817 / 950
なんとなく解る恐ろしさ
しおりを挟む
「……世の中のメイドとか執事が全員お前らみたいに強いわけじゃねぇんだな」
「護衛の騎士とかならともかく、メイドや執事に就いている人なら、そうなんじゃないか?」
他の家の事情とかはよく解らないけど、学園の令息や令嬢に同行している執事やメイド以外は割と普通だよな?
というか、学園に令息や令嬢と同行していた従者たちも、シュラやメリル程強い奴はいなかったし……多分、ライバル的な存在もいなかったよな。
「まっ、俺やセルシアが普通じゃない生活とか送ってただけだから、何で今そんなに強いんだってのは、そんなに気にしなくて良いんじゃないか? 一つの目安として、あんたらには未開拓の地を平然と探索できるぐらい強くなるってのがあるだろ」
「そいつはそうだな」
体の成長期は止まっても、これからも戦い続けて殻を破って上のステージに上がっていけば、更に身体能力や魔力量も増加する。
そりゃいつかは限界が来るだろうけど、今のところ既に限界が来てるようには全く視えない。
「別に今俺たちに負けたこととか、特に気にしなくても良いと思う。それに俺ら、ずっとここを拠点に活動する訳でもないからな」
「そうなのか?」
「あぁ、そうだよ。ある程度ここでの活動を楽しんだら、他の地域に移動するつもりだ」
タコキメラの……ゲーデルガンブ帝国との一件があるから、国外には出られないけど、この未開拓の地以外にも冒険する価値がある場所はあるからな。
「……それ、ギルドが許すのか?」
「??? さぁ、どうなんだろうな。ハンターギルドは諸々の未知が解明するまで俺たちをここに留めておきたいのかもしれないけど、さすがにそんな事したら……なぁ、メリル」
「そうですね。一先ず、カルパのギルドマスターのトップが入れ替わるでしょう」
「「「「っ!!??」」」」
「おいおい、何驚いてるんだ? セルシアは公爵家の令嬢だぞ」
令嬢の中でもミステリアス感が強めだから、もしかして忘れてたか?
「そ、そうだった……ですね」
「……口調、変えなくて、良い、よ」
「え、いや……え、えっと」
まぁ、そういう反応になるよな。
ハンター業だけに集中してると、貴族の爵位とか言われてもどこがどう偉いのか解んねぇよッ!!!! ってなるだろうけど、公爵家はなんとなく王家と同じぐらいヤバい、偉いって気付くんだろうな。
「本人が良いって言ってるんだから、良いんじゃないか」
「そ、それなら」
「つっても、公爵家の令嬢だからって、普段から権力使って無茶苦茶してる訳じゃねぇど。というか……ぶっちゃけ、まだ俺たち実家の力を借りてあれこれしたことはねぇよな?」
「多分、ない……と思う」
だよな~~。
面倒な大人たちこそ権力に敏感だし、もしもという最悪の事態を想定してくれてるんだろうな。
「そういう事だ。変に俺らを気にし続ける必要はないんだよ」
「っ、そうか…………悪ぃな。最初態度悪くてよ」
「別に気にしてないよ。多分そうだろうなって予想してたし」
「うぐっ、それはそれで恥ずかしいんだが……にしても、お前ら本当に俺らより歳下なのか?」
「あぁ、そうだな。この前学園を卒業したばかりで、十六の年だな」
「……貴族連中には、割とお前らみてぇにこう、大人の対応? ってやつが出来るのが多いのか?」
大人の対応? 怠い絡まれ方をした記憶ならあるけど…………そういえば、苦難惨劇に対して大人の対応をした友人ならいたな。
でも、それ以外で大人の対応が出来てた奴はあんまりイメージがないというか……リース会長とかはザ・歳上の女性って感じでしっかりして気がするけど、それは歳上だから当たり前っちゃ当たり前かもだしな。
「別にそんなことはないと思うぞ。割と俺が面倒を経験してきたから、自分に突き刺す視線を向けてく連中に上手く対応出来るようになってたんじゃねぇか?」
「な、なるほど」
……なんか思うところがある、みてぇな顔してる。
けど、俺らにとって別にお客様じゃないんだから、遠慮なくいかせてもらうぞ。
「護衛の騎士とかならともかく、メイドや執事に就いている人なら、そうなんじゃないか?」
他の家の事情とかはよく解らないけど、学園の令息や令嬢に同行している執事やメイド以外は割と普通だよな?
というか、学園に令息や令嬢と同行していた従者たちも、シュラやメリル程強い奴はいなかったし……多分、ライバル的な存在もいなかったよな。
「まっ、俺やセルシアが普通じゃない生活とか送ってただけだから、何で今そんなに強いんだってのは、そんなに気にしなくて良いんじゃないか? 一つの目安として、あんたらには未開拓の地を平然と探索できるぐらい強くなるってのがあるだろ」
「そいつはそうだな」
体の成長期は止まっても、これからも戦い続けて殻を破って上のステージに上がっていけば、更に身体能力や魔力量も増加する。
そりゃいつかは限界が来るだろうけど、今のところ既に限界が来てるようには全く視えない。
「別に今俺たちに負けたこととか、特に気にしなくても良いと思う。それに俺ら、ずっとここを拠点に活動する訳でもないからな」
「そうなのか?」
「あぁ、そうだよ。ある程度ここでの活動を楽しんだら、他の地域に移動するつもりだ」
タコキメラの……ゲーデルガンブ帝国との一件があるから、国外には出られないけど、この未開拓の地以外にも冒険する価値がある場所はあるからな。
「……それ、ギルドが許すのか?」
「??? さぁ、どうなんだろうな。ハンターギルドは諸々の未知が解明するまで俺たちをここに留めておきたいのかもしれないけど、さすがにそんな事したら……なぁ、メリル」
「そうですね。一先ず、カルパのギルドマスターのトップが入れ替わるでしょう」
「「「「っ!!??」」」」
「おいおい、何驚いてるんだ? セルシアは公爵家の令嬢だぞ」
令嬢の中でもミステリアス感が強めだから、もしかして忘れてたか?
「そ、そうだった……ですね」
「……口調、変えなくて、良い、よ」
「え、いや……え、えっと」
まぁ、そういう反応になるよな。
ハンター業だけに集中してると、貴族の爵位とか言われてもどこがどう偉いのか解んねぇよッ!!!! ってなるだろうけど、公爵家はなんとなく王家と同じぐらいヤバい、偉いって気付くんだろうな。
「本人が良いって言ってるんだから、良いんじゃないか」
「そ、それなら」
「つっても、公爵家の令嬢だからって、普段から権力使って無茶苦茶してる訳じゃねぇど。というか……ぶっちゃけ、まだ俺たち実家の力を借りてあれこれしたことはねぇよな?」
「多分、ない……と思う」
だよな~~。
面倒な大人たちこそ権力に敏感だし、もしもという最悪の事態を想定してくれてるんだろうな。
「そういう事だ。変に俺らを気にし続ける必要はないんだよ」
「っ、そうか…………悪ぃな。最初態度悪くてよ」
「別に気にしてないよ。多分そうだろうなって予想してたし」
「うぐっ、それはそれで恥ずかしいんだが……にしても、お前ら本当に俺らより歳下なのか?」
「あぁ、そうだな。この前学園を卒業したばかりで、十六の年だな」
「……貴族連中には、割とお前らみてぇにこう、大人の対応? ってやつが出来るのが多いのか?」
大人の対応? 怠い絡まれ方をした記憶ならあるけど…………そういえば、苦難惨劇に対して大人の対応をした友人ならいたな。
でも、それ以外で大人の対応が出来てた奴はあんまりイメージがないというか……リース会長とかはザ・歳上の女性って感じでしっかりして気がするけど、それは歳上だから当たり前っちゃ当たり前かもだしな。
「別にそんなことはないと思うぞ。割と俺が面倒を経験してきたから、自分に突き刺す視線を向けてく連中に上手く対応出来るようになってたんじゃねぇか?」
「な、なるほど」
……なんか思うところがある、みてぇな顔してる。
けど、俺らにとって別にお客様じゃないんだから、遠慮なくいかせてもらうぞ。
22
お気に入りに追加
3,491
あなたにおすすめの小説
私を裏切った相手とは関わるつもりはありません
みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。
未来を変えるために行動をする
1度裏切った相手とは関わらないように過ごす
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】6歳の王子は無自覚に兄を断罪する
土広真丘
ファンタジー
ノーザッツ王国の末の王子アーサーにはある悩みがあった。
異母兄のゴードン王子が婚約者にひどい対応をしているのだ。
その婚約者は、アーサーにも優しいマリーお姉様だった。
心を痛めながら、アーサーは「作文」を書く。
※全2話。R15は念のため。ふんわりした世界観です。
前半はひらがなばかりで、読みにくいかもしれません。
主人公の年齢的に恋愛ではないかなと思ってファンタジーにしました。
小説家になろうに投稿したものを加筆修正しました。
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
パーティー会場で婚約破棄するなんて、物語の中だけだと思います
みこと
ファンタジー
「マルティーナ!貴様はルシア・エレーロ男爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄そして、ルシアとの婚約をここに宣言する!!」
ここ、魔術学院の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、ベルナルド・アルガンデ。ここ、アルガンデ王国の王太子だ。
何故かふわふわピンク髪の女性がベルナルド王太子にぶら下がって、大きな胸を押し付けている。
私、マルティーナはフローレス侯爵家の次女。残念ながらこのベルナルド王太子の婚約者である。
パーティー会場で婚約破棄って、物語の中だけだと思っていたらこのザマです。
設定はゆるいです。色々とご容赦お願い致しますm(*_ _)m
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
殿下から婚約破棄されたけど痛くも痒くもなかった令嬢の話
ルジェ*
ファンタジー
婚約者である第二王子レオナルドの卒業記念パーティーで突然婚約破棄を突きつけられたレティシア・デ・シルエラ。同様に婚約破棄を告げられるレオナルドの側近達の婚約者達。皆唖然とする中、レオナルドは彼の隣に立つ平民ながらも稀有な魔法属性を持つセシリア・ビオレータにその場でプロポーズしてしまうが───
「は?ふざけんなよ。」
これは不運な彼女達が、レオナルド達に逆転勝利するお話。
********
「冒険がしたいので殿下とは結婚しません!」の元になった物です。メモの中で眠っていたのを見つけたのでこれも投稿します。R15は保険です。プロトタイプなので深掘りとか全くなくゆるゆる設定で雑に進んで行きます。ほぼ書きたいところだけ書いたような状態です。細かいことは気にしない方は宜しければ覗いてみてやってください!
*2023/11/22 ファンタジー1位…⁉︎皆様ありがとうございます!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる