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ロマンはあるが
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「いやぁ~~、マジ美味いっすね!!」
「そうだろ……それにしても、本当によく無事に戻ってこれたな」
「そうっすね。本当にもう……運が良かったですよ」
「ほぅ。そこはそれ相応の実力を持ってたから、とは言わないんだな」
……俺、そんなに自信家に思われてるのか?
一応自分の実力に自信はあるけど、今回は事情が事情だった。
「幸いな事に、Bランクのモンスターと遭遇する機会はありましけど、Aランクモンスターと遭遇する機会はありませんでしたからね」
「……個人的に、ラガスとセルシアの二人が遭遇したモンスターの中だと、レイザージャガーが厄介だと感じたな」
「直線的な速さだけど、かなり速かったですね。そういうモンスターだと知らなかったら、初見殺しされる可能性はあるかと。後はまぁ……厄介なモンスターで言うと、メリルたちが遭遇したメデューサが結構遭遇したくないモンスターじゃないですかね」
「そうね~~~。ラガス君の言う通り、ぱったり出くわしたくないモンスターね」
魔法使いのお姉さんが言う通り、メデューサってモンスターは事前情報を知ってようが、初見殺しモンスターと変わらない厄介さを持ってる……と思う。
「俺たちはなるべく最短距離で上に登って、メリルたちもほぼほぼ最短距離で降りてくれたんで、もしかしたら単純にAランクモンスターに……本当に運良く遭遇してなかっただけってこともあるかと」
「それはあるだろうな…………じゃあ、次は少し話し合いたいことがある」
情報の共有……会議? をしたいってこと?
「もしかして、地下遺跡そのものに関してですか?」
「話が早くて助かる。俺たちも探索していて感じたが、あの広さ……階層数は、遺跡という範囲を遥かに越えている」
「大きな城なんじゃないかって考えたりしたけど、それだとあの広さや階層の構造的に色々と合わないのよね~~」
エスエールさんたちも、当然と言えば当然、そういう考えに至ってるんだな。
「ラガス。俺たちはあの地下遺跡が、元は地下遺跡……かつて滅んだ文明の城が、ダンジョン化していると思うんだが、お前たちはどう思う」
「……色々と、エスエールさんたちが考え付いた内容と被ってます。俺たちも同じ事を考えてて、丁度離れて行動してる間に、俺とセルシアは地下遺跡の何処かにダンジョンコアがあるんじゃないか。シュラとメリルはSランクドラゴンの心臓があるんじゃないか……それらが同源となって、地下遺跡がダンジョンへと変化してるんじゃないかって言うのが、俺たちの考えです」
ラガスたちの考えを聞いて、Sランクドラゴンの心臓って言うのは、物凄く納得出来た。
だって、ダンジョンもそりゃ数が多い訳じゃないけど、Sランクドラゴンの方が遥かに数が少ないってイメージがある。
「な~~~るほどねぇ……そっかそっか。ダンジョンコアだけじゃなくて、ドラゴンの心臓っていうのも超良い動力源になるか」
ちょいチャラ目なお兄さんはリスみたいに口に料理を詰め込みながらも、うんうんと頷きながら俺たちの考えに納得のいく素振りを見せる。
「Sランクのってなると、そうね…………出来なくはなさそうね」
「超個人的な予想ですけど、仮にSランクドラゴンの心臓とかを使わず、ダンジョンコアをメインにして使っていると、大昔にダンジョンコアを使って、人工ダンジョンを造れるって考えた人がいたんじゃないかって思いました」
「人工ダンジョンね。ロマンのある内容だけど、普通に考えれば思い付いても実行できない……でも、大昔の人は城? が攻め潰される前に、上手くいくと確証もない実験を行ったと……そう言いたいのね」
「はい。というか、そういう状況とかじゃないと、もう……こう、色んな意味でそんな実験は出来ないと思って」
「……そういえば、ティール君は錬金術を嗜んでるのよね」
「はい。そっちに関してはケツ殻が付いた実力ですが」
「滅多に出来る実験じゃない、何故出来ないかをちゃんと考えられるだけ一人前よ」
褒められた、んだよな?
