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何が待っている?

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「…………ねぇ、ラガス」

「ん? どうした」

「あっち、から……何か、感じる」

サンドリザードマンの解体を無事終え、再び地上を目指して移動し始めてから数十分。

セルシアが、ある方向を指さした。

「……? モンスターは、いなさそうだな」

「うん、多分。でも……何かある」

「そうか…………オッケー。行ってみるか」

「良いの?」

「勿論。せっかくの機会って言うのはちょっとあれだけど、少しぐらい冒険しても良いだろ」

メリルが傍にいれば起こるだろうけど、言わなきゃバレないバレない。
それに、しっかりモンスターの気配と、地面に仕掛けられてるかもしれないトラップを回避すれば、殆どリスクはない……筈。

「モンスターはいなさそうだけど、何かしらの気配は感じる、か…………もしかしたら、あれかもな」

「あれ、って?」

「ほら、もしかしたらこの地下遺跡の建物の……動力源? は、ダンジョンコアかもしれないって話しただろ」

「うん」

「その予想が当たってたとして、それで本当にこの地下遺跡のダンジョン化が進んでたとしたら、ボス部屋が生まれてるかもしれないだろ」

「…………なる、ほど」

実際に、ダンジョンのボス部屋前に到着しても、ボス部屋の中にいるモンスターの強さは感じ取れない。

なんでって思うが、ダンジョンだから……としか説明できないんだよな。
とはいえ、セルシアが指さす方向には、おそらく上の階に続く階段、下の階に続く階段はない。

この先、上に続く階段の場所が変更? される可能性はあるかもしれないけど、今すぐは行われない筈……となれば、試験的なボス部屋か?

「ボス部屋、なら……最低、でも……Bランクモンスター。それが……二体、とか三体、とか?」

「かもしれないな」

仮説が当たっていれば、いずれは階層によってモンスターの強さがある程度管理されるだろう。

ただ、現段階では比較的浅い階層であっても、Aランクモンスターや、エスエールさんたちが戦ったAランククラスの実力を持つキマイラなどが徘徊してる。

……一応、速攻で殺れる準備はしておかないとな。

「扉がある、ね」

「みたいだな。比較的ない場所の方が多いんだが……どっちなんだろうな」

セルシアが何かを感じ取った部屋。
その部屋の扉の前まで来ても、モンスターの気配は感じない。

それでも、いつでも攻撃出来るように、貫通力を高めた回転弾をいくつか用意しておく。

「ふぅーーーー……よし、入るぞ」

「うん」

勢い良く扉を開けると………………中には、何もなかった。
いや、正確に言えば椅子とか、少し生活感がある物が転がってるんだけど、警戒していたモンスターはなかった。

「………………どうやら、床や壁にもトラップはない……と思う」

「それは、良かった……ラガス。あれ」

「……なるほど。あれだったか」

セルシアが指をさす方向には、壁にかけられている一本の槍があった。

狼竜眼の鑑定効果を使わずとも、一目で業物だと解る槍だ。

そして…………おそらく、罠はない。

「よっと……ふ、ふっふっふ。やっぱり、かなりの名槍だったな」

「ランクは五? それとも、六?」

「六だ。風属性が付与された名槍だ」

名前はガルハート。

なんと言うか、丁度良い重さだな。
重くなく、軽くもない。
使い手としては、非常に使い易い重さって感じがする。

「私も、持っても、良い?」

「おぅ、勿論良いぞ」

「ありがと」

受け取ると、セルシアはその場で見様見真似ながら、ガルハートを何度か振るった。

「…………………………ふぅーーーー。これ、丁度良い、重さだね」

「セルシアもそう感じたか」

俺とセルシアでは、同じサイズの武器を持った時に思う丁度良い重さは違う。

さっき視たけど、そういう効果が付与されてなかった。
という事は……ガルハートが持つ特殊性質、ってやつか?

何にしても、不謹慎ではあるけど、転移トラップで飛ばされた甲斐があると言える武器を手に入れた。
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