821 / 965
学べるだけ
しおりを挟む
「……シュラの奴、いつまで戦い続けるつもりでしょうか」
「ん~~……後数分ぐらいは戦い続けるんじゃないか?」
合計で五分以上。
一体の敵にかける時間としては、一応長い方か?
「合計で五分以上、ですか…………私も参戦して、直ぐに終わらせてもよろしいでしょうか」
「止めとけ止めとけ。そんな事したら、絶対に後でマジの喧嘩になるぞ。まぁ別に良いじゃん。まだレグディスたちの解体が終わってない訳だしさ」
全員解体のアビリティは持ってるだろうけど、オークの死体が三体もあるなら、そう簡単に終わらない。
まだシュラがあのステロイドリザードマンと戦っていても全く問題無い。
「そうかもしれませんが……大丈夫でしょうか」
……メリルが心配するのは、確かに解る。
観れば観るほど、普通のリザードマンではないと感じる。
人間の徒手格闘を武器とする相手との戦闘に順応するのが本当に早い。
加えて、シュラが行う効率的な拳、脚を使った攻撃を真似し始め……既に、自分のものにしてるか?
あれはどう視ても、Bランククラスのモンスターだ。
狼竜眼で視た結果、Cランクではあるけど、間違いなくBランクモンスターほどの強さを持ってる。
パワーがあって、それなりに防御力があって……あの敏捷性を考えたら、前回戦ったトロールよりも一枚上手。
ファイルトロールぐらいの強さがあると言っても過言じゃないな。
「まぁ、問題無いんじゃないか? あのステロイドリザードマンの成長速度は確かに驚きが過ぎるって感じの早さだけど、それでも対人経験はシュラの方が何倍、何十倍何百倍も積んできてる」
あの体を見る限り、ステロイドリザードマンもそれなりに人間、同じモンスターと戦ってきたんだろうけど、それでも経験数はシュラの方が圧倒的に上だ。
「それに、あのステロイドリザードマンの身体能力が半端じゃないのは解るけど、それは本気になったシュラも同じだろ」
「…………そうですね。そもそも鬼火を使っていない」
「ついでに言うとあのバカ……ちょっと熱くなり過ぎてるのか、魔力しか纏ってない」
「っ!! 言われてみれば…………本当にバカですね」
「……多分、だけど、今のシュラ、なら……それでも戦えると、思ってるんじゃ、ない、かな?」
あぁ~~、なるほど。
そういう可能性もあるか。
学園を卒業してからまだ数年も経ってないけど、それなりに強いモンスターと戦ってきた。
これまでの戦いを考えれば、確実にレベルアップしてる。
「一理ありますが、シュラがそこまで考えて戦っているでしょうか」
「それは……ちょっと、解らない、かな」
……どっちもあり得そうだな。
けど、そういった可能性も含めて……どう転んでも、この戦いでシュラがあのステロイドリザードマンに負けることはない。
成長速度は本当にびっくりするほど凄いが、それでも学べるだけ。
身体能力の差が埋まる訳じゃない。
それに、あの体格差だと確かにシュラの方が食らうダメージは大きいかもしれないけど、体積はステロイドリザードマンの方が大きい。
シュラが放つ攻撃の殆どが当たることを考えれば…………やっぱり、どう考えてもシュラが負けるイメージは浮かばない。
「ハッハッハッ!!!!!! どうしたぁあああああ!!!!! まだまだ、そんなもんじゃねぇだろッ!!!!!」
「ッ!!!???」
とはいえ、俺も正直鬼火は使うと思ってたんだが……どうやら、使わずに終わりそうだな。
「ぬぅあああああッ!!!!!」
「ジャガっ!!!??? シャ、ァ……ァ」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ…………はっはっは、終わっちまったか。まっ、しゃあねぇか」
最後に放たれたステロイドリザードマンのラッシュを掻い潜り、右拳を心臓部に叩きこまれた。
その一撃でそのまま胸部を貫くことはなかったけど肉、骨を越えてそのまま心臓にまでダメージが入り、そのまま破壊したってところか。
「お待たせしました! ラガスさん!!!!」
「別に待ってないよ。良い戦いを見せて貰った。そいつも俺らが解体するから、ちょっと休んでろ」
見張はルーフェイスに任せて、俺達もさっさと解体しないとな。
「ん~~……後数分ぐらいは戦い続けるんじゃないか?」
合計で五分以上。
一体の敵にかける時間としては、一応長い方か?
「合計で五分以上、ですか…………私も参戦して、直ぐに終わらせてもよろしいでしょうか」
「止めとけ止めとけ。そんな事したら、絶対に後でマジの喧嘩になるぞ。まぁ別に良いじゃん。まだレグディスたちの解体が終わってない訳だしさ」
全員解体のアビリティは持ってるだろうけど、オークの死体が三体もあるなら、そう簡単に終わらない。
まだシュラがあのステロイドリザードマンと戦っていても全く問題無い。
「そうかもしれませんが……大丈夫でしょうか」
……メリルが心配するのは、確かに解る。
観れば観るほど、普通のリザードマンではないと感じる。
人間の徒手格闘を武器とする相手との戦闘に順応するのが本当に早い。
加えて、シュラが行う効率的な拳、脚を使った攻撃を真似し始め……既に、自分のものにしてるか?
あれはどう視ても、Bランククラスのモンスターだ。
狼竜眼で視た結果、Cランクではあるけど、間違いなくBランクモンスターほどの強さを持ってる。
パワーがあって、それなりに防御力があって……あの敏捷性を考えたら、前回戦ったトロールよりも一枚上手。
ファイルトロールぐらいの強さがあると言っても過言じゃないな。
「まぁ、問題無いんじゃないか? あのステロイドリザードマンの成長速度は確かに驚きが過ぎるって感じの早さだけど、それでも対人経験はシュラの方が何倍、何十倍何百倍も積んできてる」
あの体を見る限り、ステロイドリザードマンもそれなりに人間、同じモンスターと戦ってきたんだろうけど、それでも経験数はシュラの方が圧倒的に上だ。
「それに、あのステロイドリザードマンの身体能力が半端じゃないのは解るけど、それは本気になったシュラも同じだろ」
「…………そうですね。そもそも鬼火を使っていない」
「ついでに言うとあのバカ……ちょっと熱くなり過ぎてるのか、魔力しか纏ってない」
「っ!! 言われてみれば…………本当にバカですね」
「……多分、だけど、今のシュラ、なら……それでも戦えると、思ってるんじゃ、ない、かな?」
あぁ~~、なるほど。
そういう可能性もあるか。
学園を卒業してからまだ数年も経ってないけど、それなりに強いモンスターと戦ってきた。
これまでの戦いを考えれば、確実にレベルアップしてる。
「一理ありますが、シュラがそこまで考えて戦っているでしょうか」
「それは……ちょっと、解らない、かな」
……どっちもあり得そうだな。
けど、そういった可能性も含めて……どう転んでも、この戦いでシュラがあのステロイドリザードマンに負けることはない。
成長速度は本当にびっくりするほど凄いが、それでも学べるだけ。
身体能力の差が埋まる訳じゃない。
それに、あの体格差だと確かにシュラの方が食らうダメージは大きいかもしれないけど、体積はステロイドリザードマンの方が大きい。
シュラが放つ攻撃の殆どが当たることを考えれば…………やっぱり、どう考えてもシュラが負けるイメージは浮かばない。
「ハッハッハッ!!!!!! どうしたぁあああああ!!!!! まだまだ、そんなもんじゃねぇだろッ!!!!!」
「ッ!!!???」
とはいえ、俺も正直鬼火は使うと思ってたんだが……どうやら、使わずに終わりそうだな。
「ぬぅあああああッ!!!!!」
「ジャガっ!!!??? シャ、ァ……ァ」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ…………はっはっは、終わっちまったか。まっ、しゃあねぇか」
最後に放たれたステロイドリザードマンのラッシュを掻い潜り、右拳を心臓部に叩きこまれた。
その一撃でそのまま胸部を貫くことはなかったけど肉、骨を越えてそのまま心臓にまでダメージが入り、そのまま破壊したってところか。
「お待たせしました! ラガスさん!!!!」
「別に待ってないよ。良い戦いを見せて貰った。そいつも俺らが解体するから、ちょっと休んでろ」
見張はルーフェイスに任せて、俺達もさっさと解体しないとな。
23
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる