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プロローグ
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ミーン、ミンミン…………ミンミンミ゛ン゛ミ゛ン゛!!!
「あーうっせぇなぁクソ!!」
ビルとビルとビルに挟まれたこじんまりした古い物件から推定おじさんの吼え声が上がる。畳張りになったカウンターから土間に下りて下駄をひっかけ裏手に出ると、そこにはコンクリだらけのビル街で唯一のオアシス、ではなく、手入れも何も全くされていない雑木林が好き勝手に緑を繁茂させていた。
「やったらうるせぇと思ったら、お前何で壁の方にとまってるんだよバカだなー」
ミンミン蝉が一生懸命、真っ白な土壁にへばりつき命を燃料に鳴いているところを見つけた推定おじさんこと羽時京介は、ひょいっと素早く蝉をつまんで雑木林の方に放り投げる。人間の作った人工物にとまっているようでは番は見つけられまい。人間様のご慈悲だと、心の中で自分を勝手に神に仕立てて善行をしたつもりになった京介だったが、しかし、蝉は恩などクソ食らえと言いたげにぴょろろっと小便を京介の肩に掛けていった。
「くそったれがよぉ! いやぁ……小便たれかぁ……」
腹は立つがこれでもう昼寝を邪魔する者はいまいと下駄を鳴らして店に戻ろうとした時だった。
「あ、あ、あ~ん、いっちゃういっちゃうよ~、ウジくん~」
この暑さに追い打ちをかけるようなだらしない上に汚い男の声が聞こえてきてどっと怒りがあふれ出す。
「あんの野郎またかよ……!」
壁を拳で殴りながら店の傍に設置した大きな灰皿とベンチまで回り込むと、下半身丸出しでベンチに座って喘ぐおっさんと、そのおっさんの汚いナニを加える派手髪の青年を見つけて京介は怒号を飛ばす。
「ここはハッテン場じゃねぇって何度も言ってんだろがお前ら!!」
しん……とおっさんの喘ぎが聞こえなくなってほっとしたのも束の間、派手髪の青年は京介の叫びを無視してご奉仕再開。あーんと聞こえてくる情けない声にいい加減通報してやれとスマホを持ち出すと、青年がちゅぽんとおっさんの一物から口を離し、京介を無表情で見上げた。
「後でタダでしてあげるから。見逃して」
青年は指で輪っかを作って「えー」と舌を出す。恥じらいのはの字もなく青年は無表情でふしだらなポーズを披露する。あまりの阿呆らしさに京介が声も出せずにいると、青年は許されたと解釈したのかおっさんの股に顔を埋めた。
京介の持ったスマホの画面に、ミシリと音を立ててヒビが入る。
「あーうっせぇなぁクソ!!」
ビルとビルとビルに挟まれたこじんまりした古い物件から推定おじさんの吼え声が上がる。畳張りになったカウンターから土間に下りて下駄をひっかけ裏手に出ると、そこにはコンクリだらけのビル街で唯一のオアシス、ではなく、手入れも何も全くされていない雑木林が好き勝手に緑を繁茂させていた。
「やったらうるせぇと思ったら、お前何で壁の方にとまってるんだよバカだなー」
ミンミン蝉が一生懸命、真っ白な土壁にへばりつき命を燃料に鳴いているところを見つけた推定おじさんこと羽時京介は、ひょいっと素早く蝉をつまんで雑木林の方に放り投げる。人間の作った人工物にとまっているようでは番は見つけられまい。人間様のご慈悲だと、心の中で自分を勝手に神に仕立てて善行をしたつもりになった京介だったが、しかし、蝉は恩などクソ食らえと言いたげにぴょろろっと小便を京介の肩に掛けていった。
「くそったれがよぉ! いやぁ……小便たれかぁ……」
腹は立つがこれでもう昼寝を邪魔する者はいまいと下駄を鳴らして店に戻ろうとした時だった。
「あ、あ、あ~ん、いっちゃういっちゃうよ~、ウジくん~」
この暑さに追い打ちをかけるようなだらしない上に汚い男の声が聞こえてきてどっと怒りがあふれ出す。
「あんの野郎またかよ……!」
壁を拳で殴りながら店の傍に設置した大きな灰皿とベンチまで回り込むと、下半身丸出しでベンチに座って喘ぐおっさんと、そのおっさんの汚いナニを加える派手髪の青年を見つけて京介は怒号を飛ばす。
「ここはハッテン場じゃねぇって何度も言ってんだろがお前ら!!」
しん……とおっさんの喘ぎが聞こえなくなってほっとしたのも束の間、派手髪の青年は京介の叫びを無視してご奉仕再開。あーんと聞こえてくる情けない声にいい加減通報してやれとスマホを持ち出すと、青年がちゅぽんとおっさんの一物から口を離し、京介を無表情で見上げた。
「後でタダでしてあげるから。見逃して」
青年は指で輪っかを作って「えー」と舌を出す。恥じらいのはの字もなく青年は無表情でふしだらなポーズを披露する。あまりの阿呆らしさに京介が声も出せずにいると、青年は許されたと解釈したのかおっさんの股に顔を埋めた。
京介の持ったスマホの画面に、ミシリと音を立ててヒビが入る。
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