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身内に要因?
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「なるほど……その様なことを、体験していたのですね」
アリクと呑んで帰ってきた翌朝、メリルに誰と呑んでいたのかと聞かれたので、素直にアリクと呑んでいた伝え、ついでにどんな内容を話していたのか伝えた。
すると、メリルは物凄く……同情するような顔になった。
「なんつーか……ヤバいっすね」
「そうだな。アリクがこう、一人で黄昏たくなる程あれだっとってなると、本当にヤバかったんだろうな」
一人で考え事をしたい事は誰にでもあるだろうけど……あの時のアリクの表情は、本当に……わ、悪い意味で? 黄昏てたって感じだったからな。
「まぁ、クレア様たちが野郎たちにモテるってのは、当然っちゃ当然のことっすよね」
「そうですね。それに関しては同感ですクレア様とサルネ様はとても親しみやすい方ですし、リース様も……高嶺の華といった印象はありますが、誰にでも分け隔てなく接する方です。男性からモテない道理はないでしょう」
それはそうだろうな。
元々良い性格してる三人だし、容姿とか抜きにしてもモテるだろう、な………………待てよ。
もしかして……もしかしてだけど、それもこう……アリクの精神が摩耗する要因になってるのか?
「…………」
「急に食事の手を止めてどうしたのですか、ラガス坊ちゃま」
「いや……その三人の優しさ? が、結果としてアリクの精神を摩耗させてるんじゃないかって思ってさ」
「クレア様たちの優しさが、ですか?」
「うん。まだ想像の域を出ないけど、冒険者たちからすれば……容姿が整っている女性から優しく、フレンドリーにされれば、勘違いする可能性がありそうじゃん」
「勘違いする可能性、ですか…………どうなのですか、シュラ」
「いきなり話を振るなよ」
「あなたも男でしょう」
「そりゃそうだけどよ……ん~~~~~~。ぶっちゃけ、優しくされたところでな…………まぁ、嬉しいのは嬉しいか? とりあえず嫌な気はしねぇし。ただ、勘違いするってのは良く解らん」
「なるほど。とはいえ、私も同じ考えではあります」
シュラは……あれだろうな。
恋愛云々、恋人云々よりも強い奴と戦ったり、美味い飯食ったりする方が楽しいから、貴族令嬢とかに優しくされたりしても心が動いたりどうこうすることはないタイプ。
メリルに関しては、ただただ現実が見えてるだけって話か。
つっても、ぶっちゃけ……俺の周りには、チラホラとメリルに割と真面目に気がありそうな奴はいたんだよな……俺か、もしくはセルシアが怖いからか、そういう繋がりを欲して話しかけてくることはなかったけど。
「ですが、ラガス坊ちゃまはその可能性があると考えてらっしゃるのですね」
「うん。だってさ、よく考えてみてくれよ。三人とも貴族令嬢なんだぜ。リースさんなんて、本来なら平民出身のハンターたちがどう足掻いても関われない相手だぞ」
「そうですね。元々騎士団に内定が決まっていた方ですからね」
「サルネさんとクレア姉さんも、複数の騎士団からスカウトが来てたことを考えれば、本来関わることはなかった。でも、ハンターという道を選んだ結果、同じハンターとして関わる機会を得て、三人の人柄もあって普通に話すことが出来た……ってなると、勘違いする奴が現れてもおかしくないだろ」
「…………わざわざ騎士団のスカウトを蹴って、ハンターの道を選んだという点が、そう思わせる可能性はあり得そうですね」
うん……うん、解るよメリル。
そんなクソ可能性あるわけねぇだろって言いたげな顔になるのは解る。
でも、平民出身の若いハンターたちには、まだそこまで考えられるだけ思考力がないんだよ。
「一応貴族令嬢っていうのは解ってるから、アリク様を通して仲良くなろう、距離を縮めようと考えてるってことっすね……なんか、ハンターとして活動してるのに、結構チキンなんすね」
…………まぁ、そいつらを要約すると、そうとは言えるな。
アリクと呑んで帰ってきた翌朝、メリルに誰と呑んでいたのかと聞かれたので、素直にアリクと呑んでいた伝え、ついでにどんな内容を話していたのか伝えた。
すると、メリルは物凄く……同情するような顔になった。
「なんつーか……ヤバいっすね」
「そうだな。アリクがこう、一人で黄昏たくなる程あれだっとってなると、本当にヤバかったんだろうな」
一人で考え事をしたい事は誰にでもあるだろうけど……あの時のアリクの表情は、本当に……わ、悪い意味で? 黄昏てたって感じだったからな。
「まぁ、クレア様たちが野郎たちにモテるってのは、当然っちゃ当然のことっすよね」
「そうですね。それに関しては同感ですクレア様とサルネ様はとても親しみやすい方ですし、リース様も……高嶺の華といった印象はありますが、誰にでも分け隔てなく接する方です。男性からモテない道理はないでしょう」
それはそうだろうな。
元々良い性格してる三人だし、容姿とか抜きにしてもモテるだろう、な………………待てよ。
もしかして……もしかしてだけど、それもこう……アリクの精神が摩耗する要因になってるのか?
「…………」
「急に食事の手を止めてどうしたのですか、ラガス坊ちゃま」
「いや……その三人の優しさ? が、結果としてアリクの精神を摩耗させてるんじゃないかって思ってさ」
「クレア様たちの優しさが、ですか?」
「うん。まだ想像の域を出ないけど、冒険者たちからすれば……容姿が整っている女性から優しく、フレンドリーにされれば、勘違いする可能性がありそうじゃん」
「勘違いする可能性、ですか…………どうなのですか、シュラ」
「いきなり話を振るなよ」
「あなたも男でしょう」
「そりゃそうだけどよ……ん~~~~~~。ぶっちゃけ、優しくされたところでな…………まぁ、嬉しいのは嬉しいか? とりあえず嫌な気はしねぇし。ただ、勘違いするってのは良く解らん」
「なるほど。とはいえ、私も同じ考えではあります」
シュラは……あれだろうな。
恋愛云々、恋人云々よりも強い奴と戦ったり、美味い飯食ったりする方が楽しいから、貴族令嬢とかに優しくされたりしても心が動いたりどうこうすることはないタイプ。
メリルに関しては、ただただ現実が見えてるだけって話か。
つっても、ぶっちゃけ……俺の周りには、チラホラとメリルに割と真面目に気がありそうな奴はいたんだよな……俺か、もしくはセルシアが怖いからか、そういう繋がりを欲して話しかけてくることはなかったけど。
「ですが、ラガス坊ちゃまはその可能性があると考えてらっしゃるのですね」
「うん。だってさ、よく考えてみてくれよ。三人とも貴族令嬢なんだぜ。リースさんなんて、本来なら平民出身のハンターたちがどう足掻いても関われない相手だぞ」
「そうですね。元々騎士団に内定が決まっていた方ですからね」
「サルネさんとクレア姉さんも、複数の騎士団からスカウトが来てたことを考えれば、本来関わることはなかった。でも、ハンターという道を選んだ結果、同じハンターとして関わる機会を得て、三人の人柄もあって普通に話すことが出来た……ってなると、勘違いする奴が現れてもおかしくないだろ」
「…………わざわざ騎士団のスカウトを蹴って、ハンターの道を選んだという点が、そう思わせる可能性はあり得そうですね」
うん……うん、解るよメリル。
そんなクソ可能性あるわけねぇだろって言いたげな顔になるのは解る。
でも、平民出身の若いハンターたちには、まだそこまで考えられるだけ思考力がないんだよ。
「一応貴族令嬢っていうのは解ってるから、アリク様を通して仲良くなろう、距離を縮めようと考えてるってことっすね……なんか、ハンターとして活動してるのに、結構チキンなんすね」
…………まぁ、そいつらを要約すると、そうとは言えるな。
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