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勝手に反応してくれる

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「体の大きさとか身体能力と、魔力量の差とか考えれば、やっぱどうしても格上の相手には敵わない時もあるだろ」

「それはそうだな。けど、だからこそ相手の動きを読む力を磨くんだよ」

「???」

おろ? 戦闘に関しては頭が回る方だと思ってたけど、まだ説明が足りなかったか。

「その強敵を相手に何分耐えられるのか解らないけど、耐えてる間に攻撃のリズムとかを読んで、賭けに出る」

「賭けに、か」

「そういう感覚に覚えはあるんじゃないか?」

「……あるな」

良かった。
その経験があれば俺が言う事に対して、なるほどなるほどってなる筈だ。

「その時に一撃必殺、もしくは相手の急所をぶち抜ける攻撃を放てば、格上の敵が相手でも勝てると思うぞ」

「………………まっ、あれか。俺がした質問に、絶対っていう保証を求めるのはバカだよな」

「解ってるじゃん。そもそもこういった森の中で戦う訳だし、強敵じゃなくてもさっき戦ってたフォレストオークとの戦闘中に、他のモンスターが乱入してくるかもしれないだろ。そうなれば、本来なら強敵じゃなくても危機的状況にはなるだろ」

「……だな。それじゃあよ、そういう場合はどうしたら良いんだ? いや、ちょっと質問し過ぎっつーか、図々しいのは解ってるんだけどよ」

「別に構わないって」

初対面はちょっとあれだったけど、今はこうして真面目にしてくれてる訳だしな。

それに、こうして頼られてるのは悪くない……年齢的には先輩であるレグディスたちが歳下の俺達を頼るってのはどうなんだよって話かもしれないけど。

「でも他のモンスター、勢力が乱入してきた場合か…………戦える奴は、もう全力で……なりふり構わず敵の心臓か脳、魔核をぶち壊しに行く。そんで、がっつり戦うのが無理そうな人は全力で逃げる。それしかないんじゃないか?」

「……最後はやっぱ根性がものを言うってことか」

「ん~~~、それも間違ってはいないんだけど、こっちがなりふり構わず攻撃に出た場合、絶対に相手が対処出来る
保証はないと思うんだよ。どのタイミングで同時に攻撃を仕掛ければ良いとか……同族であっても、そんなに速攻で直ぐに合わせられないはずだ」

やけくそとはちょっと違うと思ってる。

モンスターの中には高い知能を持ってる個体がいるのは解ってるけど、さすがに人間ほど頭の回転は速くない。

「つまり、最後は根性とスピードってことか」

「ん、ん~~…………そうとも、言えるかもな。速度強化と脚力強化のマジックアイテムとか持ってるなら、敢えて普段は付けないってのはありかもな」

なんか俺が言いたい事とは逸れてる気がしなくもないけど……うん、間違ってはないからな。

「騙すってことだよな」

「そうだな。よっぽど人と戦い慣れてるモンスターじゃなきゃ、指輪かネックレスとかを装備したからって、急に何かが変わるとは理解出来ないだろうからな」

「…………そうだよな~。やっぱり自分や仲間の命の方が大事だからな~~」

「ん? もしかして、レグディスはあんまり相手を騙したりして倒す戦法が好きじゃないのか?」

何気に騎士道精神的な考え方を持ってるタイプなのか。

「そうだなぁ。やっぱり、どうせなら自分の力だけで捻じ伏せたいだろ」

「その気持ち解るな~~~」

「だよな、フィーマ」

あぁ、なるほどなるほど。
そういう意味で、騙したりして倒す戦法が好きじゃないのね。

「普段はそれで良いんじゃないか? ある意味自分に枷を付けて戦ってるんだから、限界を越えて成長するチャンスになるかもしれないぞ」

「俺も今そう思ったんだが、そういう考えを持ち続けてたら、いざって時にヤバくならないか」

「運悪くイレギュラーに遭遇してしまった時にってことか。そこを心配する気持ちは解らなくもないけど、四人共……もうハンターとして三年以上は活動してるんだろ?」

「そうだな」

「なら、大丈夫だろ。そこまで強くなれてるってことは、並じゃない戦いを越えてきたのと同じ。それなら、いざって時は勝手に本能が働いてくれるはずだ」

「そ、そういうものか」

「多分な」

寧ろ、そういう時に仕事して貰わないと困るだろ、本能なんだし。

そんな会話をしながら解体を進め、ルーフェイスが割と本気で見張りをしてくれたので、解体中にモンスターが襲ってくることはなかった。
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