万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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パンク寸前?

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「この、オーガ……本当に、堅かった、ね」

「中々斬り応えがあったって感じか?」

「うん…………こういう、相手と、戦れて、良かったと、思う」

「そうか、そりゃ良かった」

まぁ、楽な相手じゃなかっただろうな。

紫電崩牙を使うなら別だろうけど、ただ堅いだけじゃなくて、堅い上に速い。
それを考えれば、切断し切れなかった、貫ききれなかった時……ワンテンポ動作が遅れれば、捕まってしまう可能性がある。

「メデューサもそうですが、このオーガもなんだかんだで初見殺しになりそうですね」

「なんでだ? 身体能力が普通のオーガよりもヤバいって感じだろ」

「事前に話を聞いていても、対策出来るかどうかは別でしょう。シュラ、あなたは他のハンターたちよりも強い。そこまで言えば、解るでしょう」

「お、おぉう…………一応、な」

メリルにしては、珍しくシュラをストレートに褒めたな。

確かにメリルの言う通り、シュラの強さがあるからこそ、筋肉密度が半端ではないオーガに対して嬉々とした表情を浮かべながら挑める。

「タンクの人とか、対応が大変そうだな。トロール、サイクロプス……オーガジェネラルとかとの戦闘経験があれば大丈夫か?」

「オークジェネラルとの戦闘経験があるなら、なんとかなるかもしれませんね」

あれこれ喋りながら解体を終え、今回は三度目の探索ということもあり、割とスムーズに探索が進んでいく。


「この階、ですね」

以前、俺とセルシアが転移トラップで飛んでしまった階層まで到着。

「オッケー……あっち側が、まだ探索出来てないみたいだな」

エスエールさんたちが探索した場所の地図の写しを貰っているため、正直……このまま降りることは出来るが、それでもまだ解ってない場所は調べておきたい。

「……ラガスさん。もしこの地下遺跡が完全にダンジョン化したら、階層の広さとか色々と変わるんすかね」

「そうだな…………完全にダンジョン化したってなると、ボス部屋が必ず現れる筈だから、色々と変わるかもしれないな」

「そうっすよね。そうなったら、今作ってる地図って……意味無くなったりしないっすか」

「はぁ~~~~~~~……シュラ。あなた、探索期限が限られてるなら、さっさと下に下に降りたいと考えてるでしょう」

「うっ!!!」

ふふ、はっはっは!!! シュラらしい考えではあるな。
ぶっちゃけ、その気持ちは解らなくもない。

「シュラ。私たちはハンターとして活動してるのよ。仮にいずれ変形してしまうとしても、こういったマッピングも仕事の内なのよ。少なくとも、今すぐ完全にダンジョン化するとは限らないのよ」

「け、けどよぉ……」

「シュラ……仮に階層の通路が変化するかもしれないけど、完全に別物に変わるとは限らない。信用し過ぎるのも良くないかもしれないけど、変わってからも役立つ可能性はゼロじゃないんだ」

「…………そうっすね。ちょっと我儘が過ぎたっす」

いつ、ダンジョン化するか解らない……ぶっちゃけその通りではある。

仮に俺たちやエスエールさんたちの探索が切っ掛けで刺激を受け、ダンジョン化が加速しても……どうやって人工ダンジョン? を造ったのか、そこが解らないから予想も立てられない。

っていうか……まてよ………………今、ダンジョン化してる途中なら…………そもそも地下遺跡っていう、場所自体変化したりする、のか?

「……ラガス、考え、事?」

「い、いや。なんでもないよ、セルシア」

うん、止めとこう。
シュラのやっぱりマッピングなんてしなくても良いんじゃないかって思いが爆発するとかじゃなくて、もう……これ以上頭を悩ます話題を共有したり、先輩たちに伝えない方が良い筈だ。

エスエールさんたちがどこまでギルドに伝えてるのか知らないけど、お偉いさんたちは……多分パンク寸前じゃないかな。

とりあえず、これに関しては誰にも話さないでおこう。



「ラガス坊ちゃま……これは」

「普通じゃない、ことが起きてそうだな」

あれから数日後、順調に進んでいた俺たちは複数のコボルトの死体に遭遇。
その数……十体以上。

殺され、死体が完全放置されてることに、俺たちは違和感を感じにはいられなかった。
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