897 / 986
何が待っている?
しおりを挟む
「…………ねぇ、ラガス」
「ん? どうした」
「あっち、から……何か、感じる」
サンドリザードマンの解体を無事終え、再び地上を目指して移動し始めてから数十分。
セルシアが、ある方向を指さした。
「……? モンスターは、いなさそうだな」
「うん、多分。でも……何かある」
「そうか…………オッケー。行ってみるか」
「良いの?」
「勿論。せっかくの機会って言うのはちょっとあれだけど、少しぐらい冒険しても良いだろ」
メリルが傍にいれば起こるだろうけど、言わなきゃバレないバレない。
それに、しっかりモンスターの気配と、地面に仕掛けられてるかもしれないトラップを回避すれば、殆どリスクはない……筈。
「モンスターはいなさそうだけど、何かしらの気配は感じる、か…………もしかしたら、あれかもな」
「あれ、って?」
「ほら、もしかしたらこの地下遺跡の建物の……動力源? は、ダンジョンコアかもしれないって話しただろ」
「うん」
「その予想が当たってたとして、それで本当にこの地下遺跡のダンジョン化が進んでたとしたら、ボス部屋が生まれてるかもしれないだろ」
「…………なる、ほど」
実際に、ダンジョンのボス部屋前に到着しても、ボス部屋の中にいるモンスターの強さは感じ取れない。
なんでって思うが、ダンジョンだから……としか説明できないんだよな。
とはいえ、セルシアが指さす方向には、おそらく上の階に続く階段、下の階に続く階段はない。
この先、上に続く階段の場所が変更? される可能性はあるかもしれないけど、今すぐは行われない筈……となれば、試験的なボス部屋か?
「ボス部屋、なら……最低、でも……Bランクモンスター。それが……二体、とか三体、とか?」
「かもしれないな」
仮説が当たっていれば、いずれは階層によってモンスターの強さがある程度管理されるだろう。
ただ、現段階では比較的浅い階層であっても、Aランクモンスターや、エスエールさんたちが戦ったAランククラスの実力を持つキマイラなどが徘徊してる。
……一応、速攻で殺れる準備はしておかないとな。
「扉がある、ね」
「みたいだな。比較的ない場所の方が多いんだが……どっちなんだろうな」
セルシアが何かを感じ取った部屋。
その部屋の扉の前まで来ても、モンスターの気配は感じない。
それでも、いつでも攻撃出来るように、貫通力を高めた回転弾をいくつか用意しておく。
「ふぅーーーー……よし、入るぞ」
「うん」
勢い良く扉を開けると………………中には、何もなかった。
いや、正確に言えば椅子とか、少し生活感がある物が転がってるんだけど、警戒していたモンスターはなかった。
「………………どうやら、床や壁にもトラップはない……と思う」
「それは、良かった……ラガス。あれ」
「……なるほど。あれだったか」
セルシアが指をさす方向には、壁にかけられている一本の槍があった。
狼竜眼の鑑定効果を使わずとも、一目で業物だと解る槍だ。
そして…………おそらく、罠はない。
「よっと……ふ、ふっふっふ。やっぱり、かなりの名槍だったな」
「ランクは五? それとも、六?」
「六だ。風属性が付与された名槍だ」
名前はガルハート。
なんと言うか、丁度良い重さだな。
重くなく、軽くもない。
使い手としては、非常に使い易い重さって感じがする。
「私も、持っても、良い?」
「おぅ、勿論良いぞ」
「ありがと」
受け取ると、セルシアはその場で見様見真似ながら、ガルハートを何度か振るった。
「…………………………ふぅーーーー。これ、丁度良い、重さだね」
「セルシアもそう感じたか」
俺とセルシアでは、同じサイズの武器を持った時に思う丁度良い重さは違う。
さっき視たけど、そういう効果が付与されてなかった。
という事は……ガルハートが持つ特殊性質、ってやつか?
何にしても、不謹慎ではあるけど、転移トラップで飛ばされた甲斐があると言える武器を手に入れた。
「ん? どうした」
「あっち、から……何か、感じる」
サンドリザードマンの解体を無事終え、再び地上を目指して移動し始めてから数十分。
セルシアが、ある方向を指さした。
「……? モンスターは、いなさそうだな」
「うん、多分。でも……何かある」
「そうか…………オッケー。行ってみるか」
「良いの?」
「勿論。せっかくの機会って言うのはちょっとあれだけど、少しぐらい冒険しても良いだろ」
メリルが傍にいれば起こるだろうけど、言わなきゃバレないバレない。
それに、しっかりモンスターの気配と、地面に仕掛けられてるかもしれないトラップを回避すれば、殆どリスクはない……筈。
「モンスターはいなさそうだけど、何かしらの気配は感じる、か…………もしかしたら、あれかもな」
「あれ、って?」
「ほら、もしかしたらこの地下遺跡の建物の……動力源? は、ダンジョンコアかもしれないって話しただろ」
「うん」
「その予想が当たってたとして、それで本当にこの地下遺跡のダンジョン化が進んでたとしたら、ボス部屋が生まれてるかもしれないだろ」
「…………なる、ほど」
実際に、ダンジョンのボス部屋前に到着しても、ボス部屋の中にいるモンスターの強さは感じ取れない。
なんでって思うが、ダンジョンだから……としか説明できないんだよな。
とはいえ、セルシアが指さす方向には、おそらく上の階に続く階段、下の階に続く階段はない。
この先、上に続く階段の場所が変更? される可能性はあるかもしれないけど、今すぐは行われない筈……となれば、試験的なボス部屋か?
「ボス部屋、なら……最低、でも……Bランクモンスター。それが……二体、とか三体、とか?」
「かもしれないな」
仮説が当たっていれば、いずれは階層によってモンスターの強さがある程度管理されるだろう。
ただ、現段階では比較的浅い階層であっても、Aランクモンスターや、エスエールさんたちが戦ったAランククラスの実力を持つキマイラなどが徘徊してる。
……一応、速攻で殺れる準備はしておかないとな。
「扉がある、ね」
「みたいだな。比較的ない場所の方が多いんだが……どっちなんだろうな」
セルシアが何かを感じ取った部屋。
その部屋の扉の前まで来ても、モンスターの気配は感じない。
それでも、いつでも攻撃出来るように、貫通力を高めた回転弾をいくつか用意しておく。
「ふぅーーーー……よし、入るぞ」
「うん」
勢い良く扉を開けると………………中には、何もなかった。
いや、正確に言えば椅子とか、少し生活感がある物が転がってるんだけど、警戒していたモンスターはなかった。
「………………どうやら、床や壁にもトラップはない……と思う」
「それは、良かった……ラガス。あれ」
「……なるほど。あれだったか」
セルシアが指をさす方向には、壁にかけられている一本の槍があった。
狼竜眼の鑑定効果を使わずとも、一目で業物だと解る槍だ。
そして…………おそらく、罠はない。
「よっと……ふ、ふっふっふ。やっぱり、かなりの名槍だったな」
「ランクは五? それとも、六?」
「六だ。風属性が付与された名槍だ」
名前はガルハート。
なんと言うか、丁度良い重さだな。
重くなく、軽くもない。
使い手としては、非常に使い易い重さって感じがする。
「私も、持っても、良い?」
「おぅ、勿論良いぞ」
「ありがと」
受け取ると、セルシアはその場で見様見真似ながら、ガルハートを何度か振るった。
「…………………………ふぅーーーー。これ、丁度良い、重さだね」
「セルシアもそう感じたか」
俺とセルシアでは、同じサイズの武器を持った時に思う丁度良い重さは違う。
さっき視たけど、そういう効果が付与されてなかった。
という事は……ガルハートが持つ特殊性質、ってやつか?
何にしても、不謹慎ではあるけど、転移トラップで飛ばされた甲斐があると言える武器を手に入れた。
187
お気に入りに追加
3,498
あなたにおすすめの小説

女神様、もっと早く祝福が欲しかった。
しゃーりん
ファンタジー
アルーサル王国には、女神様からの祝福を授かる者がいる。…ごくたまに。
今回、授かったのは6歳の王女であり、血縁の判定ができる魔力だった。
女神様は国に役立つ魔力を授けてくれる。ということは、血縁が乱れてるってことか?
一人の倫理観が異常な男によって、国中の貴族が混乱するお話です。ご注意下さい。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

眠り姫な私は王女の地位を剥奪されました。実は眠りながらこの国を護っていたのですけれどね
たつき
ファンタジー
「おまえは王族に相応しくない!今日限りで追放する!」
「お父様!何故ですの!」
「分かり切ってるだろ!おまえがいつも寝ているからだ!」
「お兄様!それは!」
「もういい!今すぐ出て行け!王族の権威を傷つけるな!」
こうして私は王女の身分を剥奪されました。
眠りの世界でこの国を魔物とかから護っていただけですのに。
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
勇者パーティを追放された聖女ですが、やっと解放されてむしろ感謝します。なのにパーティの人たちが続々と私に助けを求めてくる件。
八木愛里
ファンタジー
聖女のロザリーは戦闘中でも回復魔法が使用できるが、勇者が見目麗しいソニアを新しい聖女として迎え入れた。ソニアからの入れ知恵で、勇者パーティから『役立たず』と侮辱されて、ついに追放されてしまう。
パーティの人間関係に疲れたロザリーは、ソロ冒険者になることを決意。
攻撃魔法の魔道具を求めて魔道具屋に行ったら、店主から才能を認められる。
ロザリーの実力を知らず愚かにも追放した勇者一行は、これまで攻略できたはずの中級のダンジョンでさえ失敗を繰り返し、仲間割れし破滅へ向かっていく。
一方ロザリーは上級の魔物討伐に成功したり、大魔法使いさまと協力して王女を襲ってきた魔獣を倒したり、国の英雄と呼ばれる存在になっていく。
これは真の実力者であるロザリーが、ソロ冒険者としての地位を確立していきながら、残念ながら追いかけてきた魔法使いや女剣士を「虫が良すぎるわ!」と追っ払い、入り浸っている魔道具屋の店主が実は憧れの大魔法使いさまだが、どうしても本人が気づかない話。
※11話以降から勇者パーティの没落シーンがあります。
※40話に鬱展開あり。苦手な方は読み飛ばし推奨します。
※表紙はAIイラストを使用。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる