874 / 954
どっちも解る
しおりを挟む
「どうだ、メリル。注文通りだろ」
「えぇ。お二人とも、私の我儘を聞いていただきありがとうございます」
「んじゃ、さっさと解体しちゃおうか」
いつも通り、俺とメリルが中心となってポイズンセンチネルの解体をスタート。
「にしてもあれっすね。昆虫系のモンスター……あれ? 百足って昆虫でしたっけ?」
「百足は…………一応、昆虫の部類で合ってるんじゃないか」
前世で虫博士という訳でもなかったので、細かい生態とかまでは解らない。
「そうっすよね。それで、昆虫のモンスターって、なんであんなにしぶといんすかね。頭? を斬られたり貫かれたりしても動いてるのは、別に生き残ろうとする執念とか、絶対に相手を殺す、道連れにしてやるってタイプの執念からくる動きじゃないっすよね」
「俺もそう、思うよ。そもそも他のモンスターとかと違って、昆虫系のモンスターはあまり感情がないからな」
「……私としてましては、脳がないから……と思っています」
「おいおいメリル、それマジか?」
「あくまで私個人の考えよ。私たち人間、コボルトやリザードマンなどにある一般的な脳と認識している物がない。役割を果たす器官の様な物はあるでしょうけど……主に体を動かす力しかないんじゃないかしら?」
そういえば、人間と虫では神経? に違いがあるんだったっけ。
脳の作りが違うことで、感情がないのかもしれないな。
「ほ~~~~ん?」
「……シュラ、あなた絶対に解ってないでしょう」
「おぅ。お前ほどそんな細かく考えてないからな。ただ、何となくでも理由? 理屈? を知れてたら、まだ納得出来るからな」
「…………何にモヤモヤしていたのかは知らないけど、納得して解消されたなら良かったわ」
シュラには、単純に気持ち悪さがあったんだろうな。
俺にも良く解らない部分はある。
感情とかが無かったとしても、戦力差が解ればダンジョンで生まれたモンスターじゃないんだから、逃走って選択肢もあるはず。
なのに、昆虫系モンスターは戦闘が始まれば、全く逃げようとしないからな。
「……蜂は、別?」
「蜂系のモンスターは……そうだな、あれはまたちょっと別なのかもしれないな」
「加えて、蟻系のモンスターも別枠かもしれませんね」
そうか、蟻もあったな。
蜂と蟻には女王がいるし、働きアリとかもいるから…………いや、でもそれは少なからず感情があるというよりも、生まれた時から役割があるから、戦う以外の選択肢も取れるのか?
「まっ、俺らがそこまで考えても仕方ないよな~~~」
「…………これだから脳筋は」
「んだよ。脳みそまで筋肉になって戦うのは気分が良いぞ」
…………シュラの気持ちも解るけど、正直メリルの気持ちも解るかな。
確かに俺たちは学者じゃなくてハンターだから、どうすればモンスターを倒せるか、どうすれば目的の素材を傷付けずに倒せるかとか、そういう事を考えるだけで良い。
でも、割とモンスターの謎? とかを考えて話し合うのも楽しいんだよな……まぁ、俺が珍しいタイプってだけか。
「ラガス坊ちゃま、どう思いますか。この男の考え方」
「俺はメリルの解らない部分に関して話し合う楽しさも解るし、シュラの頭空っぽにして筋肉を思いっきりぶつけて戦う楽しさも解るから、どっちの味方も出来ないな」
「そうですか……であれば、仕方ないですね」
納得してくれたようでなによりだ。
そして丁寧に素早く解体をして約十分、二体のポイズンセンチネルの解体が終了。
「……まっ、そういう事になってもおかしくないよな」
アイテムバッグに売れる素材などをしまい終えて周囲を見渡すと、数体程ゴーレムが転がっていた。
「ラガス坊ちゃま、あれはもう丸ごとギルドに売ってしまっても良いのではないですか」
「その方が良さそうだな」
幸いにも、俺とメリルが解体中にシュラたちが討伐したゴーレム系のモンスターは、全てCランク以下。
解体はギルドの解体士たちに任せるとしよう。
「えぇ。お二人とも、私の我儘を聞いていただきありがとうございます」
「んじゃ、さっさと解体しちゃおうか」
いつも通り、俺とメリルが中心となってポイズンセンチネルの解体をスタート。
「にしてもあれっすね。昆虫系のモンスター……あれ? 百足って昆虫でしたっけ?」
「百足は…………一応、昆虫の部類で合ってるんじゃないか」
前世で虫博士という訳でもなかったので、細かい生態とかまでは解らない。
「そうっすよね。それで、昆虫のモンスターって、なんであんなにしぶといんすかね。頭? を斬られたり貫かれたりしても動いてるのは、別に生き残ろうとする執念とか、絶対に相手を殺す、道連れにしてやるってタイプの執念からくる動きじゃないっすよね」
「俺もそう、思うよ。そもそも他のモンスターとかと違って、昆虫系のモンスターはあまり感情がないからな」
「……私としてましては、脳がないから……と思っています」
「おいおいメリル、それマジか?」
「あくまで私個人の考えよ。私たち人間、コボルトやリザードマンなどにある一般的な脳と認識している物がない。役割を果たす器官の様な物はあるでしょうけど……主に体を動かす力しかないんじゃないかしら?」
そういえば、人間と虫では神経? に違いがあるんだったっけ。
脳の作りが違うことで、感情がないのかもしれないな。
「ほ~~~~ん?」
「……シュラ、あなた絶対に解ってないでしょう」
「おぅ。お前ほどそんな細かく考えてないからな。ただ、何となくでも理由? 理屈? を知れてたら、まだ納得出来るからな」
「…………何にモヤモヤしていたのかは知らないけど、納得して解消されたなら良かったわ」
シュラには、単純に気持ち悪さがあったんだろうな。
俺にも良く解らない部分はある。
感情とかが無かったとしても、戦力差が解ればダンジョンで生まれたモンスターじゃないんだから、逃走って選択肢もあるはず。
なのに、昆虫系モンスターは戦闘が始まれば、全く逃げようとしないからな。
「……蜂は、別?」
「蜂系のモンスターは……そうだな、あれはまたちょっと別なのかもしれないな」
「加えて、蟻系のモンスターも別枠かもしれませんね」
そうか、蟻もあったな。
蜂と蟻には女王がいるし、働きアリとかもいるから…………いや、でもそれは少なからず感情があるというよりも、生まれた時から役割があるから、戦う以外の選択肢も取れるのか?
「まっ、俺らがそこまで考えても仕方ないよな~~~」
「…………これだから脳筋は」
「んだよ。脳みそまで筋肉になって戦うのは気分が良いぞ」
…………シュラの気持ちも解るけど、正直メリルの気持ちも解るかな。
確かに俺たちは学者じゃなくてハンターだから、どうすればモンスターを倒せるか、どうすれば目的の素材を傷付けずに倒せるかとか、そういう事を考えるだけで良い。
でも、割とモンスターの謎? とかを考えて話し合うのも楽しいんだよな……まぁ、俺が珍しいタイプってだけか。
「ラガス坊ちゃま、どう思いますか。この男の考え方」
「俺はメリルの解らない部分に関して話し合う楽しさも解るし、シュラの頭空っぽにして筋肉を思いっきりぶつけて戦う楽しさも解るから、どっちの味方も出来ないな」
「そうですか……であれば、仕方ないですね」
納得してくれたようでなによりだ。
そして丁寧に素早く解体をして約十分、二体のポイズンセンチネルの解体が終了。
「……まっ、そういう事になってもおかしくないよな」
アイテムバッグに売れる素材などをしまい終えて周囲を見渡すと、数体程ゴーレムが転がっていた。
「ラガス坊ちゃま、あれはもう丸ごとギルドに売ってしまっても良いのではないですか」
「その方が良さそうだな」
幸いにも、俺とメリルが解体中にシュラたちが討伐したゴーレム系のモンスターは、全てCランク以下。
解体はギルドの解体士たちに任せるとしよう。
163
お気に入りに追加
3,490
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました
公爵令嬢はアホ係から卒業する
依智川ゆかり
ファンタジー
『エルメリア・バーンフラウト! お前との婚約を破棄すると、ここに宣言する!!」
婚約相手だったアルフォード王子からそんな宣言を受けたエルメリア。
そんな王子は、数日後バーンフラウト家にて、土下座を披露する事になる。
いや、婚約破棄自体はむしろ願ったり叶ったりだったんですが、あなた本当に分かってます?
何故、私があなたと婚約する事になったのか。そして、何故公爵令嬢である私が『アホ係』と呼ばれるようになったのか。
エルメリアはアルフォード王子……いや、アホ王子に話し始めた。
彼女が『アホ係』となった経緯を、嘘偽りなく。
*『小説家になろう』でも公開しています。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
世界最強の公爵様は娘が可愛くて仕方ない
猫乃真鶴
ファンタジー
トゥイリアース王国の筆頭公爵家、ヴァーミリオン。その現当主アルベルト・ヴァーミリオンは、王宮のみならず王都ミリールにおいても名の通った人物であった。
まずその美貌。女性のみならず男性であっても、一目見ただけで誰もが目を奪われる。あと、公爵家だけあってお金持ちだ。王家始まって以来の最高の魔法使いなんて呼び名もある。実際、王国中の魔導士を集めても彼に敵う者は存在しなかった。
ただし、彼は持った全ての力を愛娘リリアンの為にしか使わない。
財力も、魔力も、顔の良さも、権力も。
なぜなら彼は、娘命の、究極の娘馬鹿だからだ。
※このお話は、日常系のギャグです。
※小説家になろう様にも掲載しています。
※2024年5月 タイトルとあらすじを変更しました。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる