女は試験に通過したという事だ。
 あんなトンチみたいなのってアリなのかよ!
 それともこれはやはり最初から勝者が決まっている試験なのだろうか。
「トキの番が来たね」
 悶々としているうちに少女とトキの間で一人脱落し、トキの前に出来ていた列が綺麗さっぱりなくなっていた。
 緊張の面持ちで、真っ白な酔芙蓉を飾った花瓶を抱えて前へ出る。四角い簡素な台の上に花瓶を載せると、官僚が顎を持ち上げて鼻の先から見下ろすように酔芙蓉の花を見下ろした。明らかに少女の時とは態度が違っている。
木槿むくげという花を知っているか」
「知りません」
 知らない事を知っていると言っても得する事はない。正直に答えると官僚は体を萎ませるように鼻からゆっくりと息を吐き出した。
「『槿花一日の栄』という言葉を調べなさい」
 言葉の意味は分からなくとも官僚の反応が芳しくない事はその表情でよく分かった。
 一つ目の試験さえ乗り越えられずに脱落なのかと思うと頭から血の気が引いていく。空っぽの花瓶が合格でちゃんと花を生けたトキが不合格だなんて理不尽だ。
 何か、何か弁明しなくては――。
「あのっ」
「おい」
 突然横から腕を強く掴まれて言葉が引っ込んだ。藍鼠色の官服を着た若い男がトキの腕を引いて官僚の前から下げさせられる。顎で「花瓶も」と示され悔しさにぐっと歯噛みしつつも酔芙蓉を生けた花瓶を抱えた。
「ついて来い」
 片手で花瓶を抱き、もう片方の腕を男に引っ張られるままどこかに向かって進んでいく。無人だと思った殿舎の中には合格した者たちの生けた花瓶が、漆塗りの猫足の低い台の上に並べられていた。
「これは明日の『義』の試験を受ける資格を得た者たちの花瓶だ。この中から一つ好きな物を選んでお主の抱えているものと交換するがよい」
「えっ……え?」
 自分が抱えてきた花瓶、猫脚の台に並ぶ花瓶、そして若い官僚の顔を順繰りに見比べてから、トキは首を左右に振る。
「だ、駄目だろ。不正だ」
「俺は王子に取り成す事が出来る立場にいる。お主一人の不正くらい融通してやる事が出来る、と言ってもか?」
「当たり前だ!」
 本音では、気持ちは大きく揺らいでいた。母も合格していたのを知っている。せめて母が落ちるのを見届けなくては、おめおめと家に戻るなんて事は出来ない。何も候補者を殺めろと言われている訳ではないのだ。この男の言う通り、花瓶を取り替えるだけで明日の試験に進めるのなら安いものだ。
 そんな風に思うのに、とりどりの花で飾られた花瓶を見たらどれか一つを犠牲にしてしまおうという気が起きないのだ。それは例の空っぽの花瓶とて同じだ。
「……候補者の中には本意ではない者が居ると、お主も知っているな?」
「知ってる。知ってるけど……何か、番に相応しい条件があって、それに合ってる奴らが選ばれてるって事なんだろ? 俺にはそれが足りなくて、もし俺がこの中の一つをすり替えちまったら、誰かの『何か』を無駄にしちまうって事なんだ」
 何十、何百という月日を巡って土に根を張り育った木を伐り倒し、季節と天気を読みながら何年という時間をかけて乾燥させて漸く建築や家具に使う木材は販売に出す事が出来る。木は伐ってしまえばもう二度と土に植わる事は出来ない。何かに加工してやらなければ資材小屋でただ朽ちていくだけなのだ。
 数年前に注文を受けて切り出して作った木材を、今になって断られる事の虚しさをトキは知っている。努力や苦労を踏みにじられる腹立たしさを知っている。家計が苦しくなるのももちろん困ったが、何より自分たちの仕事を軽んじられているようで悔しかった。
「俺には出来ない」
 合格した花瓶は候補者たちの努力の成果だ。例えそれが候補戦のためにされた努力ではなかったとしても、トキはそれを無下に出来ない。
 候補戦を甘く見ていたのだと自覚するとここに居る事が恥ずかしくなってきて早く出て行かせてほしいと思ったが、男の体が突然震え始めてトキは困惑する。
「ふ、ふふ。そうか。分かった。お主は合格だ」
「は?」
「合格だと言った」
「それは、聞こえてる。そうじゃなくて! あんたは、一体……?」
 藍鼠色の官服は恐らく階級が最も低い官僚の着る服だ。そんな人間に王子の番を選ぶ試験の合否を覆せるほどの権力があるとは思えない。
 男はわざとらしく伸ばした顎鬚を撫でて、余った手を腰に当てている。どこかで見た仕草を真似ているような違和感。
「あんた、その髭似合ってないぞ」
「な!?」
 トキが指摘した瞬間、撫でる動きのままぎゅっと顎鬚を握りしめたせいで髭が外れてしまう。右半分だけが残った顎鬚は、不自然に揺れながら顎下にぶら下がった。
「あんた昨日の賊だろ?」
 耳飾りは外していたが独特な喋り方で分かった。
「賊ではないと言っただろ!」
「じゃあ何なんだよ?」
「か……官僚だ」
 最早つけている意味がなくなった偽物の顎鬚を剥がすと、昨日塀の上から落っこちた間抜けな赤毛の青年の顔が現れる。その頬は目論見が失敗して恥ずかしいのかそれとも髭を似合っていると思い込んでいたのか、うっすらと紅潮している。
 それまでの偉そうな態度から打って変わってしおらしくなり、トキから逃げるように視線を下へ逸らすと、長い睫毛が染まった頬に影を作り出した。その表情や仕草はつい見とれてしまうほど煽情的で、誘われるようにトキの右手が青年に向かって伸ばされる。後少しで青年の肩に届きそうになったところで「あ!」と青年が声を上げ、びっくりして腕を引いた。
「昨日の事は忘れるのだ。それと、俺と俺の『兄弟』について二度と詮索するでない。第三者にこれを漏らす事も許さぬ」
「これ、って……?」
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「いや待てって!」
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 何やってんだろ、俺。
 青年の肩に触れそこねた右手が、緊張とか興奮のような高ぶりで汗を掻いていた。
 自分の行動の不可解さに溜め息がこぼれていく。
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