とりあえず、答え合わせが出来たようで何より。
役に立てたみたいだし、追加注文しよっと。
「そうだろ……それにしても、本当によく無事に戻ってこれたな」
「そうっすね。本当にもう……運が良かったですよ」
「ほぅ。そこはそれ相応の実力を持ってたから、とは言わないんだな」
……俺、そんなに自信家に思われてるのか?
一応自分の実力に自信はあるけど、今回は事情が事情だった。
「幸いな事に、Bランクのモンスターと遭遇する機会はありましけど、Aランクモンスターと遭遇する機会はありませんでしたからね」
「……個人的に、ラガスとセルシアの二人が遭遇したモンスターの中だと、レイザージャガーが厄介だと感じたな」
「直線的な速さだけど、かなり速かったですね。そういうモンスターだと知らなかったら、初見殺しされる可能性はあるかと。後はまぁ……厄介なモンスターで言うと、メリルたちが遭遇したメデューサが結構遭遇したくないモンスターじゃないですかね」
「そうね~~~。ラガス君の言う通り、ぱったり出くわしたくないモンスターね」
魔法使いのお姉さんが言う通り、メデューサってモンスターは事前情報を知ってようが、初見殺しモンスターと変わらない厄介さを持ってる……と思う。
「俺たちはなるべく最短距離で上に登って、メリルたちもほぼほぼ最短距離で降りてくれたんで、もしかしたら単純にAランクモンスターに……本当に運良く遭遇してなかっただけってこともあるかと」
「それはあるだろうな…………じゃあ、次は少し話し合いたいことがある」
情報の共有……会議? をしたいってこと?
「もしかして、地下遺跡そのものに関してですか?」
「話が早くて助かる。俺たちも探索していて感じたが、あの広さ……階層数は、遺跡という範囲を遥かに越えている」
「大きな城なんじゃないかって考えたりしたけど、それだとあの広さや階層の構造的に色々と合わないのよね~~」
エスエールさんたちも、当然と言えば当然、そういう考えに至ってるんだな。
「ラガス。俺たちはあの地下遺跡が、元は地下遺跡……かつて滅んだ文明の城が、ダンジョン化していると思うんだが、お前たちはどう思う」
「……色々と、エスエールさんたちが考え付いた内容と被ってます。俺たちも同じ事を考えてて、丁度離れて行動してる間に、俺とセルシアは地下遺跡の何処かにダンジョンコアがあるんじゃないか。シュラとメリルはSランクドラゴンの心臓があるんじゃないか……それらが同源となって、地下遺跡がダンジョンへと変化してるんじゃないかって言うのが、俺たちの考えです」
ラガスたちの考えを聞いて、Sランクドラゴンの心臓って言うのは、物凄く納得出来た。
だって、ダンジョンもそりゃ数が多い訳じゃないけど、Sランクドラゴンの方が遥かに数が少ないってイメージがある。
「な~~~るほどねぇ……そっかそっか。ダンジョンコアだけじゃなくて、ドラゴンの心臓っていうのも超良い動力源になるか」
ちょいチャラ目なお兄さんはリスみたいに口に料理を詰め込みながらも、うんうんと頷きながら俺たちの考えに納得のいく素振りを見せる。
「Sランクのってなると、そうね…………出来なくはなさそうね」
「超個人的な予想ですけど、仮にSランクドラゴンの心臓とかを使わず、ダンジョンコアをメインにして使っていると、大昔にダンジョンコアを使って、人工ダンジョンを造れるって考えた人がいたんじゃないかって思いました」
「人工ダンジョンね。ロマンのある内容だけど、普通に考えれば思い付いても実行できない……でも、大昔の人は城? が攻め潰される前に、上手くいくと確証もない実験を行ったと……そう言いたいのね」
「はい。というか、そういう状況とかじゃないと、もう……こう、色んな意味でそんな実験は出来ないと思って」
「……そういえば、ティール君は錬金術を嗜んでるのよね」
「はい。そっちに関してはケツ殻が付いた実力ですが」
「滅多に出来る実験じゃない、何故出来ないかをちゃんと考えられるだけ一人前よ」
褒められた、んだよな?
とりあえず、答え合わせが出来たようで何より。
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