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吠えるだけの実力はあった
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SIDE ラガス
「パーティーのバランスとしては、ちょっと前衛が多いかなって思わなくもないけど、ファールナがそれなりに攻撃魔法を使えるってのを考えると、まぁそこまで心配する必要はなさそうだね」
フィーマがタンクの役割を果たせて、いざとなればレグティスもタンクとして相手の攻撃を防げるってのを考えれば、他のパーティーよりも防御力は特に高い、かな。
「んで、こうして俺たちが全戦全勝したわけだけど、何か言いたい事とかあるかな」
「……ねぇよ、クソが」
「そうかそうか。そりゃ良かった。もし気に入らない点があるなら、もう一度模擬戦を行って全員一本ぐらい脚か腕の骨を折らないとって思ってたからね」
「っ、そんな事考えてやがったのかよ」
「当然だろ? ハンターになる前から、あんた達みたいな連中に面倒な態度を取られる、絡まれることはしょっちゅうあったんだ。どういった段階を踏んで対処していかなければならないかぐらい、既に考えていて当然だろ」
結局、全員切傷か青痣ぐらいで済んでるからな。
これでまだ不満があるなら、骨折ぐらいのダメージを負ってもらわないとってなる。
「おっと、死ぬ気の戦いならとか面倒な事は考えないでくれよ。そんな事を言い始めたら、うちのメイドは毒を使い始めるし、執事の方は容赦なく大剣を振り下ろしてくる。セルシアも宝剣を抜くし、俺も最強の手札を容赦なく切る」
「……あんたらが手加減してたのは、解ってる。もうこれ以上、ぐだぐだ言わねぇよ」
「はっはっは! そりゃ良かった。明日から一緒に未開拓の地を探索するんだ。ギスギスしたままなのは良くないからな」
無理に仲良くなるってのは悪手かもしれない。
けど、わだかまり? 変な溝があるままってのは良くない。
とりあえずそれが解消出来ただけでも良かったかな。
「んじゃ、飯でも食べるか」
「「「「っ!!??」」」」
「なんだよ、その顔は。なんか色んな事聞きたそうな顔してるし。それなら一緒に飯食った方が早いだろ」
「いや、それはそうだと、思いはするけどよぉ……」
「俺らはあんた達をエスエールさんから頼まれたんだ。そもそもこういう事が起きるってのは予め予想してたしな。ほら、行くぞ」
「あ、あぁ」
まだ二十を越えてないんだぞ?
二十を越えたとしても、若造って呼ばれる年齢ではあるし…………もうちょい、威圧感を感じさせる顔が欲しかったもんだ。
「ラガスさんは優しいっすね」
「そうか? さっき言っただろ。一応、自分在籍しているクランの先輩じゃない限り、下手な助けを受けたくない。そう思えるぐらいの実力は持ってたしな」
本当にしょぼい実力しか持ってなくても、エスエールさんから依頼された仕事ではあるから、やってられるか!! とはならないけど、苛立ちは増してただろうな。
「んじゃ、適当に食ってくれ」
「……あざっす」
酒場に移動し、ちょっと遅めの昼食を食べ始める。
レグティスとフィーマは遠慮なく食い始めたけど、生真面目っぽいヴェルデとファールナはまだ戸惑い気味だな。
「あんた達、マジで強かったな。なんでそんな強いんだ?」
「そうだなぁ……俺の実家は男爵家で、俺は長男じゃないこともあって、自由に出来る時間があった。んで、その時間の大半を強くなる為だけに使ってたから、だな」
「私も似た様なものですね。ラガス坊ちゃまの専属メイドになってからは、屋敷での仕事よりもラガス坊ちゃまの隣にいることが仕事になりましたので」
「俺も一応執事になりはしたけど、速攻でラガスさんの専属執事になったから、そこまで本来の執事っぽい仕事はしてこなかったな」
俺が街の外に出てモンスターと戦って、っていう生活ばかり送ってたから、二人も必然的にそうなっちゃったよな。
