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同意しないで

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「ラガス坊ちゃまの話を聞く限り、その他大勢ハンターにはその他大勢のハンターで、理由があるのですね」

その他大勢のハンター……間違ってはいないけど、酷い言い方だな。

「俺の個人的な見解だけどな」

「……おおよそ合っているのですか、シュラ」

「えっ、そこで俺に意見を求めるのかよ」

「ラガス坊ちゃまと同じ男でしょう」

「そりゃそうだが…………正直、解んねぇの一言だよ」

シュラもそのタイプなんだろうな。
ただ、それじゃあメリルは一応納得すらしない。

「なぁ、シュラ。今はそういうのに興味ないかもしれないけど、もし自分に好きな人が出来たらって考えてみてくれよ」

「俺に好きな人が出来たらすか?」

「そうだ。んで、その人はシュラから見ても高嶺の華って感じの人なんだよ」

「高嶺の華……ん~~~~~………………ただ頑張る、ってのは違うんすよね」

「戦闘面で強くなるのと同じで、がむしゃらに頑張るだけじゃ、限界がくるだろ」

「あぁ~~、なるほど」

別に俺もそんな恋愛云々を上手くいく方法とか、どうすれば良いとか解らないけど、ただ頑張って出来るなら、そもそもその人のスペックが高いってだけで話が済んじゃうと思う。

「……ラガスさんに、相談するっすかね」

「っ!!!! …………シュラ。そういう時に頼ってくれるのは嬉しいけど、俺は別に恋愛経験がないから、上手くアドバイスは出来ないぞ」

セルシアとは……なんやかんやでパートナーになって、今も喧嘩することなく続いてるだけなので、ノーカン。

「そうっすか? なんか、ラガスさんならなんやかんやで的確なアドバイスをくれそうな気がするっすけど」

「そこに関しては、私も同意ですね」

「えっ!? なんで? ……なんでだよ、メリル」

お前、こういう時は俺をからかてくるだろ。
なんでサラッとシュラの考えに同意してんだよ。

「なんでと言われましても…………ラガス坊ちゃまは、そういうところがあるじゃないですか」

「そういうところって……どういうところだよ」

「突然こう、私たちが盲点だと感じるようなことを考え付くじゃないですか」

そんな事……あったか?

いや、でもあれだな、絶対にないとは断言出来ないな。

「…………まぁ、そうやって俺を褒めてくれるのは嬉しいけど、シュラが言ったように自分で解決出来なかったら、人に尋ねるだろ。けど、こういうのは相談し辛いんだよ」

「ふむ……大抵のハンターたちが、口が軽いからですか?」

「感覚的にな。親友って呼べる仲間なら大丈夫かもしれないけど、その親友が恋愛経験豊富かなんて解らないだろ」

「それはそうかもしれませんが……となると、ハンターたちには恋愛講座が必要なのでしょうか?」

「それはちょっと解らないし、あったとしてもそれに参加したってバレた時点で恥だと感じる奴もいるだろうな」

とはいえ、それはそれで悪くないのかもと思ったな。
秘密裏に開催出来れば……下手に狙われる高嶺の華側の意見も解るってもんか。

「……………………ねぇ、ラガス」

「ん? なんだ、セルシア」

「結局、は……答えは、ない、っていう、事?」

「…………そういう事に、なるかも」

メンヘラな子に、好きな人だったり推しに対するストーキング行為を止めましょうって言っても、おそらく止められないのと一緒かもしれない。

「ラガス坊ちゃま、要はその場に現実を教えてくれる者がいれば、愚か者たちの意識を変えることが出来るということでしょうか」

「それはそうなんだけど、そういう事を言ってしまうと、大勢の連中からその人が標的にされてしまうだろ」

「……であれば、標的にされないであろう方に協力を扇げばいいということですね」

何を言ってるんだと思ったが、その後メリルからアイデアを聞いて……確かにそれなら、そういう事を口にした人が標的にされることはないと思えた。
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