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ブラックボックス?
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「ダンジョンコア、もしくはSランクドラゴンの心臓か……ふっふっふ。可能性の話ではあるが、本当に面白い場所だな」
「同感です」
「…………」
そんな白い目を向けるなって、メリル。
ヤバい体験をしたって自覚はあるけど、それはそれでこれはこれなんだよ。
「あっ、そういえばセルシアと一緒に飛ばされて、上に登る途中にこんな物を手に入れました」
「ほほ~~~う。良いじゃん良いじゃん。Aランクモンスターに遭遇しなかってのを考えれば、一応儲けものか?」
偶々手に入れた武器、ランク六の風槍であるガルハートを見せると、エスエールさんたちは割と儲けものではあると口にした。
「ラガス君。それはどういった感じで置かれてたのかしら」
「部屋の一番奥に置かれ……飾られてましたね」
「そういった感じなのね…………そういえば、飛ばされた先でサンドリザードマンと遭遇したって言ってたわね」
「はい」
「サンドリザードマンなら、手に取ってもおかしくない……他の人型モンスターでも手に取ってもおかしくないのを考えると、今のところ特定の部屋が、ダンジョンで言う宝箱の役割を果たしてるのかもしれませんね」
っ!!! なるほど。確かにそういった考え方も出来るな。
あの部屋にはモンスターがいなかった。
後、モンスターの匂い……匂い…………あぁ~~~、匂いまで気にしてなかった~~~。
でも…………うん、その可能性はありそうだな。
「そうなると、何かしらの武器やマジックアイテムが飾られてる部屋は、俺たちにとってセーフティーポイント代わりになりそうですね」
「そうね。そういった考え方も出来るわね」
「マジか!! それなら、もうちょいリラックスして休息が取れそうだな!!」
「えぇ、そうね。とはいえ、地下遺跡が地下遺跡という形を保っているまでの間の話ね」
「???」
魔法使いのお姉さんも、俺らと同じ考えってことかな。
「私たちやラガス君たちが考えた仮説が当たってるなら、中途半端なダンジョンの形を保ち続けるのではなく、徐々に徐々に……本当の意味でダンジョンという形に変わる可能性が高いわ」
「そうだな…………俺も、ニーシャと同じ考えだ。ラガスたちも同じか?」
「…………あの地下遺跡へ、これまで探索してきた人たちが本当に誰もおらず、エスエールさんたちや自分たちが初めての探索者であれば、探索者という刺激を受けて成長する可能性はあるかと」
これに関しては、本当に根拠のない憶測でしかない。
人間で言うところの脳……ブラックボックス? って感じの存在だと、俺は思っている。
そもそも研究者とか、そういう気質を持ってるとかじゃないからあれだけど、解らない部分が多い存在だからこそ、あり得ないという考えが割とそこまであり得なくない可能性がある……気がする。
「なるほど……つまり、とんでもないダンジョンが生まれる可能性がある、ということだな」
「え、えっと…………そう、ですね。そうなるかと」
結局俺とセルシアが飛ばされた階層は、おそらく四十層より下の階層。
ダンジョンで例えるなら、かなり下の階層だ。
ただ……後数階も下れば、一番下に辿り着くとは思えなかった。
「胸が躍るな。胸が躍る……しかし、管理が面倒だな」
「そうね。未開拓地にあるというのがねぇ~~~」
「……大きな問題ですね」
場所が場所なだけに、見張りの兵士や冒険者を、騎士を常駐出来ない。
いや、出来る人はいるんだろうけど、見張りや管理という仕事に対して、あまりにもリスクが大きい。
ギルドからすれば、その仕事が出来る人を、本当に見張や管理に使う訳にはいかないだろうな。
「つかさ、仮にダンジョンっぽい地下遺跡が本当にダンジョンになっちまったとして階層順に、良い肝心モンスターの強さがバラけてくれるのか?」
「…………なるほど。やはり、胸が躍ると喜んでばかりいられないな」
うんうんと頷きながら、追加で頼んだ料理にかぶりつく。
本当に腹一杯になるまでご馳走になり、帰宅後……再び爆睡した。
「同感です」
「…………」
そんな白い目を向けるなって、メリル。
ヤバい体験をしたって自覚はあるけど、それはそれでこれはこれなんだよ。
「あっ、そういえばセルシアと一緒に飛ばされて、上に登る途中にこんな物を手に入れました」
「ほほ~~~う。良いじゃん良いじゃん。Aランクモンスターに遭遇しなかってのを考えれば、一応儲けものか?」
偶々手に入れた武器、ランク六の風槍であるガルハートを見せると、エスエールさんたちは割と儲けものではあると口にした。
「ラガス君。それはどういった感じで置かれてたのかしら」
「部屋の一番奥に置かれ……飾られてましたね」
「そういった感じなのね…………そういえば、飛ばされた先でサンドリザードマンと遭遇したって言ってたわね」
「はい」
「サンドリザードマンなら、手に取ってもおかしくない……他の人型モンスターでも手に取ってもおかしくないのを考えると、今のところ特定の部屋が、ダンジョンで言う宝箱の役割を果たしてるのかもしれませんね」
っ!!! なるほど。確かにそういった考え方も出来るな。
あの部屋にはモンスターがいなかった。
後、モンスターの匂い……匂い…………あぁ~~~、匂いまで気にしてなかった~~~。
でも…………うん、その可能性はありそうだな。
「そうなると、何かしらの武器やマジックアイテムが飾られてる部屋は、俺たちにとってセーフティーポイント代わりになりそうですね」
「そうね。そういった考え方も出来るわね」
「マジか!! それなら、もうちょいリラックスして休息が取れそうだな!!」
「えぇ、そうね。とはいえ、地下遺跡が地下遺跡という形を保っているまでの間の話ね」
「???」
魔法使いのお姉さんも、俺らと同じ考えってことかな。
「私たちやラガス君たちが考えた仮説が当たってるなら、中途半端なダンジョンの形を保ち続けるのではなく、徐々に徐々に……本当の意味でダンジョンという形に変わる可能性が高いわ」
「そうだな…………俺も、ニーシャと同じ考えだ。ラガスたちも同じか?」
「…………あの地下遺跡へ、これまで探索してきた人たちが本当に誰もおらず、エスエールさんたちや自分たちが初めての探索者であれば、探索者という刺激を受けて成長する可能性はあるかと」
これに関しては、本当に根拠のない憶測でしかない。
人間で言うところの脳……ブラックボックス? って感じの存在だと、俺は思っている。
そもそも研究者とか、そういう気質を持ってるとかじゃないからあれだけど、解らない部分が多い存在だからこそ、あり得ないという考えが割とそこまであり得なくない可能性がある……気がする。
「なるほど……つまり、とんでもないダンジョンが生まれる可能性がある、ということだな」
「え、えっと…………そう、ですね。そうなるかと」
結局俺とセルシアが飛ばされた階層は、おそらく四十層より下の階層。
ダンジョンで例えるなら、かなり下の階層だ。
ただ……後数階も下れば、一番下に辿り着くとは思えなかった。
「胸が躍るな。胸が躍る……しかし、管理が面倒だな」
「そうね。未開拓地にあるというのがねぇ~~~」
「……大きな問題ですね」
場所が場所なだけに、見張りの兵士や冒険者を、騎士を常駐出来ない。
いや、出来る人はいるんだろうけど、見張りや管理という仕事に対して、あまりにもリスクが大きい。
ギルドからすれば、その仕事が出来る人を、本当に見張や管理に使う訳にはいかないだろうな。
「つかさ、仮にダンジョンっぽい地下遺跡が本当にダンジョンになっちまったとして階層順に、良い肝心モンスターの強さがバラけてくれるのか?」
「…………なるほど。やはり、胸が躍ると喜んでばかりいられないな」
うんうんと頷きながら、追加で頼んだ料理にかぶりつく。
本当に腹一杯になるまでご馳走になり、帰宅後……再び爆睡した。
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