956 / 965
同意しないで
しおりを挟む
「ラガス坊ちゃまの話を聞く限り、その他大勢ハンターにはその他大勢のハンターで、理由があるのですね」
その他大勢のハンター……間違ってはいないけど、酷い言い方だな。
「俺の個人的な見解だけどな」
「……おおよそ合っているのですか、シュラ」
「えっ、そこで俺に意見を求めるのかよ」
「ラガス坊ちゃまと同じ男でしょう」
「そりゃそうだが…………正直、解んねぇの一言だよ」
シュラもそのタイプなんだろうな。
ただ、それじゃあメリルは一応納得すらしない。
「なぁ、シュラ。今はそういうのに興味ないかもしれないけど、もし自分に好きな人が出来たらって考えてみてくれよ」
「俺に好きな人が出来たらすか?」
「そうだ。んで、その人はシュラから見ても高嶺の華って感じの人なんだよ」
「高嶺の華……ん~~~~~………………ただ頑張る、ってのは違うんすよね」
「戦闘面で強くなるのと同じで、がむしゃらに頑張るだけじゃ、限界がくるだろ」
「あぁ~~、なるほど」
別に俺もそんな恋愛云々を上手くいく方法とか、どうすれば良いとか解らないけど、ただ頑張って出来るなら、そもそもその人のスペックが高いってだけで話が済んじゃうと思う。
「……ラガスさんに、相談するっすかね」
「っ!!!! …………シュラ。そういう時に頼ってくれるのは嬉しいけど、俺は別に恋愛経験がないから、上手くアドバイスは出来ないぞ」
セルシアとは……なんやかんやでパートナーになって、今も喧嘩することなく続いてるだけなので、ノーカン。
「そうっすか? なんか、ラガスさんならなんやかんやで的確なアドバイスをくれそうな気がするっすけど」
「そこに関しては、私も同意ですね」
「えっ!? なんで? ……なんでだよ、メリル」
お前、こういう時は俺をからかてくるだろ。
なんでサラッとシュラの考えに同意してんだよ。
「なんでと言われましても…………ラガス坊ちゃまは、そういうところがあるじゃないですか」
「そういうところって……どういうところだよ」
「突然こう、私たちが盲点だと感じるようなことを考え付くじゃないですか」
そんな事……あったか?
いや、でもあれだな、絶対にないとは断言出来ないな。
「…………まぁ、そうやって俺を褒めてくれるのは嬉しいけど、シュラが言ったように自分で解決出来なかったら、人に尋ねるだろ。けど、こういうのは相談し辛いんだよ」
「ふむ……大抵のハンターたちが、口が軽いからですか?」
「感覚的にな。親友って呼べる仲間なら大丈夫かもしれないけど、その親友が恋愛経験豊富かなんて解らないだろ」
「それはそうかもしれませんが……となると、ハンターたちには恋愛講座が必要なのでしょうか?」
「それはちょっと解らないし、あったとしてもそれに参加したってバレた時点で恥だと感じる奴もいるだろうな」
とはいえ、それはそれで悪くないのかもと思ったな。
秘密裏に開催出来れば……下手に狙われる高嶺の華側の意見も解るってもんか。
「……………………ねぇ、ラガス」
「ん? なんだ、セルシア」
「結局、は……答えは、ない、っていう、事?」
「…………そういう事に、なるかも」
メンヘラな子に、好きな人だったり推しに対するストーキング行為を止めましょうって言っても、おそらく止められないのと一緒かもしれない。
「ラガス坊ちゃま、要はその場に現実を教えてくれる者がいれば、愚か者たちの意識を変えることが出来るということでしょうか」
「それはそうなんだけど、そういう事を言ってしまうと、大勢の連中からその人が標的にされてしまうだろ」
「……であれば、標的にされないであろう方に協力を扇げばいいということですね」
何を言ってるんだと思ったが、その後メリルからアイデアを聞いて……確かにそれなら、そういう事を口にした人が標的にされることはないと思えた。
その他大勢のハンター……間違ってはいないけど、酷い言い方だな。
「俺の個人的な見解だけどな」
「……おおよそ合っているのですか、シュラ」
「えっ、そこで俺に意見を求めるのかよ」
「ラガス坊ちゃまと同じ男でしょう」
「そりゃそうだが…………正直、解んねぇの一言だよ」
シュラもそのタイプなんだろうな。
ただ、それじゃあメリルは一応納得すらしない。
「なぁ、シュラ。今はそういうのに興味ないかもしれないけど、もし自分に好きな人が出来たらって考えてみてくれよ」
「俺に好きな人が出来たらすか?」
「そうだ。んで、その人はシュラから見ても高嶺の華って感じの人なんだよ」
「高嶺の華……ん~~~~~………………ただ頑張る、ってのは違うんすよね」
「戦闘面で強くなるのと同じで、がむしゃらに頑張るだけじゃ、限界がくるだろ」
「あぁ~~、なるほど」
別に俺もそんな恋愛云々を上手くいく方法とか、どうすれば良いとか解らないけど、ただ頑張って出来るなら、そもそもその人のスペックが高いってだけで話が済んじゃうと思う。
「……ラガスさんに、相談するっすかね」
「っ!!!! …………シュラ。そういう時に頼ってくれるのは嬉しいけど、俺は別に恋愛経験がないから、上手くアドバイスは出来ないぞ」
セルシアとは……なんやかんやでパートナーになって、今も喧嘩することなく続いてるだけなので、ノーカン。
「そうっすか? なんか、ラガスさんならなんやかんやで的確なアドバイスをくれそうな気がするっすけど」
「そこに関しては、私も同意ですね」
「えっ!? なんで? ……なんでだよ、メリル」
お前、こういう時は俺をからかてくるだろ。
なんでサラッとシュラの考えに同意してんだよ。
「なんでと言われましても…………ラガス坊ちゃまは、そういうところがあるじゃないですか」
「そういうところって……どういうところだよ」
「突然こう、私たちが盲点だと感じるようなことを考え付くじゃないですか」
そんな事……あったか?
いや、でもあれだな、絶対にないとは断言出来ないな。
「…………まぁ、そうやって俺を褒めてくれるのは嬉しいけど、シュラが言ったように自分で解決出来なかったら、人に尋ねるだろ。けど、こういうのは相談し辛いんだよ」
「ふむ……大抵のハンターたちが、口が軽いからですか?」
「感覚的にな。親友って呼べる仲間なら大丈夫かもしれないけど、その親友が恋愛経験豊富かなんて解らないだろ」
「それはそうかもしれませんが……となると、ハンターたちには恋愛講座が必要なのでしょうか?」
「それはちょっと解らないし、あったとしてもそれに参加したってバレた時点で恥だと感じる奴もいるだろうな」
とはいえ、それはそれで悪くないのかもと思ったな。
秘密裏に開催出来れば……下手に狙われる高嶺の華側の意見も解るってもんか。
「……………………ねぇ、ラガス」
「ん? なんだ、セルシア」
「結局、は……答えは、ない、っていう、事?」
「…………そういう事に、なるかも」
メンヘラな子に、好きな人だったり推しに対するストーキング行為を止めましょうって言っても、おそらく止められないのと一緒かもしれない。
「ラガス坊ちゃま、要はその場に現実を教えてくれる者がいれば、愚か者たちの意識を変えることが出来るということでしょうか」
「それはそうなんだけど、そういう事を言ってしまうと、大勢の連中からその人が標的にされてしまうだろ」
「……であれば、標的にされないであろう方に協力を扇げばいいということですね」
何を言ってるんだと思ったが、その後メリルからアイデアを聞いて……確かにそれなら、そういう事を口にした人が標的にされることはないと思えた。
121
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる