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SIDE ラガス
「全く……なんでこんな個体がここにいるんだか」
一応、順調に上には迎えてる……筈。
偶にBランクのモンスターとも遭遇するけど、俺やセルシアが大ダメージを負うことはない。
エスエールさんたちが遭遇したAランククラスのキマイラみたいなモンスターとは遭遇してない。
そんな中、現在セルシアがリザードマンの……亜種? って感じの個体、サンドリザードマンと戦ってる。
数は六対で、奴らが使ってる武器は剣ではなく槍だった。
傍から見て……一流とまでは言えずとも、槍の扱いは二流と呼べるぐらいにはある。
武器は……まだここまで来られる探索者が少ないからか、特別性がある槍を持っている個体はいない。
ただ、特徴があるとすれば、意外と頑丈そうってことぐらいか?
「ッ……っ! むっ……ッ!!!」
言わずもがな、リーチはサンドリザードマンの方が高い。
魔力や闘気を使えば話は別だが、魔力だけではなく、闘気まで使えるのはサンドリザードマンたちも同じだった。
それと数が六対……リーチの長さも含めれば、パッと見イジメやリンチに見えなくもない。
実際にセルシアの表情はやや険しい。
ただ、俺に助けを求めてこないってことは……まだ、楽しいと感じる範囲内なんだろうな。
正直なところ、戦闘経験がない個体ならって思ってたけど、どうもセルシアとの戦闘を見る限り……それなりに戦い慣れてるように見える。
まだ探索者が多くない、おそらくこの階層まで探索した冒険者たちがいないってことを考えるに、モンスター同士で戦り合ってると考えられる。
どこからモンスターが現れてるのかは知らないけど、モンスター同士で戦り合ってるなら、それはそれで面倒だな。
「……セルシア、そろそろ手を貸そうか?」
「大丈、夫。ラガス、は……そのまま、見張って、て」
「了解」
……ここ最近、楽しんでる時が多いな。
まぁ、この土地やこの地下遺跡に生息しているモンスターの強さを考えれば、当然といえば当然か。
それでも、あの腕と数を持ってるとなると……って、考えてる間に一体殺られたな。
「ィ、ギっ!!!!???? ッ、ッ……」
邪魔になるだろうし、ささっと回収しておこう。
「……ッ、フッ!! ……っ、シッ!! ハッ!!!」
「「ッ!!??」」
「偶には、こういう、戦い方、も、悪く、ない……かな」
……よく、細剣で武器破壊をやるな。
サンドリザードマンの武器は、間違いなく一流には届かなくても、一定以上の技術力をを持つ槍技の技術。
実際にこいつらはそこまでアビリティレベルは高くないが、それでも六体全てが槍技のアビリティを会得していた。
そんな武器を破壊されては……当然ながら、焦る。
「っ、ジャアアアアアアアッ!!! ッ……ァ」
焦って、動きが乱れ、それでも戦おうと、目の前の敵をぶっ倒そうとする意志は立派だが、それでも急に拳を握ったところで、あっさりと心臓か脳、もしくは首を貫かれて死ぬだけ。
体技を持つアビリティを持つ個体は……二体だけか。
その二体も、アビリティレベルは一と二だけ。
元々そういう個体でもないから、メイン武器を失えばあっさりと殺されるのは、当然の流れと言えた。
技術力がなくとも、その人間より高い戦闘力を活用して、無理矢理ぶち殺せるのがモンスターの強味だろうけど……身体能力が近ければ、それは意味をなさない。
「うん……やっぱり、六体、は……ちょっと、数が、多かった」
「「「ッ…………」」」
「それ、じゃあ……ちゃんと、戦ろう」
セルシアはサンドリザードマンの数が六体から三体まで減ったところで、武器破壊を止めた。
その事実に……どうやら、サンドリザードマンは怒り狂う余裕はなかったみたいだな。
それほどまで、同族が三体も殺られたという衝撃が大きいのか……それとも、単純に目の前の人間の戦闘力に、あいつらの本能が恐怖したのか。
セルシアにとっては、三体まで数を減らしてからが本番みたいだったが、意外にもそこからは一分と経たず残りのサンドリザードマンたちを細剣に急所を斬られ貫かれ、槍を一度も当てられずに息絶えた。
「全く……なんでこんな個体がここにいるんだか」
一応、順調に上には迎えてる……筈。
偶にBランクのモンスターとも遭遇するけど、俺やセルシアが大ダメージを負うことはない。
エスエールさんたちが遭遇したAランククラスのキマイラみたいなモンスターとは遭遇してない。
そんな中、現在セルシアがリザードマンの……亜種? って感じの個体、サンドリザードマンと戦ってる。
数は六対で、奴らが使ってる武器は剣ではなく槍だった。
傍から見て……一流とまでは言えずとも、槍の扱いは二流と呼べるぐらいにはある。
武器は……まだここまで来られる探索者が少ないからか、特別性がある槍を持っている個体はいない。
ただ、特徴があるとすれば、意外と頑丈そうってことぐらいか?
