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もうない……とは言えない

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「ねぇねぇ、ラガス。あなた達はもう未開拓地を探索したんでしょ。どんな感じだったか教えてよ」

「それは気になりますね」

「……本当に未開拓地、って言葉が相応しい感じの場所かと」

「つまり、珍しいモンスターが多いって事?」

ある意味、珍しいモンスターが多いとも言えるな。

「これは俺が出会った例ですけど、刺青を入れたコボルトと遭遇したことがあるんですよ」

「刺青を入れた…………コボルトシャーマンではなく、他のコボルトもかい?」

「はい、そうですね。リースさんの認識は間違ってなくて、最終的に遭遇したコボルトシャーマンも、全身にびっしりと刺青を入れてました。ただ、それまでに遭遇した多くのコボルト、上位種も刺青を入れていて、身体能力が普通の個体と比べて格段に上がっていました」

「ラガス坊ちゃまの言う通り、たかがコボルトと嘗めてかかると、手痛い反撃を食らうどころではなく、ハンターの力量によっては最悪死んでもおかしくないかと」

メリルの補足通り、下から三番目のエメラルドランクぐらいのハンターなら、本当に侮った結果殺されても全然おかしくない強さを持ってる。

「へぇ~~~~……ラガスやシュラが満足そうな雰囲気が零れてるし、Bランクの上位種とかとも戦ったんでしょ」

「そうですね。最終的に元凶? のシャーマンと巨大コボルト、剣豪コボルト? といった感じのBランククラスの実力を持った刺青コボルトと戦いました」

俺が戦ったのは元凶の一つであるシャーマンだけなんだけど、パッと視た感じ側近らしき二体? も並の強さじゃないのは直ぐに解った。

「ねぇ、ラガス。その……刺青コボルト? はまだいるの?」

「どうですかね。俺たちで纏めて倒したと思うんですけど………………絶対にもういないとは、断言出来ないですね」

普通のシャーマンよりも格段に強いシャーマンはぶっ殺した。
刺青の効力を上げるであろうマジックアイテムもついでにぶっ壊した。

だから、もうあぁいった刺青個体は現れないと思うけど……まだ残っている遺跡に、あぁいった古のマジックアイテム? が残ってる可能性はあるから、あれをメイジかシャーマンが発見したら、また別の刺青個体が誕生する可能性は全然ありうる。

「あっ、でも刺青とか関係無しに、超ムキムキゴリマッチョなリザードマンとかとも遭遇しました」

「ムキムキのゴリマッチョ……やっぱり、普通のリザードマン以上に強いのよね」

「そうですね。打撃戦で、シュラが満足出来るぐらいには強いです」

「ラガスさんの言う通りっすね。いやぁ~~、あの攻撃力は受け方を間違えれば、ヒビ越えて骨折してたかもしれないっすね」

笑って言うことじゃないんだるけど、こういった答えの方がある意味伝わるみたいだな。

打撃をメインで戦うサルネさんなんて、超ワクワクした表情を浮かべてるし。

「後……モンスターの強さにはあまり関係無い……いや、関係はあったか」

「? あんまりモンスターとは関係無い、面白い何かがあったのか?」

「モンスターとは関係あるんだけど、未開拓地らしいことがあったなと思って」

「正体不明のドラゴンが現れたとかか?」

「アリク、さすがにそんな事があったら、別の場所で探索してたアリクの耳にも入ってる筈だよ」

とはいえ、そういう事が起きてもおかしくないと思ってしまうのが、未開拓地に恐ろしいところだな。

「ある池に、ユニコーンの頭蓋骨が落ちてたんだよ」

「っ! ラガス。それは本当なのですか?」

「はい。ルーフェイスが最初に違和感? に気付いて、俺たちがギルドに調査を頼んだ結果、本当にユニコーンの頭蓋骨だったって言うのが解りました」

「……その池には、何か効果が付与されていたなどありましたか?」

「流石鋭いですね、リースさん。おそらく、モンスターにとっては有益な水に変わっていたようで、多くのモンスターたちがその池の水を飲みに訪れていました」

あれはユニコーンというモンスターと言うより、幻獣に近い存在が殺されたという事実と、その骨が意見及ぼす効果のダブルで驚かされた。
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