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思い付いたとしても

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「…………」

「何で、そんな不満そうな顔、してるんだ?」

セルシアは無事にサンドリザードマンを六体倒し終わり、俺は現在モンスターがいない部屋? で六つの死体を解体していた。

やっぱり、メリルがいないだけで、かなり大変だって感じるな~~。

「なんか、あいつら……途中、から、弱く? なった」

「確かに、そう見えなくもないな。まっ、セルシアがあっさり同族を三体も倒したから、結果ビビったんだろうな」

「あっさり、じゃ、なかった、よ」

「そうか。でも、実際に戦ってる相手がどう思うかは、そいつの勝手だろ。そりゃセルシアは楽に三体を武器を破壊して、葬ったわけじゃないのかもしれないが、傍から見てると、かなり鮮やかだった」

実際のところあっさりとじゃなかったのは、多分本当なんだろう。

あのサンドリザードマンたち、魔闘気まで纏えてたからな。
緊張感は……六体という数を考えれば、この前戦ったレイザージャガーより上か。

「…………だから、って。まだ、三体も、いたんだよ」

「二体が一体に減ったんじゃなくて、六体が三体に減ったからな。同じ半分でも、絶望感が違うんだろ」

「なる、ほど……でも、ちゃんと、強かった」

セルシアの言う通り、あのサンドリザードマンたちはちゃんと強かった。
もっとちゃんと六体での戦術が上手ければ、セルシアも紫電崩牙を使わないといけなかったかもしれない。

「……ねぇ、ラガス。改め、て、ここは、どうなってると、思う?」

「ん~~~~~………………物凄く、突拍子もない考えだけど、もしかしたら、この大きな大きな地下遺跡のどこかに、ダンジョンコアが存在してるんじゃないかって考えてる」

戦闘によって地面や壁、天井が傷付いても、自動で修復する。

トラップは一度発動した後、また復活する。
今のところ宝箱とか、ボス部屋とかは存在しないけど、やっぱり地下遺跡ってだけで説明出来ないほど、ダンジョンの構造に似てる。

「ダンジョン、コアが……一番、下にある、ってこと?」

「一番下なのか、それともこの地下遺跡的に一番重要な場所にあるのかは解らない。てか、ダンジョンコアをどうにかして使用? したとしても、その建物をダンジョン化出来るなんて聞いたこともないけどな」

本当にこれは俺の憶測でしかない。
錬金術に関してはある程度知識を持ってるつもりだけど、建物をダンジョン化……っていうか、人工的に? ダンジョンを造ろうとした人の話なんて、全く聞いたことがない。

ただ、同じぐらいダンジョンコアっていうアイテムの使用用途も、まだ明確には解ってない。

「……この、建物は、凄く、大きいん、だよね」

「そうだな。なんで、って疑問が考えても考えても止まらないぐらい大きいと思う」

「それ、じゃあ…………仮に、ダンジョンコアを、どうにかして、使って、たら……そのせいで、今、ここまで、大きくなってる?」

「っ!!!! ……それは……それは……………………どうなんだろう、な」

やべぇ……そうだよな。仮にダンジョンコアを何かしらの方法で、建物をダンジョン化する重要アイテムとして使えるな。

でも、なんでこんな面白そうな事を誰も…………いや、そうか。そうだよな。

「はぁ~~~~~~。そりゃあ、基本的に誰もやらないよな~~~」

「どう、したの?」

「当たり前のことに気付いた、だけだよ」

当然、ダンジョンの源とも言われているダンジョンコアは、非常に貴重な素材だ。

人によっては、セルシアが持つ紫電崩牙よりも貴重だと判断する人もいるだろうな。
だから、容易にダンジョンコアを実験素材として使えない。

つか………仮に人工ダンジョン? を造れたとしても、暴走して人間に被害が出ない保証はない。

というか、そもそもな話、ダンジョンコアを取り除けばダンジョンがダンジョンとしての機能を失って消えるから、まずダンジョンから得られる利益を考えると、そもそもダンジョンコアを取り除いても良いのかって問題が出てくるだろうな。

なんにしても、俺が思い付いた想像が当たってるな、昔の人は随分とぶっ飛んだことをしたもんだ。
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