「ッ……っ! むっ……ッ!!!」
言わずもがな、リーチはサンドリザードマンの方が高い。
魔力や闘気を使えば話は別だが、魔力だけではなく、闘気まで使えるのはサンドリザードマンたちも同じだった。
それと数が六対……リーチの長さも含めれば、パッと見イジメやリンチに見えなくもない。
実際にセルシアの表情はやや険しい。
ただ、俺に助けを求めてこないってことは……まだ、楽しいと感じる範囲内なんだろうな。
正直なところ、戦闘経験がない個体ならって思ってたけど、どうもセルシアとの戦闘を見る限り……それなりに戦い慣れてるように見える。
まだ探索者が多くない、おそらくこの階層まで探索した冒険者たちがいないってことを考えるに、モンスター同士で戦り合ってると考えられる。
どこからモンスターが現れてるのかは知らないけど、モンスター同士で戦り合ってるなら、それはそれで面倒だな。
「……セルシア、そろそろ手を貸そうか?」
「大丈、夫。ラガス、は……そのまま、見張って、て」
「了解」
……ここ最近、楽しんでる時が多いな。
まぁ、この土地やこの地下遺跡に生息しているモンスターの強さを考えれば、当然といえば当然か。
それでも、あの腕と数を持ってるとなると……って、考えてる間に一体殺られたな。
「ィ、ギっ!!!!???? ッ、ッ……」
邪魔になるだろうし、ささっと回収しておこう。
「……ッ、フッ!! ……っ、シッ!! ハッ!!!」
「「ッ!!??」」
「偶には、こういう、戦い方、も、悪く、ない……かな」
……よく、細剣で武器破壊をやるな。
サンドリザードマンの武器は、間違いなく一流には届かなくても、一定以上の技術力をを持つ槍技の技術。
実際にこいつらはそこまでアビリティレベルは高くないが、それでも六体全てが槍技のアビリティを会得していた。
そんな武器を破壊されては……当然ながら、焦る。
「っ、ジャアアアアアアアッ!!! ッ……ァ」
焦って、動きが乱れ、それでも戦おうと、目の前の敵をぶっ倒そうとする意志は立派だが、それでも急に拳を握ったところで、あっさりと心臓か脳、もしくは首を貫かれて死ぬだけ。
体技を持つアビリティを持つ個体は……二体だけか。
その二体も、アビリティレベルは一と二だけ。
元々そういう個体でもないから、メイン武器を失えばあっさりと殺されるのは、当然の流れと言えた。
技術力がなくとも、その人間より高い戦闘力を活用して、無理矢理ぶち殺せるのがモンスターの強味だろうけど……身体能力が近ければ、それは意味をなさない。
「うん……やっぱり、六体、は……ちょっと、数が、多かった」
「「「ッ…………」」」
「それ、じゃあ……ちゃんと、戦ろう」
セルシアはサンドリザードマンの数が六体から三体まで減ったところで、武器破壊を止めた。
その事実に……どうやら、サンドリザードマンは怒り狂う余裕はなかったみたいだな。
それほどまで、同族が三体も殺られたという衝撃が大きいのか……それとも、単純に目の前の人間の戦闘力に、あいつらの本能が恐怖したのか。
セルシアにとっては、三体まで数を減らしてからが本番みたいだったが、意外にもそこからは一分と経たず残りのサンドリザードマンたちを細剣に急所を斬られ貫かれ、槍を一度も当てられずに息絶えた。
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