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比率故に……

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「……死ぬ、ってことか。ラガス」

「そうだね。正直、まだアリクたちが挑んでも……メリットはないと思う」

単純に死ぬ可能性が高いっていうのもあるけど、まだ完全にダンジョンになってないから、一定の階層まで行けば一瞬で戻ってこれるなんて機能がない。

アリクたちにスタミナがないとは思わないけど、俺たちみたいにルーフェイスのような高速移動出来る脚がないと、その辺りの移動が非常にキツイ。

「……はぁ~~~~~~~。なら、まだ早ぇってことだな」

「そうだけど……あれだね、随分あっさり納得するんだな」

「お前が強いのは身をもって知ってるからな。そんなお前が超ヤバい場所だって言ってんだ」

「同感ね~~。いずれはって思うけど、でも今はまだ早いんでしょうね」

どうやら、アリクだけではなく……全員納得してくれた、みたいだな。

その後も二時間ほど話して、アリクたちと別れた。
本当は大浴場で風呂も入りたかったけど、追加でエールを呑んだのが不味かったのか、その気にはなれなかった。


「ラガス坊ちゃまは、相変わらず自分以外の方には心配性ですね」

宿に戻ってベッドに寝転がると、メリルにそんな事を言われた。

「……メリルは、アリクたちが地下遺跡に挑んで、絶対に無事に帰ってこれると思うのか?」

「絶対、とは言えませんね」

「そうだろ」

「ですが、私としてはアリク様やクレア様たちをあそこまで心配するなら、もう少しご自身の身も心配してほしいと
思っただけですよ」

それはそれ、これはこれってやつだ。

それに、地下遺跡に関してまだアリクたちに早いってのは事実だ。
一階層や二階層辺りをウロチョロするだけならまだしも、本格的に探索するとなれば、無事に終わるとは思うけど、アリクたちがそれで満足するとは思えない。

「それに関しては諦めてくれ」

「……そう簡単に、はい解りました、とは言えませんよ。とはいえ……現在のクレア様たちであれば、未開拓地の探索であれば、自由に探索出来そうですね」

「だな」

卒業してから、初っ端から楽なハンター生活を送ってなかったらしい。

最初から複数のDランクモンスター、Cランクモンスターとバチバチに戦ってたら、更に強くなっててもおかしくない。

「Bランクモンスターも討伐したらしいっすから、メリルの言う通り未開拓地を余裕で……余裕を持って? 探索できるんじゃないっすかね」

「私、も……同じ、感想」

俺もそう思ってる。
とはいえ、未開拓地はダンジョン並みにイレギュラーが襲ってくるからな~~~。

「…………いや、仮にうっかりアリクやサルネさん辺りが調子に乗っても、地下遺跡を探索しようとしたら、リースさんが止めてくれるか」

「ですね……そういえば、誰がリーダーなのか聞いていませんでしたね」

……そうだった。再会したのが嬉しくて、それを聞いてなかったな。

「アリクさんじゃないのか? 唯一の男だし、差別する訳じゃねぇけど、リーダーが男の方が色々と面倒を回避出来るんじゃないか」

「シュラにしては、割と理に適っている考えね。とはいえ…………それはそれで、アリク様が嫌がるんじゃないかしら」

「なんでだ? 普通は進んでリーダーになりたがるものじゃないのか」

昔のアリクなら、シュラの言う通り進んでリーダーになりたがるだろうけど……今と子供の頃じゃあ、結構違うからどうなんだろうな。

「シュラ、あなたクレア様たちのパーティー構成を忘れたの?」

「パーティー構成? 俺たちと同じで前衛が多いなってイメージではあるけど、それでも全然Bランクモンスターとかと戦える戦力を持ってると思うけど」

「そうじゃなく、パーティーの男女比率よ」

「……あぁ~~~~。確かにアリクさんだけが男だな……えっ…………ラガスさん、もしかしてそういう理由でアリクさんはリーダーになるのを避けてるんすかね」

「可能性としては、全然あるだろうな」

本当にそうなら、アリクは更に心身ともに成長した……ってことなのかな?
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