二人が普通のメイドや執事じゃ考えられないぐらい強くなったのは、多分そこら辺が一番の要因だよな~~。
「パーティーのバランスとしては、ちょっと前衛が多いかなって思わなくもないけど、ファールナがそれなりに攻撃魔法を使えるってのを考えると、まぁそこまで心配する必要はなさそうだね」
フィーマがタンクの役割を果たせて、いざとなればレグティスもタンクとして相手の攻撃を防げるってのを考えれば、他のパーティーよりも防御力は特に高い、かな。
「んで、こうして俺たちが全戦全勝したわけだけど、何か言いたい事とかあるかな」
「……ねぇよ、クソが」
「そうかそうか。そりゃ良かった。もし気に入らない点があるなら、もう一度模擬戦を行って全員一本ぐらい脚か腕の骨を折らないとって思ってたからね」
「っ、そんな事考えてやがったのかよ」
「当然だろ? ハンターになる前から、あんた達みたいな連中に面倒な態度を取られる、絡まれることはしょっちゅうあったんだ。どういった段階を踏んで対処していかなければならないかぐらい、既に考えていて当然だろ」
結局、全員切傷か青痣ぐらいで済んでるからな。
これでまだ不満があるなら、骨折ぐらいのダメージを負ってもらわないとってなる。
「おっと、死ぬ気の戦いならとか面倒な事は考えないでくれよ。そんな事を言い始めたら、うちのメイドは毒を使い始めるし、執事の方は容赦なく大剣を振り下ろしてくる。セルシアも宝剣を抜くし、俺も最強の手札を容赦なく切る」
「……あんたらが手加減してたのは、解ってる。もうこれ以上、ぐだぐだ言わねぇよ」
「はっはっは! そりゃ良かった。明日から一緒に未開拓の地を探索するんだ。ギスギスしたままなのは良くないからな」
無理に仲良くなるってのは悪手かもしれない。
けど、わだかまり? 変な溝があるままってのは良くない。
とりあえずそれが解消出来ただけでも良かったかな。
「んじゃ、飯でも食べるか」
「「「「っ!!??」」」」
「なんだよ、その顔は。なんか色んな事聞きたそうな顔してるし。それなら一緒に飯食った方が早いだろ」
「いや、それはそうだと、思いはするけどよぉ……」
「俺らはあんた達をエスエールさんから頼まれたんだ。そもそもこういう事が起きるってのは予め予想してたしな。ほら、行くぞ」
「あ、あぁ」
まだ二十を越えてないんだぞ?
二十を越えたとしても、若造って呼ばれる年齢ではあるし…………もうちょい、威圧感を感じさせる顔が欲しかったもんだ。
「ラガスさんは優しいっすね」
「そうか? さっき言っただろ。一応、自分在籍しているクランの先輩じゃない限り、下手な助けを受けたくない。そう思えるぐらいの実力は持ってたしな」
本当にしょぼい実力しか持ってなくても、エスエールさんから依頼された仕事ではあるから、やってられるか!! とはならないけど、苛立ちは増してただろうな。
「んじゃ、適当に食ってくれ」
「……あざっす」
酒場に移動し、ちょっと遅めの昼食を食べ始める。
レグティスとフィーマは遠慮なく食い始めたけど、生真面目っぽいヴェルデとファールナはまだ戸惑い気味だな。
「あんた達、マジで強かったな。なんでそんな強いんだ?」
「そうだなぁ……俺の実家は男爵家で、俺は長男じゃないこともあって、自由に出来る時間があった。んで、その時間の大半を強くなる為だけに使ってたから、だな」
「私も似た様なものですね。ラガス坊ちゃまの専属メイドになってからは、屋敷での仕事よりもラガス坊ちゃまの隣にいることが仕事になりましたので」
「俺も一応執事になりはしたけど、速攻でラガスさんの専属執事になったから、そこまで本来の執事っぽい仕事はしてこなかったな」
俺が街の外に出てモンスターと戦って、っていう生活ばかり送ってたから、二人も必然的にそうなっちゃったよな。
二人が普通のメイドや執事じゃ考えられないぐらい強くなったのは、多分そこら辺が一番の要因だよな~~。
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