943 / 975
人間臭い?
しおりを挟む
今のアリクはある意味可哀想だな~~~っと話してから数日後、相変わらず一番下の階層を目指して地下遺跡を探索。
徐々に階層数を更新する中で、コボルトの群れと遭遇した。
コボルトと変な縁があると思いつつも、主にセルシアとシュラ、メリルの闘志が爆発。
いつもならメリルも後方支援メインで動くのに、今回はメリルまで前に出て戦い始めたから、俺一人で後方支援を担当した。
マジかと多少は驚いたけど、対ケルベロスの時と同じく、メリルが前に出て戦おうとするのは珍しので、それはそれで嬉しかった。
コボルトの集団に関しては、深い階層? に生息してるだけあって、通常個体でも戦える個体が多かったし、Cランクの上位種個体にもなれば少々数も多かったからか、三人とも鬼火や毒、雷剣を使って上手く倒していった。
「…………俺だったら、イライラが爆発してそうっすね」
そして今、殆どのコボルトを討伐し終え、シュラとメリルは俺と一緒に死体を回収中。
一緒に戦ってたセルシアは、集団のトップであったBランクの上位種コボルトと一人で戦り合っている。
そんなセルシアを見て、シュラはいつものように羨ましがるのではなく、珍しく自分も戦いたかったといった言葉を零さない。
「でしょうね」
「メリルは、イライラせずに戦れっか?」
「……知能? が高い個体だと言い聞かせ続けていれば、イライラせずに戦れるでしょう」
つまり、冷静なタイプであるメリルであっても、戦っていればどこかでイライラが募って爆発する可能性が少なからずあるってことだな。
「ふーーん。にしても、あんなコボルトもいるんだな」
「純粋な戦闘力は以前戦ったイレックスコボルトの方が上でしょうけど、戦闘力以外の部分はあの個体が勝っている部分もあるでしょう。ラガス坊ちゃま、あの個体の名はどういった名前でしたか」
「アサルカコボルトだってよ。ランクはBだ」
初めて聞く上位種名の個体。
上位種らしく、体格は通常種よりも大きい。
ただ、以前戦ったイレックスコボルトよりは小さいし、なんなら今回の戦闘で戦った他の上位種個体たちよりも少し小さいか?
ただ、コボルトらしく非常に身軽な動きをしている。
「アサルカコボルト…………ラガス坊ちゃま、アサルトコボルトではないのですよね」
「…………今もう一回狼竜眼で確認したけど、やっぱりアサルカコボルトだな」
「そうでしたか……本当に、この遺跡は異常ですね」
遺跡だけじゃなくて、ここら辺一帯が……いや、この辺りの中でも、この地下遺跡は段違いで異常か。
「アサルトコボルトという個体の上位種であれば聞いたことがあるのですが」
「どんな個体なんだよ、メリル」
「コボルトの中でも、特に狂暴性が高い上位種らしいわよ。その狂暴性もあってか、一体で行動してることが多いらしいわ」
「へぇ~~~、孤高のコボルトって訳か。けど、一文字違いのあの上位種は、普通に他のコボルトに指示とか飛ばしてたよな?」
「そうね。加えて、狂暴性も感じない……ただ、正確の悪さは感じるわね」
「それに関しちゃあ、同感だな」
二人の言う通りあの上位種コボルト……セルシアの攻撃を躱す度に、ニヤニヤと笑ってる。
明らかについ零れてるって感じじゃなくて、セルシアをバカにしてる。
「あぁいうの、人間臭いって言うんすかね」
「そうとも言えるな」
「あんなふざけた顔をしながらも、ちゃんと強いのが更にイラっとしますね」
セルシアの言う通り、ちゃんとBランクなだけあって、普通に強い。
魔力量に関しても決して少なくない。
後、短剣の扱いに関しては…………正直、普段から使ってるメリルより上手いかもな。
「なぁ、あいつメリルよりも短剣の扱い上手くねぇか?」
シュラ……相変わらずズバッと言うな。
「……そうね」
チラッとメリルの方に視線を戻すと、静かに拳を握りしめていた。
徐々に階層数を更新する中で、コボルトの群れと遭遇した。
コボルトと変な縁があると思いつつも、主にセルシアとシュラ、メリルの闘志が爆発。
いつもならメリルも後方支援メインで動くのに、今回はメリルまで前に出て戦い始めたから、俺一人で後方支援を担当した。
マジかと多少は驚いたけど、対ケルベロスの時と同じく、メリルが前に出て戦おうとするのは珍しので、それはそれで嬉しかった。
コボルトの集団に関しては、深い階層? に生息してるだけあって、通常個体でも戦える個体が多かったし、Cランクの上位種個体にもなれば少々数も多かったからか、三人とも鬼火や毒、雷剣を使って上手く倒していった。
「…………俺だったら、イライラが爆発してそうっすね」
そして今、殆どのコボルトを討伐し終え、シュラとメリルは俺と一緒に死体を回収中。
一緒に戦ってたセルシアは、集団のトップであったBランクの上位種コボルトと一人で戦り合っている。
そんなセルシアを見て、シュラはいつものように羨ましがるのではなく、珍しく自分も戦いたかったといった言葉を零さない。
「でしょうね」
「メリルは、イライラせずに戦れっか?」
「……知能? が高い個体だと言い聞かせ続けていれば、イライラせずに戦れるでしょう」
つまり、冷静なタイプであるメリルであっても、戦っていればどこかでイライラが募って爆発する可能性が少なからずあるってことだな。
「ふーーん。にしても、あんなコボルトもいるんだな」
「純粋な戦闘力は以前戦ったイレックスコボルトの方が上でしょうけど、戦闘力以外の部分はあの個体が勝っている部分もあるでしょう。ラガス坊ちゃま、あの個体の名はどういった名前でしたか」
「アサルカコボルトだってよ。ランクはBだ」
初めて聞く上位種名の個体。
上位種らしく、体格は通常種よりも大きい。
ただ、以前戦ったイレックスコボルトよりは小さいし、なんなら今回の戦闘で戦った他の上位種個体たちよりも少し小さいか?
ただ、コボルトらしく非常に身軽な動きをしている。
「アサルカコボルト…………ラガス坊ちゃま、アサルトコボルトではないのですよね」
「…………今もう一回狼竜眼で確認したけど、やっぱりアサルカコボルトだな」
「そうでしたか……本当に、この遺跡は異常ですね」
遺跡だけじゃなくて、ここら辺一帯が……いや、この辺りの中でも、この地下遺跡は段違いで異常か。
「アサルトコボルトという個体の上位種であれば聞いたことがあるのですが」
「どんな個体なんだよ、メリル」
「コボルトの中でも、特に狂暴性が高い上位種らしいわよ。その狂暴性もあってか、一体で行動してることが多いらしいわ」
「へぇ~~~、孤高のコボルトって訳か。けど、一文字違いのあの上位種は、普通に他のコボルトに指示とか飛ばしてたよな?」
「そうね。加えて、狂暴性も感じない……ただ、正確の悪さは感じるわね」
「それに関しちゃあ、同感だな」
二人の言う通りあの上位種コボルト……セルシアの攻撃を躱す度に、ニヤニヤと笑ってる。
明らかについ零れてるって感じじゃなくて、セルシアをバカにしてる。
「あぁいうの、人間臭いって言うんすかね」
「そうとも言えるな」
「あんなふざけた顔をしながらも、ちゃんと強いのが更にイラっとしますね」
セルシアの言う通り、ちゃんとBランクなだけあって、普通に強い。
魔力量に関しても決して少なくない。
後、短剣の扱いに関しては…………正直、普段から使ってるメリルより上手いかもな。
「なぁ、あいつメリルよりも短剣の扱い上手くねぇか?」
シュラ……相変わらずズバッと言うな。
「……そうね」
チラッとメリルの方に視線を戻すと、静かに拳を握りしめていた。
122
お気に入りに追加
3,497
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!
明衣令央
ファンタジー
糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。
一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。
だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。
そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。
この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。
2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。
離縁してくださいと言ったら、大騒ぎになったのですが?
ネコ
恋愛
子爵令嬢レイラは北の領主グレアムと政略結婚をするも、彼が愛しているのは幼い頃から世話してきた従姉妹らしい。夫婦生活らしい交流すらなく、仕事と家事を押し付けられるばかり。ある日、従姉妹とグレアムの微妙な関係を目撃し、全てを諦める。
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる